インスタントコーヒーでも良いんです
マキネッタ編を終えてまったりしていた間に、私が買ったコーヒーを挙げて見ましょう。
1.豆屋さんで買ったパプアニューギニア産ハセン農園・修道院のコーヒー
2.豆屋さん自慢のオリジナルブレンド
3.緑の缶で目を引くMJBの大きいサイズ
4.KEY COFFEE グランドテイスト モカ
5.ネスカフェ 香味焙煎
1.と2.は毎日に欠かせない私を動かすハイオクガソリンのようなものです。正月の前に無くなると思うので買い足す必要があり、何を買おうか迷っています。
3.と4.は訓練用と研究用の面が強い豆です。
3.は一番安くて量がある豆で、美味しいかどうかについては賛否が分かれるところでしょう。
4.は定番の豆ですが自分にとってマキネッタで使う際に定番にしている豆です。気軽にどこでも買えるのでここを軸や基準にしようという考えですね。
で、今回は5.についてです。
コーヒー好きならインスタントは邪道とか、ミルクや砂糖を使うのは邪道とか、私はそういう考えが一切ありません。みんなどれにも良い点があり美味しく飲めます。
今回はインスタントの中でも少し高い香味焙煎を買いましたが、定番のネスカフェエクセラや業務スーパーで売っている一番安いインスタント等を普段は買っています。
マキネッタだと10分、ドリップだと10分強、コーヒーメーカーでもそれなりの時間がかかるコーヒーですが、やはりインスタントは思い立ってお湯を作ったらすぐ完成するので飲みやすいのが良いですよね。
経済的で器材を選ばずに作れるのも良いところでしょう。
私は朝のうちにドリップできなかった時、インスタントを使います。家に帰ってきて麦茶が無い時にも使います。キッチンや作業場へ立つ時に喉が淋しい時に使うこともあります。
コーヒーは特別なものではありません。コーヒーを飲めるのであれば、誰もが生活上の選択肢の一つとして挙げることができる嗜好と至高の逸品です。
インスタントだけでコーヒー好きを語っても良いと思います。ドリップが終わったらインスタントについて語り尽くすのもアリかとも思っています。
では、味や飲み方はどうでしょう?
このエッセイではコーヒーの味についてあまり言いません。ですが、飲みやすさについては語っていきたいと思います。
飲みやすくする方法はご存じの通り、砂糖とミルクが定番でしょう。
人によってはシロップやシュガーカットという人も居るでしょう。
余談ですがシュガーカットに含まれている人工甘味料のサッカリンを危険物だから「買ってはいけない」と騒がれていた時期がありましたが、その話が出た直後から危険ではない、問題ない、ということが明らかになっています。
コーヒーもまた主にカフェインのために中毒的嗜好、刺激的嗜好、新陳代謝への影響などがあるのですが何事も摂取量や加減の問題でしょう。
インスタントコーヒーは緊張や集中をせずに誰でも飲めます。
そうして一般常識化された感がある反面、知られていないこともそれなりに多いのでここでは少しトリビアをつらつらと。
例えば、インスタントコーヒーの粉は豆ではなくコーヒーを固めたものというのはどうでしょう。
人によると豆を砕いて食べられるようにしたのがインスタントコーヒーの粉と思っている方がいるようです。しかし、そうではなくて一度コーヒー豆からコーヒーの液を抽出して、それを固めたものがインスタントコーヒーの粉なのです。
インスタントコーヒーを自動で飲むシステム、ネスカフェ バリスタも今では随分世間になじまれていると思いますが、バリスタは保証を度外視すればネスカフェのソリュブルコーヒー以外のインスタントコーヒーを使えます。私はそのような使い方で3年間飲んでいました。
少し前に水漏れと掃除不足によるサーボモータの故障により壊れてしまいましたが折を見てまた買いたいと考えています。時間の短縮は嬉しいですからね。
インスタントコーヒーに油膜がはっていたり泡に粘り気を感じたりしたことは無いでしょうか?
これは普通にドリップする人でもペーパードリップだけしかしない人は気づかないことなのですが、コーヒー豆は植物性油を持っています。むしろこの油が旨味成分の一つとして味の評価の対象になっています。
従って、下手なペーパードリップよりも油分を含むインスタントコーヒーの方が美味しいということは十二分にありうるのです。
油を持っている理由はコーヒー豆が木の実と同じ果実だからです。リンゴやバナナというよりもクルミやピーナッツやカシューナッツと同じで油分があるということです。
ところでですね。
この油分を含んだコーヒー。実は鉄モノの調理器具を洗うのにも使えるというトリビアもあったりします。実際、それなりに落ちます。
但し、やはり油分を持ち界面活性剤が無いコーヒーですので最終的には洗剤を使う方がいいでしょう。ガセビアとまでは言いませんが落ちにくい汚れを洗う際に、先鋒としてインスタントコーヒーで洗ったことがあります。次鋒、副将、大将を経て洗う水が黒くなくなれば汚れに勝っているかもしれません(笑)
インスタントコーヒーは日本人が発明に関与したということもあり、日本ではなじみが特に深い嗜好品になっています。日本らしい嗜好品というと日本茶を思い浮かべてしまうのですが、インスタントコーヒーはせっかちで横着で食にこだわる素敵な日本人らしい一面を持つ至高の一品だと思います。
マキネッタも良い、ドリップも良い、コーヒーメーカーを使っても良い、でもたまには気楽にインスタントな日を。