7. 修行 その肆
短編を書いてみたので、ぜひ読んでみて下さい
創造魔法を使って鳥を作った翌日、俺は今の自分の魔力で、どのくらいの魔法が使えるのかを調べることにした
魔法を使うときに、詠唱をする必要はない
だが、詠唱が必要なパターンは2つ存在する
1つ目は、その魔法の使い手がまだ未熟な場合
2つ目は、伝説級以上の魔法を使うときだ
伝説級以上を無詠唱で発動できるのは、極わずかの魔法使いだけだ
魔法の階級は、初級、中級、上級、伝説級、究極級、神話級の6つだ
魔法には名前がついておらず、属性と階級があるだけで、魔法の威力は魔力量と魔力の質、属性の強さで決まる
中には、自分の魔法に名前をつけている魔法使いがいるが、見ているこっちが恥ずかしいのでやめてもらいたい
魔法には、いくつか種類がある。それぞれ、火魔法、水魔法、雷魔法、風魔法、土魔法、光魔法、闇魔法の7つだ
これらの魔法を使うときの魔力属性は火 水 雷 風 土 光 闇で、これを基本属性という
また、ユニーク属性という属性があり、習得の難しさでイーズ、ディフの2つに分けられている
今日、試すのは基本属性だ
同じ属性の魔法だと詠唱も同じになる場合が多い、そして基本的な詠唱は「○○よ ○○をもって ○○せよ」だ
詠唱が長いと、消費する魔力は少なくていいが、実戦では短いほうが好まれる。ほとんどの魔法がこの詠唱だが、違う詠唱のものもある
大切なのは、詠唱の文で使う魔法をイメージすることだ
イメージさえできれば、魔法の威力は格段に強くなる
俺は毎日、魔力強化トレーニングと魔法の試し打ちを続けた
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あれから4年がたった
「シュウちゃん、そろそろ行くわよ」
俺は今年から、小学生になる。と言っても、ちゃんと学校に行くかはまだわからない
俺は学校よりも、強くなることを優先したいからな
修行は実を結び、俺の魔力量はあの日の魔力量と比べて5倍近くまで上がった
ただ、魔力は上がっても肉体が強くなることはない。肉体を強化する魔法がないこともないが、それでも普段から肉体を鍛えている人には敵わない
いつかは肉体も鍛えて、魔力と肉体の2つで世界一になりたい。とにかく、強くなりたいという願望がある
「シュウちゃんなにやってるの?」
今日は、小学校の入学式だ
保護者が化粧をし、華やかな服を着ている
小学校へ行き母親の別れたあと、俺は校内を見て回ることにした
普通の入学生は、不安や緊張、喜びでいっぱいになるのだろう。だが俺は不安でいっぱいだった
俺はじっと座っているのが苦手で、常に何かをしていないと落ち着かない。一度集中すると、周りの声が聞こえなくなるくらい集中できるが、集中できることがあまりないのでメリットの少ない、面倒くさい性格だと自分でも思う
俺はこの4年でこの世界の、特に日本の文化について調べた
調べたときにアニメやマンガについて、思ったことがある。それは、自分が体験したことでもないのに体験したかのような物語だったことだ
異世界を題材にしたアニメの、魔法や魔王のことについて説明する場面で、まるで見てきたかのような表現が多かった。作家はみんな転生者、もしくは転移者なのかと疑ってしまうほどだ
アニメでは大抵、入学式で絡んでくる奴がいたり、事件が起こったりするのだが、まだ小学生なのでそんなことはないだろうと思っていた
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