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捨てる人材

捨てる人材 -5-



「それでは、お世話になりました」



大木は開発室を出る際に、そう皆に聞こえるような声で告げ、頭を深く下げた。


瞬間、カタカタと部屋中に響き渡っていたキーボードの打鍵音が止んだ。



手前に座る何人かが、立ち上がってパテーションの上から顔を覗かせたが、誰一人大木に声を掛けることは無く、また先の様にキーボードの打鍵音があちらこちらから響き始めた。



(寂しい奴らだな。大木 俊二が今日で辞めるってのに)



それどころか、大木は死んでしまうかもしれないのに―――と平山は胸中をもやもやとさせた。



大木はゆっくりと顔を上げると、平山の方を振り返った。



「それじゃ、行きましょうか」




そう言って大木が部屋を出たので、平山もそれに続いた。



*********************************





大木と平山は一階の倉庫の前に立っていた。



道中、大木と平山は一言も会話を交わすことが無かった。




平山が倉庫を開けようとしたところで、倉庫に鍵がかかっていることに気付いた。



「あれ、鍵かかってる」



上司の山下の話では鍵は開いているとのことだったのだが……



「すいません、鍵取って来るのでここで少し待っていてください」



平山はそう大木に言い残すと、2階にある人事部へ向かった。






捨てる人材 -5- -終-


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