第11話 ありのままで
最近寒くなってきましたね。自分はまだ半袖で過ごしています。今回もよろしくお願いします。
「きゃぁぁぁーー!」
「な、なんなんだっ!これは!」
会場にいた人々は突然すぎる爆発に驚き、慌てていた。会場内は混乱の渦ができ各所で悲鳴が飛び交っていた。人々が慌てて会場を後にすると、席に残ったのは俺と葉月、デルンにララ、そしてサヤラだけだった。
「みんな大丈夫かっ!?」
「私は大丈夫だけどお父様は……!」
「私も大丈夫だけど王様はどうなったの!?」
俺はデルンやみんなの無事を確認し、王のがいる方へ向かった。その瞬間、奥の方から男の響くような低い声が聞こえた。
「よぉ勇者」
前をみるとそこにはその声の主と思われる者と見たことのある者たちがいた。
「ロックスッ!」
「ナイラ王子!」
ララとサヤラがその者たちを見て絶句する。ロックスはララのすぐそばにいてサポートしていた分ショックも大きいのだろう。ナイラ王子はあの時間の後行方不明でどこにいるのかわからなかったがまさか『悪』の方についているとは……。
そんな、ララとサヤラを横目に見てその声の主は話し始めた。
「君がブローデンを倒した『勇者』か?」
「勇者ではないが、それに近いのかもしれないな」
「そうなのか!なら、試さないとねぇ」
話が終わった瞬間、その者はサヤラめがけ剣を刺そうとした。
「何してるんだっ!!」
「渡くんっ!」
俺は星剣をつかいその者の暗く鋭い剣を防ぐ。
(ブローデンの剣よりも重いっ!?)
「ほぉ、これを防ぐか。やはり、それは星剣なのだな」
「こんなめちゃくちゃにして。お前はいったい何者なんだ!」
その者はニヤリと笑い後ろに下がった。
「おぉと、これは名乗り遅れた。我の名は魔王アルシュタルク。この世界を陰から支配するものだ」
「アルシュタルクだと!?」
ララが反応する。ララは青ざめた顔をしてうつむく。
俺も驚いた。なんでここに魔王がいるのか?
「なぜ魔王がここにいるの!?そして、なんでサヤラさんを襲ったの!」
葉月が必死に魔王に問いかける。それに対して魔王はフッと笑った。
「我は星剣をもった者が復活したと聞いた。勇者が復活したのだと思い、我はお前をここにくるようした。その勇者が使っていた星剣を持つ者がどんなやつか試すためにな」
「まさか、俺をここに誘導させるためにあの事件を起こしたのか!?」
「そうだ!あそこで、王都の王女が生き残っていたのは想定外だったがな」
俺はあの事件の真相が魔王だったことに激しい怒りを覚えた。サヤラを殺そうとしたのか。俺は魔王を絶対許さないと決意した。
「お前……!あんなことしておいてそんな……!許さないぞ!!」
俺は星剣を取り出して魔王を睨みつけた。そして俺はララの方を向いて手を出す。
「ララ手を!」
「え……あ、あぁ」
俺はララの手に触れ特殊能力のクリエイトコピーでララの『エターナル』をコピーした。手に触れた時に感じる血が逆流するような感覚には少し慣れたような気がした。
俺はコピーし終えると星虹に輝くライフスターソードをもち勢いよく魔王の方は向かった。
「くらえ!『エターナルブレイカー』!」
「ほぉ、エターナルか!星剣にエターナルを混ぜて使うのか……。面白い!」
俺の星剣と魔王の黒い剣が樋鳴りを立てて混じり合う。お互いの件に雨粒が落ち跳ね返る。
「なかなかいいではないか。だが、こちらも負けてないぞ!『アークライザー』!」
その瞬間、魔王の剣についていた黒色の炎のようなものが剣の先を超えて燃えていく。そして、よく見ると魔王の剣は元の長さよりも長くなっていた。
「これで剣の性能は同等……いや、それ以上になったぞ!いくぞ!」
「……っ!」
俺は魔王の振り下ろした剣を防ごうと星剣を頭上に出すが、魔王の剣のパワーは先ほどの何倍も強くなっていて俺は防ぎきれず、右肩に剣が到達し怪我を負ってしまった。
「クソっ!なんだこのパワーは!」
「この魔術はな、剣の威力を増すことできるものなんだよ。魔法よりも強力だ」
俺は反撃のためにまた立ち上がり魔王に襲い掛かろうとすると後ろから声がした。
「君、私を忘れていないかい?みていたが、君だけではなんともならなさそうだ。ここは、私も協力させてもらうよ」
ララが俺の肩に手を置き治癒魔法で怪我を治す。この『エターナル』はララのものだからな。俺よりもララの方が使いこなせるはずだ。
「サヤラさんのことは私に任せて!」
下で葉月がグッドサインをして言う。俺は安心して頷く。
「よし、これで全力を出せる!ララ行くぞ!」
「二人が相手か……。いいだろう!かかってこい!」
魔王が余裕そうに言う。俺とララはその顔目掛けて剣を突き出す。
「『アークボイド』!!」
「『エターナルクリア』!」「『エターナルスタークリア』!」
ブローデンと戦った時のような魔術を俺とララは消す。
「これを消すか……。ならこれはどうだ!『アークブライザー』!」
目の前から無数の四角い黒い物体が飛んでくる。
「『エターナルブレイカー』!」「『エターナルスターブレイカー』!」
これもまたララと協力して壊す。一人では壊しきれなかった量だが、二人なら全部壊せる。
「そろそろこちらからも行くぞ!」
俺たちはいっきに魔王との距離を縮める。魔王の目の前に来た瞬間俺とララは分散し、ララは魔王が見えない背後に移動する。
「『エターナルスターライト』!」
「『アークライザー』!」
俺と魔王が剣で戦っている間にララは隙を見つけ背後から魔王に斬りかかる。
「これで決める!『エターナルディザスター』ー!」
「もういいかな……。 『アークインパクト』」
魔王がそう言った瞬間、時空が歪んだような気がし、気づいた時俺とララは葉月のもとへ戻っていた。ララの方を見るとララは腹を押さえていて、咳をすると吐血した。
「なんだ今のは!?魔王は今何をしたんだ!」
「まぁ今回はこんなものでいいか。大体わかったからな。あとはお前に任せる」
「御意」
魔王が後ろに下がり、新たに前に出てきたのはロックスだった。ロックスの隣には黒いオーラを放ったナイラ王子がいた。魔王に夢中でナイラ王子がいることを忘れていた。
「ナイラ王子!なぜあなたがそこにいるの!」
黙り込んでいたサヤラが再びナイラ王子に対し問いかける。サヤラの問いかけに対しナイラ王子はぴくりとも反応せずに俯いていた。
「無駄だ。王子は私の手によって奪った。もし奪い返すならナイラ王子を倒せ」
「なんで!なんでナイラ王子を奪ったの!」
「魔王様のためだ。勇者をこいつと戦わせてどのようになるか見るためだ」
ロックスは穏やかに答えた。サヤラの顔は今までにみたことないくらい怒っていた。サヤラの拳には力が込められていた。
「話は終わりだ。行け!」
ロックスが命令した瞬間に王子は残像を見せながら俺に近づいてきた。
「……っ!!」
王子はナインマスターだと聞いていたが、ここまで強いとは。俺の星剣でもやられそうなくらい強かった。
王子は魔王と違い速い攻撃で俺を襲ってくる。その攻撃に気づいた時には残像しか残っていなかった。
「こいつ、早い!追いつかねえ!」
「渡、後ろ!」
下から葉月の声がした。後ろを振り返るともうすぐそこには王子が剣で斬りつけようとしてきた。
(クソ!間に合わない、ここで終わりなのか!)
「何諦めてるの!」
目を開けた時そこにはデルンがいた。デルンは魔術で作り出した剣で王子の剣を抑えていた。
「デルンどうして!」
「私はあなたのパートナーです。死にそうになっているのに助けないなんておかしいじゃないですか」
「そ、そう……」
「『スパークル』!!」
デルンが俺の方に手を広げ俺に強化魔術をかける。『スパークル』をかけた瞬間体力が一気に回復し体が軽くなったような気がした。
「デルン、ありがとう。なら、俺のパートナーなりに着いてこいよ!」
「もちろんです!」
「番神と一緒に戦うのか。悪くはない。やれ!王子!」
ロックスの命令と共に俺とデルン、王子は飛び出した。
王子が繰り出す早い攻撃にデルンが対応し、俺は裏から王子の隙を伺う。
「なかなか早いわね。でも負けないわよ!『ブースト』!!」
デルンが何か言った時デルンの周りには青い粒子のようなものが出てきて鮮やかに輝いている。デルンを見ると王子以上に動きが速くなっている。どちらも残像だけを見せて戦っていた。
「ここで『ブースト』を使うのか。番神がブーストを使うことは結構危ないのだが……」
デルンが何かを唱えてから一気に攻勢が変わった。デルンが王子を押している。これはチャンスがあるはず。
そのチャンスはすぐに巡ってきた。
「はぁぁぁぁ!」
デルンが剣で王子の動きを止めた。俺はこのチャンスを見逃さなかった。
「デルンありがとう……。これで決めるぞ!『エターナルスタークリア』!!」
俺が技を繰り広げ、星剣が王子に当たると王子は力を失ったかのように地に落ちていった。王子が放っていた黒いオーラはなくなり普通の王子になった。
「ナイラ王子!大丈夫ですか!」
サヤラと葉月が王子の元へ駆けつけると、葉月は王子の生存確認をする。確認が終わると、サヤラの顔は明るくなり、葉月は俺たちの方へグッドサインを送る。
「まさか番神の『ブースト』で王子を封じ込めてから少年が星剣で倒す。なかなかいい連携じゃないか。いい相手になりそうだ」
ふと空をみるとそこにロックスと魔王の姿はなくただ雨上がりの空に綺麗な虹がかかっていた。
お読みいただきありがとうございます。投稿のペースを崩してしまいすいません。これからは直せるよう頑張ります。急いで書いたのでもしかしたら変な部分があるかもしれませんが多めにみてくれると幸いです。




