56.◆第4章「皇子のプライド」あらすじ・(43〜55話)
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第四章「皇子のプライド」
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(第一〜三章までの、あらすじ↓)
異世界ネイチュに送られた高校1年の憂理は、ネイチュの完全支配を企むアルマ帝国の皇太子アキと形だけの結婚をする。
ネイチュに来たことで強い魔力を得たものの、処女を失えば魔力も失われてしまうことから“処女の妃”と呼ばれた。
また、アキの道具となり従わない町を魔力で破壊したことで “破壊の妃”と恐れられた。
憂理はアキの計画通り、アキ本人とその側近であるラセンおよびサジンと連携して、対立する神官イシュリンが率いるレジスタンスの拠点であるドーム・リバティーを破壊した。
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憂理は、幼なじみの飛翔との仲を嫉妬したクラスメイトの愛流によって魔力でネイチュに送られていた。その際、“女として誰からも愛されないもの”を押しつけられた怒りと屈辱から、必ず元の世界へ戻って愛流に復讐すると誓う。
そのためには、憂理をかばったことで同じくネイチュに送られたものの、対立するレジスタンスになっていた飛翔と抱きあっていた恋心すらも捨てると決めた。
アキとは、互いの復讐のために、相手を利用する冷めた関係のはずだったが、躊躇なく町を破壊するアキが、夜中になると自責から血を吐き、目の前にはいない母親に涙ながらに謝罪する姿を見てしまう。
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憂理は、そんなアキと母親の関係を知るために、アキに縁のある者を捜して古都マンゲールを訪れた。
そして、廃墟となった神殿でヒイラギという女からアキの母親の墓へ案内される。マンゲールで生まれたアキは強い魔力を持つことから六歳で母親と引き離され、その後、二度と会えなかったことを知った。
一方で、マンゲールには、奴隷都市としての顔もあり、働かされていた人々の解放に来た飛翔は、マンゲールを破壊するための明け渡しを市長のイザヨイにせまる。
拒まれた飛翔は実力行使にでるが、憂理に破壊をやめるよう立ちはだかれる。飛翔は、アキに利用されつづける憂理にともに来るよう手を差し伸べるが、気持ちがアキに傾いた憂理は応じなかった。
アキの宮殿へ戻った憂理は、アキ本人から母親の死は自害だと聞かされる。皇帝のもっとも忠実な兵器として魔力を利用される皇太子となったことがその原因だった。
悲しい生い立ちに涙する憂理に、アキは過去と決別して前を向けと、冷たい瞳を見せる。
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(第四章・あらすじ↓)
アキに連れられ帝都の皇帝に謁見した憂理は、アキの妃にもかかわらず皇帝から処女の体を求められ激しく動揺する。
さらに、高いプライドの持ち主であるはずのアキが、そんな皇帝の足に口づけ、奴隷のように服従を誓う姿に衝撃を受ける。
だが、アキから復讐のためにはプライドなど捨てるものだと見下され、自らもそれに従った。
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新しい帝都の建設を皇帝から命じられたアキは、そのために動く。
憂理もまた“破壊の妃”として、従わぬ町を破壊ようとするが、苦しい胸の内ごと飛翔に救われ、レジスタンスの第二のドーム・スプリングにかくまわれた。
だが、果たすと誓った復讐とともに、冷たいはずのアキの宮殿での暖かな食事を思い出して涙ぐむ。
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スプリングから逃げた憂理を待ち構えていたのは、憂理への復讐にもえるオーヤだった。
憂理を魔力の効かない砂漠へ連れ出し、魔力を奪うために体を穢そうと試みるが、良心にあらがえず果たせなかった。オーヤは、憂理を囮にしてアキを呼び出させる。
そして、現れたアキに、剣での戦いを挑むが、強い魔力の持ち主でありながら剣にも秀でたアキに敗れ、憂理を解放する。
憂理は自分を救うため命がけで戦ったアキに愛を告白する。そして、ふたりは結婚式での儀礼的なものではないキスをする。
だが、宮殿へ戻ったアキは豹変し、おのれのプライドのために戦ったのであり、誰も愛することはないと、憂理に言い放つ。
しかし、傷つき涙をこらえる憂理をどうしてもその場に置き去りにはできず、自分も憂理を愛していると応え、強く抱きしめた。
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その頃、帝都の宮殿で、皇帝は寝所に謎の女を招く。皇帝は、皇太子を自らが弄ぶものとしていた。
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↑ここまでです。
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第五章「地獄から這い上がるために」
……
に続きます。
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☆ハピエンです。
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