8. 入学とその後
俺は校舎裏を歩いていた。意味もなく、ただ行ってみたくなったのだ
この学校の校舎は比較的に新しい。汚れがほとんどなく、廊下は光が反射してきれいだった
こんなことを思いながら歩いていると、近くの茂みに不審な影を見つけた
その影は茂みで何かをしたあと、走って逃げていった
俺はこのとき、何か嫌な予感がした
不審な影がいたところに行くと、四角い箱のような物があった
この箱は黒く、蓋がついていて簡単に開きそうだった。この箱を開けて見ると、液晶の画面とコードのついた筒が入っていた
液晶には、「9:30」の数字が映っていた
俺の持っている知識から、すぐ爆弾だと気づいた
コードの付いた爆弾は解除するのに手順があり、その手順を間違えると爆弾が爆発する可能性がある
爆弾を解除する方法がわからないので「創造魔法」で爆弾を無効化することにした
爆弾はすでに「6:12」になっている
爆発するまで時間がないので、俺は一節詠唱で魔法を放った
「解除」
次の瞬間、爆弾のタイマーが止まった。無事に、爆弾が解除されたのだ。
俺はこの件について考えることを放棄して、すべてを警察に任せることにした
警察に解除した爆弾を引き渡し、入学式に戻った
警察に色々聞かれたが、うまく誤魔化したので大丈夫だろう
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俺は警察になって10年のベテランだ
色々な事件を解決して何回も表彰されている。まだ独身だが、30代なので問題ないと思い
う
「先輩、これを見てください!」
「何だ?お前が大声を出すなんて珍しいじゃないか」
「小学校に爆弾が設置された事件なんですが、爆弾は解除した状態で小学一年生の子供が持っていたそうです」
「何?どういうことだ?」
「わかりません。ただ、その小学一年生の子供は『自分が見つけたときには、すでに解除されていた』と、言っているようです」
「わかった、その書類を少し貸してくれ」
書類を見ただけで、その子供の異常さがわかった
警察の質問には的確に答えていて、その時の状況もしっかりと言えている
書類にはその時の仕草や雰囲気も書いていたが、とても子供とは思えなかった。大人っぽいとかそういう訳ではなくて、大人そのものという印象を受けた
俺はこの事件の犯人を探すとともに、その子供も探すことにした
残念ながらこの書類には、子供の名前は書いていなかったが、あの小学校の児童であることは間違いない
絶対にこの子供を見つけてやる
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翌日
学校で特に変わったことはなかった
呼び出し等はなく、普通の一日だった
クラスでは「係」を決めや自己紹介、学校のルールを確認したりした
「係」とは、クラスで決めた役割のことだ。黒板を掃除する係や体調不良になった生徒を保険室ヘ連れて行く係など、色々な係がある
自己紹介では一人ひとりが好きな食べ物や特技などを発表していくものだった
俺はクラスメイトと仲良くなるつもりはないが孤立したくはないので、ちゃんとした自己紹介を考えた
「〜がすきです。よろしくおねがいします」
すぐに、俺の順番になった
「俺は山口 修斗です。好きな食べ物は肉で、好きな事はトレーニングです。よろしくお願いします」
自然な自己紹介ができた俺は、2日目にして友達が何人かできた
次から新しい章に入る予定です