9. 出会い
爆弾を見つけた日から一週間がたった
特に目立った出来事はなかったが、初めてできた友達と話をしたりと普通に過ごした
まだ入学して日が浅いので勉強が難しいということはないが、先生が子供に合わせて教えているせいで一回の授業で少ししか進まない。それに定期的に行われるテストが面倒くさい
この間も算数の授業で「1+1」がどうして2になるのか、数字はどうしてこの形なのかと質問をしていたら、教師が泣いてしまった
俺としては普通に質問をしただけなんだが……
まあ、俺の目的は勉強じゃなくて修業だから問題はないんだが………問題ないよな?
俺は普通に生活したいのに、普通しようと思えば思うほど、この世界の非常識になっていく。
そろそろ常識にこだわるのやめようかな
「もう時間だな。じゃあ今日はここまでにする、さっき出した宿題を忘れないように。号令」
「きりつ きをつけ れい」
「「「ありがとうございました」」」
いろいろ考えているうちに今日の授業が終わっていた
「なあ、今日の宿題ってどこ?」
「えっ、きいてなかったの?」
「ちょっと考え事してて」
「そうなんだ。えっと、さんすうのドリルの10ページまで。あと丸つけも」
「じゃあ、8ページまで終わってるから、あと2ページだな」
「うわ、修斗はやっぱりけいさんがはやいな。どうやってけいさんしてんの?」
「ん?普通に計算しただけだけど」
「ひっさんとかつかってないのに、よくわかるね」
「慣れだよ、慣れ。じゃあなー」
まだ、納得のいっていない表情の友人をおいて走って帰る
なにも知らない人が見たら、友達付き合いの悪いやつだと思われるかも知れないが、今日は集団下校の日じゃないし、特に遊ぶ約束もしてないから問題ない
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俺は今、動きやすい服装で山に来ている。
ここは、学校の帰りに寄り道した山でたまたま見つけた場所だ。
木が生い茂っているなかに、少し開けたところがあったので修行をする場所として使うことにした。
毎日修行をしていることもあってか、だいぶ筋肉がついてきた。マッチョ、とまではいかないが力をいれると力こぶができるくらいにはついた。
俺は毎日、二時間くらいこの山で修行をしている。
俺がしている修行は二種類ある。
一つ目は筋トレだ。どんなに知識や技術があっても筋肉がないと体がついていかない。
二つ目はイメージトレーニングだ。頭のなかで自分の動きをイメージすることで実際にやったときに動きがスムーズになる。
とりあえず、ウォーミングアップとして魔力を放出し続けた。
「こんな山奥で何しとるんじゃ、少年よ」
集中しているとこにいきなり話をかけてきたのでギョッとした。声をかけられたのもそうだが、一番驚いたのは目の前のおじいさんに声をかけられるまで気がつかなかったことだ。
「そんな怖い顔してどうかしたのかのぉ」
「あっ いえ何でもないです」
「そうか……、それにしてもお主の魔力はきれいな赤じゃのぉ」
「っ!!」
「随分と驚いているようじゃの。ごく稀にいるんじゃよ魔法が使える人間が」
知らなかった……
「だいたい一億人に一人くらいじゃな」
一億人に一人って世界に百人もいねぇじゃねーか
「まぁの、超能力くらいだったらもうちょいと人数がいるんじゃがの」
「へぇ~」
じゃあテレビでよく見る超能力ってあながち嘘じゃないんだな
「ところでお主、名前はなんと言うんだ?」
「山口修斗です」
「うむ、修斗よ。お主はさっき何をやらかしたのかわかっているのか?」
「いえ、わからないです」
「あの量の魔力を垂れ流すということは、世界中の魔法使いや未知の生物に、自分がここにいるといっているようなものじゃ。何が起こるかわからないぞ」
えっ!? ナニソレコワイ
「お主は魔法使いとしての常識がほとんどないようじゃの。ふむ、儂が鍛えてやろう」
「明日も同じ時間にここにこい」
「はい!!」