表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆異世界で闇堕ち妃になった私は処女のまま正義と戦いあの女に必ず復讐する。  作者: あおいまな
第1章・「私は必ず復讐する 」
19/103

19.アキの宮殿

 

 シャビエルの宮殿の近くに転移すると、あとは目で見て正確な場所へ行ける空中浮遊を使い、宮殿の正面へ行く。


 四十階建ての宮殿は大理石で出来ており、上空から見ると正方形で、最上階はガラスのピラミッドになっている。


 地上から眺めると上階に向かって細くなっておりオベリスクに近い印象を受けた。

 珍しい横長の一枚ガラスが異なる階の角または中央にはまっている。


 宮殿は、アキの強い魔力で多面の盾に入れられ、私と、信頼する側近のラセンとサジン以外は魔力が使えない状態にあった。


 とはいえ、アキがそれ以外に宮殿で魔力を使うことはほとんどなかったので、私も他のふたりもそれに(なら)っていた。


 宮殿の正門から十メートル手前には、転移や浮遊で昇降する場所として、円を階段状にして積み重ねた高さ二メートルの大理石の塚が築かれていた。


 一番上は直径五メートルの広さで、黒く細い石が少し内側で目印となる二重の円を描いている。


 私はそこで浮遊をやめ足をつけると、階段を降りて正門に向かう。


 幅八メートルもある大きな正門は金色の格子の両扉で中央に大きなアルマの紋章がついている。


 その前で、先に着いたラセンが待っていた。


 移動の距離も速度も同程度だったが、私はカヤを渡していた分、ラセンより遅れた。


 六人の門番は私を見て門扉を内側に開けて連なると、そろって胸に指を当て慇懃(いんぎん)に礼をして迎え入れた。


 噴水のある手入れの行き届いた庭を三十メートルも歩いたところで、建物についた豪華で大きな木製の両扉を専属の者が四人で外側に開ける。


 大勢の侍従や女官たちが急ぎ足で現れて両側に並び、いっせいにかしづいて私を迎えた。


 その前を通り、今度はガラスの扉をふたりに開かれて中へ入る。


 扉を三つも通ってたどり着いた場所は、広いロビーで、繊細な草花の模様が織り込まれた赤い絨毯が敷き詰められたいる。

 幅は二十メートルもあるが、奥行はもっと長くなっている。


 天井は三階分の吹き抜けになっており、背後の高い窓は幅が広く、自然の光がたっぷりと射し込んで屋内はとても明るかった。


 カットガラスの美しいシャンデリアが高い天井からいくつもぶら下がって光を受け、足元に数えきれない虹を散りばめた。


 先へ進むと、壁や太い柱は白く、目線よりも少し高い位置で、風になびく小花をすりガラスにして沿わせている。


 夜になればシャンデリアとともに柔らかい光を抱え、白い小花が一面に浮かぶ広間は幻想的で何度見てもうっとりとさせられた。


 これらの光はアキの魔力によるものだ。


 さらに進むと、中央に円形の大理石があり、そこにアンティークなジャバラの扉がついた四人乗りのエレベーターがあった。


 これもアキが動かしている。


 ラセンが先に立って私に扉を開けて待ち、私はそれに乗り込む。


 共にアキが待つ最上階まで上った。





 〈続く〉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★外伝↓。飛翔と憂理がネイチュに来る前の話。
飛翔の目線。
『 後悔という名のあやまち』


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ