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◆異世界で闇堕ち妃になった私は処女のまま正義と戦いあの女に必ず復讐する。  作者: あおいまな
第1章・「私は必ず復讐する 」
13/103

13.イシュリンはアキを説得する

 ーーーーー


 アキは、次のターゲットとなる町を遥か下にして(くう)で立っていた。


 イシュリンたちは会話を直接するために、アキから離れた場所に転移して現れると、さらに浮遊して百メートルの距離をおいて止まった。


 アキはそこまで接近してきたことで、少しの間、彼らに付き合うことにした。


「お前がイシュリンか」


 中央で立つ者に尋ねると、


「そうです」


 冷ややかな黒い瞳に、空のように澄んだ青い瞳が答える。


憂理(ゆうり)はどうした。私の妃を返しに来たのではないのか」


「彼女はあなたの凶器にさせないよう、私たちが保護しています」


「保護だと? 物は言いようだな」


 アキは鼻で笑った。


「あなたもです、アキ皇子(おうじ)。魔力で町を破壊してはいけません。もうこれ以上、無力な人々を苦しめないでください」


 イシュリンは体の側面に手を下ろしている。

 手のひらを見せて強い攻撃をすることから、あえて手の甲を向けており、非戦の気持ちを示した。


「アキ皇子、あなたも知っているはずです。魔力は人を支配するためにあるのではありません。誤った使い方をし続ければ、ネイチュは森に覆われて人が住める場所ではなくなるのです」


「その方が都合がいい。力の弱いものは我々アルマの統治を喜んで受け入れるだろう。アルマなしでは、もはや生きられない存在なのだと愚か者でも思い知る。お前とレジスタンスを除いて」


「アキ皇子、わかってもらえないのなら……。私たちは抵抗を続けることになります」


「やってみろ」


 アキの目が光る。


 ワイクは目を潰され、のけぞった。


「ワイク!」


 飛翔(ひしょう)が素早く寄って彼を支えた。

 アキに顔を向けようとした。


「見るな!」


 視線をイシュリンに手でさえぎられた。


 アキは光る目で見たが、イシュリンには効かない。


 イシュリンは、ただふたりをかばってアキを見つめ返した。


「お前を殺す」


 アキは薬指に金の指輪をはめた左手を、手首で右手と合わせ持ち上げる。

 魔力を集中させる。


 腰まで伸ばした黒髪がゆっくりと広がり、黒いはずの瞳が緑をおびる。


 イシュリンに向け、手のひらを開いた。


「飛翔、私の後ろに入るんだ!」


 次の瞬間、凄まじい光と衝撃がイシュリンに襲いかかり、ガン!と存在を砕くはずの音が空に響いた。





 〈続く〉

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★外伝↓。飛翔と憂理がネイチュに来る前の話。
飛翔の目線。
『 後悔という名のあやまち』


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