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ライフスター  作者: ダークマジャー。
第2章 水の番神編
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第17話 本の手がかり

またお久しぶりです。最近投稿できなくてすいません。

今回の話は深夜に書いたので、所々ボケているところがあるかもしれないのでそこらへんはご了承願います。

「精霊の本はどこかな〜?」


私は渡とフロアが契約したあと、フロアが言っていた精霊が気になり、リキッドにある図書館へサヤラっちときていた。


「でも、この図書館が壊されてなくてよかったね。ここが壊されていたら、精霊について何もわからなかったよ」

「そうね。ここが残っていることに感謝ね。精霊のことは何も知らないもの」


図書館は戦闘の影響か、明かりが少なかった。リキッドの図書館は巷でも有名で、かなり大きく、地図があっても迷うくらいだ。

まだ街は傷ついていて、各地で建物が倒壊したり、瓦礫が散乱していた。その中で、図書館が残っていたのは奇跡と言えるだろう。


「あ!あった!はっちゃん、精霊の本ここにあったよ〜!」

「え!本当!?」


私はサヤラっちの方へ小走りで向かうと、サヤラっちは両手で精霊の本を私の方に見せた。サヤラっちが発見した本をみると、表紙には羽の生えた精霊のイラストが描かれてあった。


「精霊って小さいものかと思ったけど、意外と私くらいの大きさなのかな?」

「それはわからないな〜。精霊って言っても会ったと証言している人は誰もいないからね」

「そうなんだ。でも、なんだか会ってみたいな〜」

「ふふ、私もだよ」


私とサヤラっちは談笑後、その本をゆっくりと開いた。


         ☆★☆


「これって、ここに置いておけばいいですか?」

「あぁ!そこに置いておいてくれ」


渡とデルンはリキッドの復興作業に取り掛かっていた。フロアは破壊された自分の遺跡を修理しに行ったようだ。

リキッドの街は七魔族であるダリスに破壊され、瓦礫などで溢れかえっていた。

渡たちはそんな中、運動も兼ねてその作業を手伝っていた。


「てか、お前見かけない顔だな。どこから来たんだ?」

「僕は時野 渡っていいます。どこから来たか……まだ、わからないです……」

「わからない?はは!面白いやつだな!ちなみに、俺の名前はカイだ。良き友人とでも思っておいてくれ!」


カイは一緒に作業してくれている渡を気に入ったようだった。カイはこの復興作業を先頭で仕切っている中心的人物だ。みんなからの信頼も厚い。


「渡〜。こっちの作業はひと段落したので、こっちの作業を手伝いますね」


作業着のような服を着たデルンが俺の隣にきて、作業をする。渡は作業で不明な点があったからカイに聞こうと、顔を向けると、カイの頬は赤くなっていた。


「カイ、大丈夫?頬が赤くなっているけど……」

「だ、大丈夫だ!少し、日に当たりすぎて赤くなったかもしれないな!ははは!」


カイは何やら慌てているようだった。渡はなんで慌てているのかわからず、首を傾げ、クスッと笑った。


「皆さーん!そろそろお昼休憩にしましょう!色々とごはんを用意してありますよー!」


役場からのアナウンスが入り、俺たちは役場に向かった。


役場に着くと大きな机があり、そこには豪華なご飯が並べられていた。メニューも色々あって、どれも食欲をそそられるものばかりだ。


「みなさん!午前中の作業お疲れ様でした!午後の作業に向けて、今はしっかりとごはんを食べ、休憩しましょう!では、ごゆっくりとお食べください!」


役場の人からの合図で、周りにいた人々は一斉に料理めがけて勢いよく向かって行った。

渡たちもしばらくした後、ご飯を取りに行った。渡がゆっくりと料理を選んでいると、横から手が伸びてきているのが見えた。


「渡はこれとこれ、あとこれも食べないといけないですよ」


その手の正体はデルンだった。デルンは勝手に渡が食べる料理を選別して、お皿に盛っていった。気がつくと、その量は食べきれないくらいまで盛られていた。


「ちょ、ちょっとデルン。もういいよ。ありがとう」

「す、すいません!つい色々と取ってしまい……」

「いいよ。僕1人じゃ食べきれないから、デルンも一緒に食べよう」


そう言うと、デルンは心苦しそうな顔から変わって、明るい笑顔になっていた。見ると、デルンの顔には作業でついただろう土や泥が付いていた。


料理を取り、草むらに座り込む。そよ風が、リキッドの街を駆け抜ける。その風につられて草がゆらゆらとなびく。


「デルンもお疲れ様。僕は記憶がないから、君のことがあまりわからない。でも、いい人だということはわかったよ!」


デルンは渡が持っているお皿の料理を少し取り、もぐもぐと食べる。


「いい人なのは当然ですっ!私は主人である、渡に仕える者ですから。私はいつでも渡のそばにいますよ」

「デルンはほんといいやつだな〜!惚れてしまいそうだよ〜」

「ほ、惚れるだなんて……。あまりそんなこと言わないでください……」


デルンは頬を赤らめる。そして、渡から顔を背けた。

渡はなんで、顔を背けたのかわからず、疑問に思ってそうな顔をしていた。すると、背後から誰かの手が伸びてきて渡の目を覆った。


「だーれだ!」


渡はニヤッと笑い、少し間を置いて答える。


「この声は、フロアだなー!」

「せいかーい!」


フロアはそう言って、手を引き戻す。渡はフロアの方を見ると、目を丸くする。


「どうしたんだ?その服は」


フロアの服はデルンと同じ白黒のメイド服になっていた。渡は慌ててデルンに聞く。


「これってデルンがやったのか?」

「はい、そうですよ。フロアがどうしても着たいというので……。でも、なかなか似合っていませんか?」

「確かに」


渡は即答した。フロアはその場でくるりと一回転し、スカートがひらひらと舞う。私も正直可愛いと思ってしまった。


「フロアの服はデルンと少し違うところがあります!それはどこでしょう?」

「次はクイズか」


渡はフロアのメイド服をじっと凝視し、いろいろな部分を見て回っていた。


「わかったぞ!肩出しをしていること、スカートの先端に水色のグラデーションが入っている!」

「三角かな〜。それもそうだけど、もう一つ違いがあるんだよね。胸に注目してみて」


渡はフロアの言われた通り胸を見ると、中央にトライデントの模様が入っていた。


「このトライデントの模様か?」

「大正解ー!このトライデント模様の所から……ほい!」


フロアが掛け声を発すると、フロアの胸が光り、そこからなんとトライデントが出てきた。


「じゃじゃーん!ここからトライデントが出てくるんだよ!なかなか便利だよこれ」

「これも、デルンに作ってもらったのか?」

「うん!デルンが不便だからって、作ってくれたよ」

「す、すごいわね。デルンもよく作ったわね」


私も思わず反応してしまった。デルンがそんなこともできるとは思わなかった。

渡はデルンの方を見る。デルンは渡のお皿にあった料理をぱくぱくと食べていた。渡はそんなデルンを見て少し微笑んだ。まるで、記憶があったときの、あの

あったかい顔みたいだった。


         ☆★☆


私たちは日が傾くまで図書館に残り、精霊に関する本を探した。でも、精霊関係の本はこの一冊しかなかった。

私たちは捜索を諦め、その一冊の本を持って、渡たちが待っている役場の方に走った。建物の影が途切れ、日が当たる場所には渡たちの姿が見えた。私が手を振ると、渡も手を振りかえす。

渡たちと合流すると、渡たちの服は泥などで汚れていた。相当頑張ったんだと思った。


「結局、精霊の本はあったのか?」


渡が真剣な眼差しで聞く。


「うんあったけど、この一冊しかなかった。他のところも探したんだけどね」

「そうか。ありがとうな。精霊の本が見つかっただけでも、全然いいよ」


精霊の本があったことに、番神の二人も驚いていた。

私とサヤラっちも正直驚いた。




その後、日も暮れたため、空いている宿に泊まることにした。みんなが、同じ部屋に集まると私とサヤラっちはこの本について話した。


「まず、この本なんだけど、中身を見ると精霊がいる場所と精霊の特徴……そして、精霊術について書かれていたわ」

「結構書かれているんですね。私も精霊についてはあまり知識がないので、わからないですが」

「なら、精霊について結構分かるんじゃないか?」


渡が期待した顔で見てくるが、私とサヤラっちは首を横に振る。


「この本は先ほどはづちゃんが言ったようなことが確かに書かれていますが、どれも『抽象的』なんです」


サヤラっちの言葉で話の空気が少し落ち着く。そして、サヤラっちは淡々と話し続ける。


「例えば、この本に書いてある『精霊がいる場所』についてですが、要約すると『北にある大木の森にある精霊の森というところに住んでおり、そこには大樹がある』としか書かれてないのです」

「そうなのか……。確かに、正確な場所が北ということと大樹があるということしかわからないな。本当にあるのか……?ちなみに、精霊術についてはなんと書かれているんだ?」


渡たちは思いの外落ち込んでおらず、真摯に私たちの話を聞こうとしている。最初は期待させてしまった罪悪感があったが、今ではもう薄れていた。


「それは、私が説明するわ。精霊術に関してなんだけど、他と比べて詳しく書いてあるのよ」


私は精霊術について書かれたページを開け、渡たちに見せる。


「このページには表が載っていて、それぞれ八つの種類があるわ」

「生成、回復、火炎かえん、天風、水流、星流、木霊こだま採花さいかの八つなんだね。自然に関係しているものが多いね」

「私が今回注目しているのはこの『回復』よ。これがどれほどの能力があるのかはわからないけど、これに賭けてみるしかないわ」


私の発言に、みんながコクリと相槌を打つ。精霊術に自然関係が多いのは精霊と自然が密接に関係しているからなのかもしれない。


「あのー、本に書かれているもう一つの『精霊の特徴』ってなんですか?」


デルンの質問で私は本のページをめくる。ページをめくっていくと渡たちは驚いて目を皿のように丸くした。


「ページがない……?」

「そう、この精霊の特徴のところだけ、ページが破られているの。何か隠すようなことを書いていたのか……」


真相は闇の中だが、精霊についての手掛かりが一つ消えたことに変わりはない。


「あと、疑問なんだけど、精霊に会えたとしても本当に渡の記憶を直してくれるの?タダでは無理だと思うし……」


確かにそうだ。タダで人間の症状を治してくれるわけはない。でも、精霊のことがわからない以上できることがない。できることと言ったら、人間界の美味しい食べ物を買うことくらいだろうか?


「確かに……そこはまだ考えてなかったわ。でも、もうこんな時間……。また、明日以降にでも、考えましょう」


部屋の時計の針は頂上を過ぎていた。思考力が落ちてきていることが分かる。もう、これ以上は考えられないだろう。


「確かに。もう寝た方がいいね。また、明日以降考えよう。僕は別に遅くなってもいいから……」


その日は本のことを語って終了した。これから、精霊についての話し合いを行っていかないといけないようだ。


          ☆★☆


「さーてと、次は昨日取ってきた、あの子の記憶を頂こうかしら……」


薄暗い部屋の中、ただ一人で記憶を味わって快感を得ている七魔族。七魔族が『その子』の記憶のビンを開け、匂いを嗅ぐ。


「ーーーー!これよ……これよこれよこれよこれよこれよこれよこれ!!なんという、最高の香り……。甘酸っぱくて、臭みもない……!完璧に近い匂い。これを味わってしまうのは勿体無いわ……」


その七魔族は匂いを嗅ぐと、狂ったように暴れ出し、瞳からは涙がこぼれ落ちる。そして、七魔族は一度冷静になって考える。


「そうだわ。この子記憶にある、はづき?って子をあの子から離せば、どうなるのかしら……?さらに完璧に近づくのではないか……!悲しみは最高のスパイスなのよ!素晴らしい素晴らしすぎる!」


七魔族は記憶のビンを机に置き、椅子から立ち上がる。そして、七魔族はドアに向かって歩み始めた……。


          ☆★☆


日が上り、リキッドの街を日差しが照らす。周りの水も日差しに反射して、鮮やかに光る。

私たちは役場に行き、クエストの報酬をたんまりもらった。


「よし、みんな準備は整ったか?そろそろ出発するぞ!」

「ええ、もちろんよ!いざ、精霊の森へ!」

「ちょっと待ってくれ!」


私たちがリキッドの門に向かって歩こうとした時、後ろから誰か息を荒げて声をかけてきた。

後ろを振り返ると、そこには膝に手をついたカイがいた。


「カイ、どうしたんだ?」

「これだけ渡したくてな」


そう言って、カイは私たちの方に手を差し伸べる。手のひらを見ると、そこにはお守りのようなものがあった。


「これは?」

「この街を守ってくれた礼や。この街に伝わる『アクアリスタ』や。旅の道中で何かしら守ってくれるかもな!」


カイの手のひらで水色に輝いている宝石のようなものがアクアリスタというらしい。すごく高そうだ。


「え!アクアリスタあるんだ!フロアも同じの持ってるけど、こっちの方が綺麗だ〜」


フロアは胸からカイが渡したものより大きいアクアリスタを出した。でも、輝きはカイに渡された方があった。


「カイ、ありがとう。このアクアリスタ、大切にするよ!」

「おうよ!また、会おうな!」


私たちは、大きく手を振るカイを後ろ目にリキッドの門をくぐり、精霊の森の方へ歩いて行った。




三日ほど歩き、夕暮れ時になったとき急にサヤラっちが右の方向を指差した。


「あそこに森が見えるよ!」


私たちは一斉にサヤラっちが指した方向に顔を向ける。


「あ、あれが精霊の森なのか!?」

「わからないけど、方角的にあってるし、もしかしたら……!」


私たちは一気にテンションが上がり舞い上がった。


(ようやく見えた!もうここに賭けるしかないんだ……!)


みんなが、その森の方へ走ろうとした途端、急に前から突風が襲った。砂煙が上がり、視界が遮られる。


「みーつけた……!あなたはどんな味なのかしら?!」


私は砂煙が舞ってる中、半目を開けると目の前には黒色のシルエットがあった。


「渡、デルン、フロア、サヤラっちどこ!?あなたは一体……」

「想像以上にかわいいわねぇ。私はメルタよ。唐突だけど……今からあなたを拐うわ。よろしくね、は・づ・きちゃん」


私は拐われることと名前を知っていることの恐怖、不気味感で失神しそうだった。目の前がだんだん暗くなっていく……。誰かに腹部を抱えられているようだ。


「は、葉月ーーー!!」


どこからか、聞き馴染みのある声が私の名前を叫んでいた。私はその叫び声を聞いた後、気を完全に失ってしまった。


お読みいただきありがとうございます。今回の話は書いていて一番長かったです。ふと思ったんですが、もし、自分が渡だったどうなっていたかと……。挫折してましたね。渡を見習いたいです。

そして、これが受験前、最後の投稿かと思います。また、受験終わりの3月から積極的に投稿していこうと思います。

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