訪れたもの
初めての作品なので問題点はたくさんあると思いますが、読んでいただけると幸いです。
目が覚めると私は知らない場所にいた。
というか、ただ真っ黒な空間。宇宙にいるって言われたら、そのまま信じてしまいそうな空間だった。
私は死んだのだろうか?しかし五感は私の体がまだ動くことを証明してくれている。環境以外に先程までとの差は無い。となるとここはどこなのだろうか?
何かないかと辺りを見渡して見ると、さっき庇ったはずの女子高生も居ることに気がついた。女子高生も混乱しているようだったが、ある程度辺りを見渡した後、どうやら私に気づいたようだった。
「おじさーん ここどこかわかるー?」
「すまない 私も今気づいたんだ あとおじさんって呼ぶな 私はまだ32、いや32はもうおじさんなのか…?」
「そっかーわかんないかー 最後に車に引かれそうになったところまでは覚えてるんだけど」
「あいにくだが 私の記憶もそこまでなんだ…」
「んーそっかぁ あ、言うの忘れてたけど 私は現役中学生 木村鈴だよ よろしくねー」
この子、こんなよくわからん状況でよくこんなに喋れるな、と少し感心してしまった。てか、この子中学生なのか。今どきの子はこんなに大人びているのか、なんて思いながら鈴を改めて見てみた。細部まで気にされている手や顔、すこし暗めの茶色の髪、160cmくらいの身長。だからだろうか、やけに大人びている。
「そうか 私は林かなめだ よろしく」
「じゃあ 私達 鈴林コンビだね」
「いっておくが 私は中学生と同じ感性はもっていないぞ」
なんで名前と苗字なんだ…
若干、キラキラした雰囲気に押されながらも、ある程度の自己紹介を話していたら、後ろからペタペタと裸足と思われる足音が二つほど近づいてきた。
後ろを振り向くとあからさまに神々しい男性と絶世の美女と呼んでもなんの違和感もないような女性がいた。
私が振り返ったことでどうやら鈴も二人に気づいたようだった。
「あ、おじさんたち ここどこか知ってるー?」
君、だれにでもおじさんっていうのやめようか、と言おうとしたがそれよりも先におじさんと呼ばれた人物が口を開いた。
「ここは天界 死した者が訪れる場所」
おっと、なんか物騒なことを言い始めたぞ。だが、私も20年近く前には中二病という難病を発していた身、このような話に耐性がないわけではない。
というか…
「わ、私死んじゃったの!?」
そう、この話が事実となると、私は鈴を助けられなかったことになる。それが無駄死にであるかどうかよりも、また人を助けることができなかったことが私には大きく響いた。しかし、動揺している二人のことをまるで無視しておじさん(仮)は話を続けた。
「私はこの天界のトップであり、君たちの言葉でいうなら神と呼ばれる者だ」
「おじさん 神様だったの!?」
「うむ それでは本題だが現在、死亡してしまった5人の地球人に2度目の生を与え、異世界に飛ばしてあげようというキャンペーンをやっていてな その参加の有無を聞きにきたのだ」
とりあえず今までおじさんと思っていたことは心の中で謝っておくとして、最も気になる点を聞いてみる。
「何故、そんなキャンペーンをやっているのですか?」
「…異世界で魔王が暴れておるからじゃ」
なんだ今の空白は。
まあ、このまま死ぬのもなんだしせっかくなら参加してみるのも悪くない。
「じゃあ、私は参加します」
「私もー」
「…残念だが、あと参加できるのは1人なのだ」
なんだって…それじゃあ、片方はこのまま死ぬことになるっていうことか…
別に自分の生き様に満足している訳では無いが、どうせなら、私ではなく未来ある若者に譲るとしよう。
「じゃあ私は
「お言葉ですが、どうせなら2人とも転生させてあげてはどうでしょうか」
今まで無言を貫いていた美女が突然口を開いた。
「う~む 大天使である君がそういうのであれば仕方がない よかろう 2人とも転生させてやろう 特別じゃぞ?」
どうやら助けてくれた美女は大天使だったらしい、それもかなり地位が高いのであろう。
「ありがとうございます」
「うむ よいだろう」
おっと、大天使にお礼を言ったつもりが神様に伝わってしまった。
「しかし、『スキル』は2等分になってしまうから注意してくれ くれぐれも気をつけてな」
あれ、ちょっと待ってくれ、もう行くのか?てか『スキル』ってなんなんだ?他にも…
言いたいことがグルグルまわって口に出せない。
さらに、身体も消え始めた。
「困ったことがあったらそこの大天使に聞くとよい それではよい異世界ライフを」
そこで私の意識はまた途切れた。
指摘する場所があったらどんどんいってください。
より良いものになるように頑張ります。