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◆異世界で闇堕ち妃になった私は処女のまま正義と戦いあの女に必ず復讐する。  作者: あおいまな
第3章「マンゲールの悲しき墓守」
43/103

42.◆第3章「マンゲールの悲しき墓守」あらすじ・(30~41話)

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 第三章「マンゲールの悲しき墓守」

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 異世界ネイチュに落とされた憂理(ゆうり)は、ネイチュの完全支配を企むアルマ帝国の皇太子アキと形だけの結婚をする。


 ネイチュに来たことで強い魔力を得たものの、処女を失えば魔力も失われてしまうことから“処女の妃”と呼ばれた。


 またアキの道具となり従わない町を魔力で破壊したことで “破壊の妃”と恐れられた。


 憂理はアキの計画通り、アキ本人とその側近であるラセンおよびサジンと連携して、対立する神官イシュリンが率いるレジスタンスの拠点であるドーム・リバティーを破壊した。


 ***


 憂理とアキは異なる復讐のために相手を利用する“偽りの夫婦”だった。


 だが、憂理は従わない者たちを非情に討伐するアキが、隠れて血を吐くほど自分を責め、目の前にはいない母親へ涙ながらに謝罪する姿を見てしまう。


 ***


 憂理はそんなアキと母親の関係を知るために、アキに(ゆかり)の者を捜して古都マンゲールを訪れた。


 入る前になんとなく結婚指輪を外した。


 都市はさびれており危険な香りすらした。

 憂理が食堂で“アキに縁がある者”についてたずねると、あやしい老婆が名乗り出て、憂理を小路へ案内した。


 憂理はそこで中年の男に捕まり部屋へ連れ込まれる。


 魔力を使ったがいつもよりも弱く、男に跳ね返され、そのままベッドに倒されてしまう。


 ***


 その頃、飛翔(ひしょう)はワイクとともに町から連れ去られた人々を解放するため、人々が強制的に働かされているマンゲールへ潜入した。


 石切場での重労働の後、牢獄のような部屋で、水を求める者のために封じられているはずの魔力を使って水を噴出させる。


 ***


 見知らぬ男は押し倒した憂理が外していた結婚指輪を元のようにはめて返し、「指輪が魔力を増大させているので外してはいけない」と説く。


 皇太子であるアキを呼び捨てにしたことから、アキの過去を知っているのかをたずねると、男は町の中央にある神殿にそれを知る者がいると教えた。


 憂理が見つけた神殿は廃墟と化しており、突然、ヒイラギと名乗る女が現れて憂理を神殿の奥にある墓所へ案内した。


 それはアキの母親の墓だった。


 女はアキの悲しい過去について語った。


 アキは強い魔力を持つことから六歳で母親から引き離されて帝都へ連れて行かれたという。


 母親はアキを常々強い魔力を持つことで人々を傷つけてはいけないと諭していたが、連れ去られたアキは皇帝が支配を強めるための武器として育てられた。


 それでも十年我慢すれば母親に再会できると聞かされていたアキは、待ちかねたその日にマンゲールを訪れた。


 だが、再会の二週間前に母親は死んでいた。


 ***


 ワイクは牢獄で水を湧き出させたのは自分だと名乗り出たことでむち打たれた。


 だが、そのことで、看守の話を聞き、厳しい労働で切り出された石は近くの湖に沈められていること、そして、それを行わせている市長が明日、姿をみせることを知って飛翔に伝える。


 飛翔は石切場から外へ脱出できる道が鉄格子で防がれていることをつかんでおり、その時が来たら人々を逃すようにワイクに伝える。


 ***


 憂理が先ほど会った男はイザヨイという名前で、アキの母親の墓に花を手向けていた。


 その関係を知るために憂理はイザヨイを捜したが先ほどの建物に姿はなく、三階建ての古い宮殿の二階の廊下を進むのが見えた。


 後を追い宮殿のバルコニーに立つイザヨイを見つけた。


 バルコニーが面した広場では、飛翔がマンゲールを明け渡すよう市長のイザヨイに語りかけていた。マンゲールの正体は地下で人々を働かせる石切場であり破壊しなければならなかった。


 だが、イザヨイが拒絶すると、彼を攻撃した。


 憂理はバルコニーにたどりつきイザヨイをかばう。アキの母親の墓とアキが幼い頃に母親とすごした宮殿がある“神聖な場所”マンゲールを破壊するのならば、自分が飛翔を排除すると告げ、狙いを定める。


 ショックを受けた飛翔はアキの悪事にこれ以上加担しないよう、強く憂理を説得したが、イザヨイは「アキは皇帝に命令されて嫌々やっている。本当のアキはレジスタンスに近い」と教える。


 それを信じない飛翔は宮殿ごとマンゲールを攻撃する。憂理に共に来るように手を延べるが憂理は拒絶する。


 飛翔はあきらめきれぬまま、去る。


 ***


 憂理は、怪我を負ったイザヨイの希望でマンゲールに近い湖のほとりへ連れていく。


 イザヨイは、幼いアキが強大な魔力を持つことをたまたま知り、わずかな金と引き替えに皇帝に売り渡した本人だった。


 アキを冷たい皇子にしたのは自分だと悔やみながらこときれた。


 ***


 アキと暮らす宮殿へ戻った憂理は、アキから直接、母親の死の真相、自分が他の皇子たちと戦って七人全員を殺したこと、その結果、皇帝の兵器に選ばれて皇太子となったことを同時に知り、たえられずに自害したことを知らされる。


 憂理は悲しい生い立ちに涙するが、アキはそれを過去のこととし、こだわる憂理を引き寄せると「前を向け」と凍るような瞳をみせた。


 ***


 ……湖畔で蓮花(れんげ)の花冠を編んでいた女はとなりに座る幼い皇子(おうじ)の頭にそれを乗せた。

「あなたは私の宝物よ、イシュリン」と悲しげな瞳をして少年を抱きしめた。


 ===

 ↑ここまでです。

 ===

 第四章「皇子(おうじ)のプライド」

 ……

 に続きます。

 ===

 ☆名前の意味

「アキ(秋)」は、母親が、秋の夕陽が沈んだあと、および、夜が明けてから、少しの間プルシアンブルーになる空が好きだったので、その名前になりました。

 ===

 ☆ハピエンです。

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★外伝↓。飛翔と憂理がネイチュに来る前の話。
飛翔の目線。
『 後悔という名のあやまち』


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