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ライフスター  作者: ダークマジャー。
第2章 水の番神編
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第16話 記憶

お久しぶりです。今回の話は1話を読んでいないと面白くないと思います。この前、1話をリメイクしたのでまずはそれを読んでからこの話を読んでもらえると面白いと思います。

(……!ここはどこだ……?すごく暗い……なぜこんなところにいるんだ?君はいったい誰なんだ?)

あたしの名前はメルタよ。そしてあなたがいるのは……夢よ)


「ーーはっ……!!さっきのは、夢……だったのか?」


俺はなんだか長い夢を見ていたようだ……。夢の中で出てきたやつはメルタと言っていた。メルタが手を差し伸べてきた瞬間に夢は途切れた。

窓からは白色の太陽がギラギラと照っていた。俺は夢のことを気にしながらベッドの隣にある時計を見ると針は七時五十分をさしていた。


「やっべ!学校に遅刻するじゃねぇか!」


俺は高校生活初日を遅刻で迎えることに危機感を感じて、急いで支度をした。夢のことなんてすぐ忘れてしまった。


家を出て、走っていると桜の木が見えてきた。桜の並木の中を走っていると、前には同じ制服を着た高校生がいた。俺は間に合ったと思い、ほっと一息ついた。


桜道を歩いていると、


ばんっっっ!


後ろから背中を勢いよく叩かれた。俺は呆れながら後ろを振り返る。


「よぉ!渡!元気か?いやー、今日から高校生!突然だが、宣言させてくれ。俺は青春を謳歌するぜ!あ、渡みたいにずっとゲームしているやつには青春謳歌できないかな〜?」


そう言って煽ってくるやつの顔を見ると、黒色のモヤがかかっていて、誰かもわからない。


「君は誰だったかな?」

「おいおい〜。朝だからって寝ぼけすぎだろ!俺は宏太だよ。お前もう俺のこと忘れたのかよ〜」


そいつは、がっかりとした気持ちと驚いたという気持ちが混ざったような顔をしていた。


(ーー宏太……うっ!)


宏太という名前を聞いた瞬間、ひどい頭痛が襲う。

俺は頭を抱えてその場にしゃがんでしまった。


「おいおい!大丈夫か!?寝ぼけにも程があるだろ。ひどかったらこのまま帰った方がいいぞ」


宏太は俺の近くにしゃがみ込み、気にかける。


「だ、大丈夫だ。一時的なものだったみたい。もう痛みは引いたから」

「ならいいんだが。無理は絶対にするなよ!」


俺は宏太が差し伸べた手を掴んで立ち上がる。宏太はニヤと笑顔を浮かべる。


(今の頭痛はなんだ……?)


俺はその答えを知らないまま学校へと向かった。



宏太とクラス表を見ていると、宏太が急に声を荒げながら俺の名前を呼ぶ。


「渡!お前よかったな!」

「なにが?」

「今年は葉月ちゃんと一緒じゃねぇかよ!」

「葉月?ごめん、葉月って誰だっけ?」


宏太は口をポカンと開けたまま静止した。しばらくして、宏太は俺の肩に両手を置いてまじまじと俺を見つめる。


「お前葉月ちゃんのことも忘れたのか!?呆れたぞ」

「ご、ごめん。朝ボケがひどいのかも」


俺がそういうと、宏太は呆れながら右方向に指を指す。


「あそこで喋ってるのがお前の幼馴染の葉月ちゃんだ。今年からお前と同じクラスなんだ。忘れんなよ」


俺は宏太が指した方向を見ると、黒いモヤがかかった女子が見えた。


(ーーあれが葉月……葉月……うっ!!)


葉月の姿を見た瞬間、さっきと同じような頭痛が襲う。この頭痛は宏太の時よりも痛さが増している。

俺は立ちくらみながらも、自力でそばに設置されている白色のベンチに座り込んだ。座り込んでしばらくすると頭痛はだんだんと引いてきた。

その後、俺は宏太と一緒に各自の教室へ向かった。


教室のに入って窓際の方を見ると、葉月が友達と話していた。


(この人が幼馴染の葉月か……。かわいいな)


俺は葉月の顔を見るとそう率直に思ってしまった。




西陽が眩しくる放課後、俺は宏太と別れて帰路についていた。下を見ると、朝に舞っていた桜の花びらがそこらじゅうに落ちていて、その上には靴の跡が残っていた。

桜の並木も抜けて、最後の交差点に差し掛かった時、前を見ると横断歩道を渡ろうとする葉月がいた。葉月は歩行者信号が青になって横断歩道を渡っていると、奥から交差点前では止まらないスピードを出して突っ込んでくる白色のトラックが見えた。葉月はスマホを触っているため、トラックの存在に気づいていない。


(どうすればいいんだ……)


「渡!!」

「渡……」

「渡くん……!」


空から誰かの声が降ってくる。どの声も俺を呼んでいた。その声が聞こえた途端、視界が歪み始めた。白黒の渦が目の前にできていく。俺は渦のまくスピードが加速していくにつれ、意識を失っていった。




「渡!起きてよっ!」

「ーーん……ここは一体どこだ?」

「渡ーーー!」  


私は渡が目を覚ました瞬間に飛びついた。渡は私が飛びつくといきなりのことにびっくりして目を見開いていた。


「渡くん、起きたんだ!よかった……全然起きなくて心配だったよ」

「私も渡が起きなくて心配でした。腹の傷が深刻でしたので、すぐに治癒魔術をかけて治しておきましたよ」


サヤラっちもデルンも渡が目を覚ますのを待っていたから、喜びが溢れているのかな。

渡はきょとんとした表情で私たちの方を向く。


「あの、あなたたちは誰ですか?ここはどこで、僕は誰なんだ……?そして、あなたは……うっ!」


渡は私の顔を見て急に頭を抱える。頭痛が襲っているのか?わからないが、私はその言葉を聞いて、頭が真っ白になった。


(渡が私たちのことを覚えていない……い?)


ただ、それだけが頭を駆け回っていた。渡が記憶をなくしたのか?それしか考えられなかった。


「渡くん……わ、私たちのことを忘れたの?な、なんで……」


サヤラっちも突然の発言に驚きを隠せていない。サヤラの方を見ると頬を濡らしていた。


「渡……本当に忘れたんですか?この顔を、この姿を」


そう言って、デルンは渡の方に顔を近づける。


「ほ、本当に覚えてないです。起きたら頭の中が空っぽになったようで……。前の記憶がないんです」

「ーーちょっと頭を貸してください」


デルンは渡の頭に手を置くと目を閉じる。そして、デルンは低い声で魔術を唱える。


「『リサーチ』」


デルンの表情は時間が経つにつれて険しくなっていく。こんな険しい顔、デルンと会ってから初めて見た。しばらくすると、デルンは渡の頭から手を離し、下を向いてしまった。


「デルン、何かわかったことあった?渡は今どういう状況にあるの?」


デルンは拳に力を込めて、か細い声で言う。


「ーー何も……なかった……」

「「ーー!?」」


私とサヤラっちはデルンの追い打ちをかけるような発言に絶望する。渡の頭の中が何もないと言うことは、今までの記憶が全部なくなっていると言うこと。

私はそのことを受け入れられなかった。


「なんで、なんで!渡の記憶がなくなっているのよ!誰がやったのよ……」


私は涙腺が崩壊し渡の前で涙を流す。ベッドにいる渡は私たちを見て戸惑っているようだった。


「すいません。僕、記憶がなくなっているんですね……。自分も起きるまでの記憶が本当になくて……」

「あなたは悪くないの……誰があなたの記憶を奪ったのか……。それさえ知れればいいんだけどね……」


私は泣きながら悲しげな影が目に宿った渡を慰める。

この場は重い空気に包まれる。


「デルン、渡の記憶を取り戻す方法って何かないの……?」

「私の知る限りでは記憶を取り戻す方法は……」


デルンが話そうとした瞬間、ノックをして部屋のドアノブが開く音がした。


「誰ですか?」

「水の番神だよ。隣の部屋が騒がしかったから見に来たのと、もう一つ用事があって……」


水の番神は部屋の状況を見た途端、傷が完治してないのにも関わらず、渡のベッドの方に走って駆け寄ってきた。


「この人起きたのね!よかった……。あの時、見知らぬ魔族?に刺されていましたし。あれで生きているのは幸運だね」


私は水の番神が発した話の中に気になる発言があった。渡もデルンもサヤラっちも私と同じところに気が気になったと思う。


「見知らぬ魔族?刺される?どう言うことなの?」


私は思わず、番神に尋ねた。そうすると、番神は私の方を向いて言う。


「聞いてないの?この人と自分、その魔族?の人に刺されて、死にかけたんだよ」


番神は驚きの発言をする。私はその事情を深掘りする前に、今の渡の事情を話した。渡の記憶が失くなったことを伝えると、番神は険しい表情になった。


「まさか、そいつが渡の記憶を奪ったのかもしれないね。自分も刺されたけど何も奪われてないしね」

「その人が渡の記憶を奪ったと仮定すると、辻褄が合いますね。私的にその人がやったに違いないと思います」


デルンも番神の意見に賛同する。私も番神とデルンが唱える説が有力だと思う。


「あの、そのこととは別になるんですが、番神?さんがさっき言ってたもう一つの用事と言うのはなんでしょうか?その用事が大切なものならここで時間をかけるよりもそっちを優先した方が……」

「あー!忘れてたよ。自分がきたもう一つの理由は君との『契約』だよ」


この場にいる全員が目を丸くする。確か、番神と契約するには番神に認めてもらわないといけないはず……。


「あの、番神さんはなぜ渡くんと契約するのですか?」

「自分が認めたからだよ〜。この人は自分の星剣を使って自分を守ってくれたからね。この人はその星剣を使う資格があると思ったんだよね」

「そんなことした覚えないんだけどね……。でも、以前の僕がそのようなことをしていたのなら、君と契約してもいいよ」


番神はにこやかに話す。渡は記憶を失っているため、番神を守ったことを覚えてないようだった。渡は記憶を失う前に、この番神をもう一つの星剣で守ってあげたんだ。私はそんな渡を見て感心した。


「遅れたけど、自己紹介するよ。自分は水の番神。このリキッドの街周辺の遺跡にある星剣を守る者だよ」

「僕の名前は時野 渡か……。ごめん、これくらいしかわからない……」


番神はきりっと表情を変えると、契約の儀式を行おうとする。


「では、時野 渡、自分に名前をつけて」

「何も知らない僕だけど、君が望むなら……」


この場にいる全員がこの契約の儀式を固唾を飲んで見守る。


「君の名前は『フロア』だ。流れる水って言うことなんだけど、どうかな?」

「フロア、フロア……。いいですね!フロア気に入りました!」


フロアは頭のアホ毛をブンブンと揺らしながら喜んでいた。渡も自分のつけた名前に喜んでもらえた、フロアを見て暗かった表情も少し明るくなった。

フロアは後ろに持っていた、星剣を渡に両手で渡す。鞘から出した水の星剣は水色に輝いて綺麗だった。

水の星剣と想の星剣を近づけると、互いの剣が融合し一つの剣になった。


「これは!」

「一つ剣が集まりましたね。これで、使える技も広がりました」


これは星剣集めの記念すべき第一回の融合ということになるのか。このような星剣をこれからあと五個集めると思うと、楽しみになってきた。



「こちらも自己紹介が遅れました。私は渡に仕えている想の番神、デルンと言います。よろしくお願いします」

「私もしないと!私の名前はサヤラ・シャーベルト。防御プロテクト魔法を使っています。よろしくお願いします!」

「私の名前は、笠野 葉月。渡と幼馴染なの。よろしく!」

「みんな、これからよろしく!フロアも足引っ張らないように頑張るよ!」


みんな自己紹介が終わったところで、まだまだ聞きたいことがあるが、私は話を戻す。


「あの、番神お二方に聞くけど、渡の記憶って取り戻せる方法はないの?」


こう質問すると、番神二人組は手を顎に当てて悩み始めた。数十秒後、フロアがあっ!と声を上げる。


「何か思いついたの!?」

「もしかしたらだけど、精霊になら戻せるかもしれないよ!!」

「精霊って、まさか精霊の森のですか!?」

「あぁ!それですか!確かに精霊なら精霊術で戻せるかもしれないですね」


私は一切話についていけなかった。精霊と言う、現実世界では絶対に描かないようなワードを聞いて少しワクワクした。


「精霊ってなんなの?」

「あぁ、僕も知りたいな」

「精霊を知らないんですか!?精霊と言うのはここから西にある精霊の森にいるやつのことだよ」

「精霊が使える精霊術は魔法にも魔術にも属さない、第三種の術式なんですよ。だから、あまり精霊術は解き明かされてなくて謎が多いんですよ。でも、魔法にも魔術にもできない常軌を逸したことも可能にできるかもしれないのです」


私はフロアの解説を聞いてその森に行ってみたくなった。渡もウキウキとした表情でフロアの話を聞いていて、思っていることはほとんど同じなのかもしれない。その後も、渡と私はフロアやデルン、サヤラの解説を聞きながら、過ごした。


          ☆★☆


「あぁーこの記憶なかなかいいわ〜!この複雑な味わい、実に素晴らしいわ!」


魔族は天井に吊るした「記憶」と書かれたビンを開けてその中身を堪能している。記憶ビンの数は無数にあり、それは一生を賭けても使いきれないだろう。


「この、記憶はあまりかしら。臭みがあって、嫌いよ」


その魔族は気に食わない記憶ビンを壊した。記憶ビン内にあった液体は外に漏れると蒸発して消えた。


「次はと……昨日取ってきたこの子の記憶とかよさそうね……!」


そして、魔族はそのビンに手を伸ばした。













お読みいただきありがとございます!今回の話からまた新しいところに進んでいく感じになっていきます!また、いつ投稿できるかわからないですが、気長に待っていただけると嬉しいです!

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