表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆異世界で闇堕ち妃になった私は処女のまま正義と戦いあの女に必ず復讐する。  作者: あおいまな
第1章・「私は必ず復讐する 」
12/103

12.ドームの最後の朝 (2)

 

 またひとつ爆音がして、今度は隣町のある場所から黒煙が上る。


 レジスタンスはどう出るのだろう。


 チラリと真上を確認する。


憂理(ゆうり)


 飛翔(ひしょう)が心配して走ってきた。


 イシュリンとワイク、オーヤもこの高台に駆けつけ森の向こうを見つめた。


 そのとき、すさまじい音とともに地鳴りがした。

 いくつかの町が一度に壊滅し、黒煙が帯になってのぼる。


「アキだ」


 アキはドームの近くまで来たものの、肝心なそれを破壊することはできず、代わりに近くの町を襲っていた。


 本当の目的はイシュリンをおびき出すことだ。


「私を取り戻しにきたんだ……。怖い」


 膝を抱える私を飛翔が励ました。


「大丈夫だ、憂理。このドームはやつには壊せない。イシュリンが神から与えられた強いチカラに護られている。攻撃されても魔力は通用しない」


「わかってる」


 私は別のところを見る。


「彼を説得する」


 イシュリンは決意する。


「これ以上の蛮行は止めさせなければ」


 飛翔とワイクはイシュリンを見てうなづいたが、オーヤは後に退()く。


「おれは残る。こちらが気がかりだ」


 私を見てくるので顔を(そむ)けた。


「憂理を頼む」


 飛翔はオーヤに言付(ことづ)ける。


「行こう」


 イシュリンはふたりに声をかけ、転移する。

 飛翔とワイクもそれを追い、姿を消した。


「みんな、家に戻るんだ。すぐに収まる」


 オーヤが集まっていた人々に声をかけ戻らせた。


「お前も家に入ってろ」


「断る」


 私が拒絶すると、いらだった。


「ちからづくでも放り込むぞ」


「そのちからづくを使う男が、イシュリンや飛翔のいない間に手錠をかけられ抵抗できない私の魔力を奪うかもしれない」


「おれがお前を穢すとでも思っているのか!」


 怒りで声を震わせたが、拳を握ると顎を引き背を向けた。


「好きにしろ。ただし、おれはお前を見張る」


 十メートル離れて神殿へ行き階段に腰掛ける。


 私はしゃがんだままそれを確認すると、また前に直り、イシュリンたちが向かったであろう森の上空を眺めた。





 〈続く〉

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★外伝↓。飛翔と憂理がネイチュに来る前の話。
飛翔の目線。
『 後悔という名のあやまち』


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ