第4話 番神
ついに戦闘シーンが出てきます……!初めて書くので下手かもしれませんが楽しんで読んでもらえれば嬉しいです。
翌朝、曇り空が広がる中俺たちは番神のところへ向かっていた。番神がいる遺跡は街から結構離れていた。
「こんなに遠いところから病院までどうやって俺を運んだんだ?」
到底、あの2人には俺を運べるとは思えない。
「あーそれね。ララが転移魔法で病院まで送ってくれたのよ。便利な魔法だったよ」
この世界には転移魔法まであるのか。現実でも欲しい魔法だ。
「魔法は使えるようになったか?昨日練習した通りにやればできるか?」
「うん、なんとかね。渡が練習の時に言ってた『戦術』に対応できる魔法は使えるようになったわ」
「そうなのか、期待してるぜ!」
葉月の顔は少し赤くなっていた。
そう言って歩いているとあの遺跡が見えてきた。遺跡を見ると少し怖いが俺と葉月は覚悟ができていた。
☆☆☆
私は今、王都へ軍を率いて向かっている。王都からの増援願いが届いたからだ。王都が魔王軍に襲撃されるのは600年ぶりであり我々も焦っている。
王都にある高い時計塔が見えてきた。私は王都の街を見た瞬間絶句してしまった。
「な、なんなんだこの光景は……!」
赤い月の中、王都中が炎に包まれていた。人々の悲鳴が聞こえる。地獄絵図のようだった。
そんななか、王都の中に入り王都軍と合流した私たちは王都軍を率いるクロス・ガリエン団長に状況を聞いていた。
「ガリエン団長、状況を教えてくれ」
「あぁ。我が軍は4割の兵と馬を失ってしまった。今我々が倒さないといけないのは、王がいる城の上に立っているあの者だ。そして、やらないといけないことは城の中に閉じ込められている王たちを救出することだ」
ガリエンは王都の中心にある城の方を指さして言った。城の方をよく見ると上には剣を持った剣士?のような者が遠くをみて立っていた。
「あれは、何者なんだ!?」
「あれはおそらく魔王の手下である七魔族かと思う。魔王が復活したから七魔族も復活したのだろう」
まさか、魔王だけでなく手下である七魔族まで復活していたとは……。
「とりあえず、我が軍は民の避難や魔族の撃退を目標に行動する」
「助かるよ。我々もできるだけ力を貸すよ」
「聞け!我々は王都中の民の避難を最優先に考え王都の安全を確保する!王都軍との連携を意識して戦え!第一部隊は私と王たちを救出する!それ以外の部隊は民の救出にあたれ!健闘を祈る!」
軍は王都軍と協力して戦うことになった。王都軍は想像以上にに疲弊していた。
私が早くあいつを倒さなければ……!
赤い月の光が指してる城の方へ私たちは向かった。
⭐︎⭐︎⭐︎
「番神は居るのかー!居るなら話をしたい!」
俺は遺跡内で声を張りはげて言った。遺跡内は結構暗かったが、奥に何か光があった。
「なんだあの光は……?」
俺がその光の場所へ行こうとした瞬間後ろから何か鋭いものが襲ってきた。
「……!」
「あなたたちはここで何をしている。ここは適性のあるものしかこれないのだ」
「お前が番神か!なら、話をしたい!」
番神は人間の姿をしていた。見た目は年端もいかない少女のような姿をしている。
「話か。なら私と一戦交えましょう?見た感じ君はナインマスターのようですし」
どうやら番神は見た目で適正がわかるらしい。番神の手には剣が作られていく。あれも想の属性魔法なのか。
「わかった。あの時殺されかけた借りがあるからな」
「渡、私は準備できてるよ。いつでもいけるよ」
葉月が自信を持った顔で言う。
「ふ、面白い!なら俺から行くぞっ!」
「望むところですっっ!」
番神の手からは剣が生成され、勢いよく俺の方へ走ってくる
シュンッッッ!
「残像っっ!?」
俺が剣を振り下ろそうとしたした瞬間番神は消えた。
「消えたっっ!?どこだ!」
「渡!上っっ!」
「っっ!」
俺は間一髪で番神の攻撃を防いだ。番神の剣は思っていた以上に重かった。
「これを防ぎますか。ならこれはどうですか!」
番神は鋭い槍を生成し俺の方へ飛ばしてくる。
「……!」
「ファイヤーエンブレムっ!」
葉月が槍たちを炎で消し去った。
「葉月、ありがとう」
「渡油断しすぎ!もっと注意してね!」
そう言ってると番神が話してきた。
「あなたたちはなんでここにきたの?」
「そんなの決まってる。星剣を回収するためだ」
「ですよね。でも星剣を回収するには私が認めないといけないんですよ」
「あぁ、知ってるさ。この戦いでお前に勝てばいいんだろう?」
「よくわかってますね。ならこの戦い、私も手加減するわけにはいかないですね!」
その瞬間番神の周りには魔法陣のようなものができ、周りが白い光に包まれた。
「なんだこれはっっ!」
光が消えると目の前の番神の姿は変わっていた。
「これが私の真の姿です。これで手加減なしにできます!」
ついに番神も本気を出してきた。ならこちらもあの『戦術』を使う時が来た。
「葉月、あの戦術を実行する。頼むぞ」
「えぇ、わかったわ!」
「番神!次は俺から行くぞ!」
俺は番神に向かって剣を勢いよく振るのと同時に番神も反撃してくる。
やはり強い!パワーが先ほどより上がっている!
「あなたの本気はそんなもの?なら残念ですよ」
「いや、まだ本気を俺は出していない!見せてやるよお前に!」
シュッッン!
剣の混じり合う音が遺跡中に響いている。
俺はナインマスターの力を扱えているんだ!
「あなたなかなかやるわねっ!私も反撃ですっ!ビルドグレイトっ!」
俺の方に黒い大きな球体が飛んでくる。
ふっっ!葉月今だ!
「「トランジェスタっっ!」」
俺がその場から離れた瞬間、後方にいた葉月が放った魔法が番神の魔法に衝突し、強い光を放った。
「んっっっ!うぉりゃーーーー!」
葉月の魔法と番神の魔術が打ち消しあい爆発した。
「今だ!」
俺はその隙をついて番神の背後に回った。
「クリエイトコピーっっっ!」
「……!?」
俺は番神の背中に手を触れた。その瞬間俺は血が逆流するような感覚に襲われた。
……成功した!
この特殊能力は魔術でもコピーできるのか。
「あなたは一体今、何をしたんだ?」
「ふっふっ!今、お前の力をコピーした!」
「は?そんなわけないじゃない!魔術は人間に扱えないのよ!あなたにコピーできるわけ……! 魔力値が上がっているだと……」
「なら見せてやろう!はっっっ!」
俺はさっき番神が俺に放った槍を生成した。
「な、なんだと!」
「お前の力は俺にも使えるということだ!」
「渡、成功したんだ!よかった……」
「次で決める!終わらせよう!はあっっーー!」
俺が番神に槍を放とうとしたとき番神は手を挙げた。
「この勝負、私の負けです。あなたは私の背後をとった。その時点で私は負けていました」
俺は番神に勝ったのか……!葉月との連携技がうまく決まったのが大きかった!
「渡、勝ったの!?渡のクリエイトコピーが発動しなかったらどうしようかと思ったわ!」
葉月が俺に抱きついてくる。少し苦しい。俺の苦しそうな顔を見て葉月もすぐ離れた。
番神の方を見ると俺の方に跪いていた。
「私は負けたわ。だから、あなたに星剣を託すことにするわ。それと、星剣を託すには私と『契約』しないといけないの」
「契約ってどうすればいいんだ?」
「私に『名前』をつけて」
どうやら、番神には名前がないらしい。番神に名前をつけないと星剣は解放できないようだ。
「葉月、『テルン』って名前でどうだろうか?」
「いいんじゃない!?『デルン』って響きもいいしね!」
俺は跪いている番神の方を向いて言った。
「決めたぞ!お前の名前は『デルン』だ!」
「『デルン』……。いいかも。素敵な名前をありがとうございます。これで契約は完了しました。星剣を渡します」
番神は奥の部屋へと歩いて行った。俺たちもデルンについて行った。
「あ、そういや、まだ自己紹介してなかったな。俺の名前は時野 渡だ。渡とでも呼んでくれ。そして、後ろにいるのが……」
「笠野 葉月です!アークプリーストやってます!渡とはギルド組んでるよ」
「これから、よろしくお願いします。渡、葉月」
「ここが、星剣を封印しているところです。来る日がきたのでしょう」
デルンが扉を開くと眩しい光が襲った。光が晴れるとそこには地面に埋まった光り輝く星剣があった。星剣は青く光っていた。
「これが星剣……!思ってた以上にかっこいいな」
「へー!これが魔王討伐のために神が授けた星剣の一部なのね!」
番神は星剣の方へ歩いて行き、星剣を握り地面から抜いた。その抜いた星剣を俺たちの方へと持ってきた。
「この星剣を渡に託します。誤った使い方をしないように正しく使ってくださいね!」
よく見ると、剣には星の模様が七つ刻み込まれていて、星の模様が一つ光っていた。
「もちろんさ。この剣に刻まれている星の模様ってなんだ?」
「その模様は星剣を集めていくと一つずつ光るんですよ。七つ星剣を集めた時にはその剣は本来の力を取り戻します」
星剣を七つ回収するとこの剣は昔、勇者が使っていた時の力を取り戻すのだろう。
「ちなみに、この剣って名前みたいなのあるのか?」
「特にはないですね」
俺は剣を持ったら何かしらの名前をつけたかった。
「なら、俺がつけてもいいか?この剣は『ライフスターソード』だ!」
「ライフスターソード……。ここのギルド名をとったんだね!」
「あぁ、これからこの剣を使うことになるんだ。名前くらいつけたいもんさ」
元々俺が使っていた剣と星剣をしまった時、俺のポケットが光出した。ポケットに手を入れ光源を出してみるとそれはギルドカードだった。よく見ると、使用可能なスキルのところに新しく「二刀流」が追加されていた。
「二刀流っ!俺も使えるようになったのか!」
「二刀流……。ほぉー、同じだ……」
デルンが何か小声で言っているが、俺は気にしていなかった。
デルンと俺たちは遺跡の出口に向かっていた。出口からは西陽が照らしてくる。
「デルン、なんやかんやありがとうな。この星剣は俺が正しく意味のある行動のために使うよ!」
「それは良かった。その意思があるだけでも負けた甲斐があったもんですよ」
デルンの西陽に照らされた笑顔はとても綺麗だった。
「渡、私たちも星剣を解放できたから急いでララのところに向かわないと」
「そうだな。俺たちも急がないと」
俺たちはデルンに別れを告げて王都に向かおうとした。
「デルン、じゃあな!また会えたら会おう!」
「何を言ってるのですか?私も渡たちと一緒に行きますよ」
「「へ?」」
俺と葉月は一緒に来るとは思わず、声をあげてしまった。
「だって、契約しましたし。あと、自己紹介したときも、『これから、よろしくお願いします』っていいましたよ。もし、信じられないのならギルドカードのメンバー表を見てください」
俺たちは慌ててギルドカードを見てみる。
「ほんとやないか!」
ギルドカードを見るとちゃんとデルンの名前が載っていた。
「見た通り、今日から私は渡たちのギルドメンバーですからね!」
俺たちはデルンをギルドメンバーに入ったことを認めた。
俺たちは遺跡を出て荒れた大地を進み、ステラ(街)の方に戻っていた。
「あ、そうだ。デルン、その魔術って服も作れるのか?」
「もちろん。想像の魔術なのでそれくらいなら作れますよ」
「ほんと!?なら私は魔法使いっぽい可愛いのがいいな!」
俺たちはこの世界に来てまだ制服のままだったので早く変えてもらうことにした。
「ビルドチェンジ!」
その時、俺と葉月の身体が光った。見てみると、俺の服は制服から青と黒が混ざったロングコートをまとっていた。葉月の方を見てみると、葉月は頭に大きな帽子をかぶり、緑を基調とした羽織のようなものをまとっていていかにも魔法使いっぽい服装になっていた。
「なにこれ可愛い!ありがとう、デルン!」
「ありがとうなんて言われたことなかったです。なんかいい気持ちですね」
葉月もデルンも嬉しそうに笑っていた。
森もそろそろ抜けようかとしているとデルンが俺に話しかけてきた。
「渡、これはどこに向かってるんですか?」
「今からステラに向かっている。その後、王都の方へ向かうんだ。今、王都に魔王軍がきているらしいからな。俺もララのために戦いたい」
「あー、それなら転移魔法で王都行けますよ。テレポートッ!」
「っえ」
俺たちの下には魔法陣が描かれ、急にひかりが視界を覆った。
目を開けると薄暗い空には赤い月が出ていた。
「ここはいったい……」
そして前を見ると立派なお城があり、その横には大きな時計塔があった。
「まさかここは……」
「王都ですよ。渡が王都に向かってるって言ったので転移魔法で連れてきました」
転移魔法すげー便利だな。俺も後で教えてもらおう。
「てか、番神って魔法使えたんだな」
「当たり前です。人間が使う魔法は私にも使えますよ」
デルンは当然のように言った。
ドォォォンッッ!
急にどこからか大きな爆発音が聞こえた。
「渡、あそこ!お城の方から、爆発するところが見えたよ!」
俺は赤い月が出ている城の方に目線を向ける。
「あれは……!」
そこには、ララがいた。ララは誰かと戦っているようだった。
「あれは一体誰なんだ……?」
「七魔族……!?」
デルンは驚いた表情をしていた。まるで、見覚えがあるような顔をしていた。
「七魔族ってなんだ?」
「七魔族……それは魔王の手下で、なかでも強力な七人の魔族だ……」
「まさか、魔王軍とともにその七魔族もきたってかんじなのかな」
城に行くまでは悲惨な光景が広がっていた。王都軍とステラ軍の兵士たちが民を救助している光景も見え、少し安心した。俺は七魔族、ララがいる城へ急いで向かった。
読んでいただきありがとうございます。これからも戦闘シーンとか多く取り入れていこうと思います。これからも不定期投稿ですがよろしくお願いします




