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前編 ホンモノトニセモノ

この話を人間で展開させることもできましたが、あえてマニアックにしたのは私のこだわりです。


この作品はpixivにも投稿しています。また、pixivにも同じ記載があります。


現在、この作品を別小説としてリメイク中です。

 (ココハ…ドコ…?)


 気がつけば僕がいた。


 (ボクハ…ナニ…?)


 でも自分が何なのか分からなかった。


 (クルシイ…)


 最初に感じたのは圧迫感。目を開けると自分が何かの下敷きになっている事が分かった。


 「タダリ様!?チョウ様!?そんな…こんなことが…これは…天罰とでも言うのか…?」


 「待て、何か動いていないか?」


 何かはわからないが、この圧迫感から逃れるには助けを求めなければならない。


 「タス…ケテ…」


 「今の聞こえたか!?」


 「あぁ!退かせ!」


 圧迫感が無くなり…数頭の生き物が現れた。それが竜であると何故か自分は知っていて、そのとき自分も竜であると分かった。


 「いた!生きてる!術自体は成功したのか…まだ卵から孵ったばかりぐらいの成長しかさせてないのにもう話せるとはな。」


 抱き上げられ、連れていかれた。その時、確かに血だらけの白竜がいて、その竜と目が合ったのは覚えている。


 それから僕は世話をされ、育てられた…


 「その程度か!さあ、来い!」


 「クウゥゥッ!」


 僕はほぼ毎日鍛えられている。大人の竜相手に組手をしたり、術を使ったり色々だ。この里のすべての仔竜がそうするわけではない。他の仔竜は友達どうしで遊んだり、狩りの練習をしたり、一部の仔竜は術を学んでいるがここまで本格的に修行をしているのは僕だけだ。理由は簡単。そのために"造られた"から。僕には里の未来が懸かっていると、そのためにはどの竜よりも強くならなければならないと、常々そう言われている。でも僕だって心がない訳じゃない。


 「ねぇ…見てないで一緒に追いかけっこしよーよ。」


 「えっ…良いの?」


 「もちろん!たくさんいた方が楽しいもん!」


 修行の合間にこうして遊ぶこともあった。初めは遠くで見てるだけだったのだが、ある日見つかって誘われて参加してからは何日かに1度遊んでいる。修行終わりの、疲弊した体も遊んでいるときは軽かった。大人達はそれにおおいに驚いたようで


 「みて、あれ。あれが笑って遊ぶなんて。」


 「本当だ。あれでダダリ様とチョウ様を殺してなければ普通の子だな。」


 長老はあまり気にくわないようで


 「フン…魂の無い化け物が…」


 とよく言っていたけど慣れていたし、遊ぶのは楽しかったので気にしなかった。


 「じゃあまたねー。修行頑張ってねー。」


 「うん!」


 僕を友達にするのを親達は嫌がっていたけど竜の子供とは無邪気なもので、生まれや存在意義など関係ない。楽しければそれで良い。そんなことで僕には友達はたくさんいるから孤独とは感じなかった。そして僕は独りで塒に戻り、翌日の修行に向けてすぐに寝る。


 そう。僕には父も母もいない。寝るときも独り。慣れてはいるが、他の友達が家族と寄り添って寝ているのを羨ましいと思っていた。やはり心も体も求めているのか、度々夢を見る。自分と同じ、純白の鱗を纏った両親に囲まれている夢だ。しかし時としてそれは悪夢に変わってしまう。


 「…えせ」


 「く、来るな!」


 「俺…のた………いを…か…せ…」


 自分の一番古い記憶にある、体の至るところをえぐられ、爪はおられ、片目を潰されたあの白龍がおぞましい姿で迫ってくる夢。そんな夢を見た後はよけい家族が恋しくなるのだった。


 僕が生まれてから40年ほどたった頃、僕はまだ成竜ではないが1対1だと里の成竜には負けなくなった。そうなると修行は1対3ぐらいになる。そのせいもあってか僕はどんどん強くなって、長老はもう少しで僕に役目をくれると言ってくれたのだった。その役目とは。それは僕がある小国の王を殺すこと。その国はかつては人間の国だったが、あるとき人間が竜に手をだし返り討ちにされて逆に支配された国で、他に例のない、竜が支配する人間の国だった。要はその小国が欲しいのだ。そのために僕は、かなり強い法力を持っていると言われる王と女王を殺すのだ。この頃になるともう遊ばなくなった。まだ成竜ではないけど幼竜でもない。年上の友達の中にはすでに番を持っている者もいて、長老はそれを守るためにもお前がやらねばならないと言われた。もちろんそれがただの言い訳というのも理解している。でもやっと与えられた役目だし、みんなが楽になることには変わらない。贋作(ニセモノ)の僕にも役目がある、それだけで嬉しかった。


 僕が60歳になったとき、ついにそれを実行するときが来た。方法自体は簡単。王と女王は巨大な宮殿にすんでいるし、大きな力を持っているならば、法力の上位互換とも言える通力を使いこなせる僕が感知することができるので居場所は簡単にわかる。後は寝込みを襲うだけだ。


 人間の造った建造物に侵入するなど容易い。結界もあったが通力ですり抜けて、感知できる大きな力を頼りに探せばあっという間に王達が寝ているであろう豪華な部屋に着いた。ずっと里で、洞穴の塒で暮らしてきた僕にとってこの国は驚きの連続で、長老が欲しがるのも分かる。そして僕は役目を全うするべく、気を十分に練って扉に張ってある最後の結界を通り抜けたのだった。



  ─  ─  ─  ─  ─  ─  


 

 私は何代か前が奪ったこの国の女王。今は王である夫と娘でこの宮殿に住んでいる。政治は極めてめんどくさいが、手を抜くと民衆や下僕たちが反乱しかねない。人間ごとき殺すのは容易いが、集団で知恵を練られるとかなり厄介だ。まぁ、その面倒なことを覗けばここでの暮らしは快適なのでその代償にとでも思っている。


 娘は今年で40歳。竜からすればまだ子供だが、稀に見る美貌を持っていて、(つがい)になってくれと求愛する雄が毎日数匹現れる。なかには1年近く通い続ける者もいて、娘や夫と共にほとほと困り果てていた。


 今日は夜が更けた今も夫はその雄の相手をしているので先に娘と寝ることにする。


 「全く…お前が綺麗なのは良いがあの雄どもには参ってしまうよ。」


 「立ち入り禁止にすればいいじゃない。私だってあんなよく分からない雄と番になりたくないわ。」


 「そうだろうねぇ。それが正しいよ。…さ、今日は寝な。」


 そんないつもの会話をしているとき、突然扉が開いて白く輝くものが飛び込んできた。


 「なっ!し、神龍!?」


 白鱗を携えるそれはまさしく神龍。それが明らかな殺気を放って襲いかかってきた。咄嗟に殴るがカウンターを食らう。鉤爪が喉元をかすった。


 「グッ…何のようだい!?」


 法力で拘束しようとしたがあっさり弾かれ、代わりに私が見えない力で飛ばされた。


 (バカな…この私が!?)

  

 と、無数の黒い帯のようなものが部屋の壁から生え、私を拘束する。


 (まずい…これはまずい…)


 法力で対抗しようにもできない。力を完全に抑え込まれてしまった。これが通力の…神龍の力か。


 「や、やめ──」


 娘が止めに入ろうとするも吹っ飛ばされ、いよいよ私の首に、通力を込めた爪を降り下ろそうとしたとき、


 「やめてぇぇぇ!」


 娘が絶叫した。無駄、もう終わりだ。そう思ったのだが…その爪は寸止めされた。何か恐ろしいものでも見るような目付きで娘を見つめる。もう一度こちらに向き直るもその目には大きな迷いがあり…と、扉が開き夫が入ってきた。その神龍はハッと振り向くが、既に夫は気を練っていて、法力で黒い帯を消し去ると神龍が慌てて私から距離をとろうとするも時既に遅し。顔面を殴り飛ばしてふらついたところをさらに渾身の鉄槌で追い討ち。神龍は気絶して動かなくなった。



  ─  ─  ─  ─  ─  ─


  

 気がつけば僕は牢にいた。手足と尾が鎖で縛られている。封印術でもかかっているのか気を練ることができず弾くこともできないし、おまけに薬でも飲まされていたのか頭も痛い。

 

 「おや…気がついたかい?」


 声の方をみれば翠色の、暗殺対象だった女王がいる。


 「単刀直入に聞こう。何故私の命を狙った。」


 「……………グッ!」


 すぐに答えないでいると腹を殴られた。


 「もう一度聞く。神龍であるお前が何故私の命を狙った。子供を拷問するのは趣味じゃないんだ。早く答えておくれ。」


 「…そう言われたから。」


 「誰に?」


 「長老。」


 「長老?神龍の?」


 「違う…」


 「他の里の竜の命令を聞いたと言うのかい?」


 「その里で育てられた…」


 「そうか。で、どこにある。」


 「南西…」


 「最初黙った割には随分ペラペラ喋るねぇ。逆に怪しいよ。まぁでも確かに南西には妙な術を会得したとかいう竜のいる里があったかね…。まぁそれは後で調べるとして、お前、これで放されると思ってないだろうね?」


 「…殺して。」


 ここで女王の目付きが変わる。


 「…ほう。」


 「殺して。」


 「なんだ、そんなに生きるのが嫌か。」


 「…早く…殺せ。」


 「…お前には教育が必要らしい。おい、あれを持ってきな!」


 外で人間の返事が聞こえると共にバタバタと走ってく音が聞こえた。戻ってくると何やら口の長い容器を持っている。


 「口を開けろ。」


 「…」


 それが毒だということはすぐに分かるが、前の言動から死ぬものでもないということも分かる。


 「開けろ!」


 「…」


 頑なに口を閉ざしていたが、ドスッと腹を何度か殴られ、耐えきれず息を口から吐いてしまうとこじ開けられてその細長い容器の口を突っ込まれた。


 「ムゴォッ…グフッ…ググ…ング…ング…」


 勢いよくかなりピリピリする液体を喉奥に流し込まれ、抵抗むなしく無理矢理飲まされてしまう。


 「ング…ゲフッゲフッ…何を…」


 「すぐに分かる。お前みたいな愚か者にはぴったりの薬だ。…っと、そうはさせないよ。」


 舌を噛もうとしたので慌てて手を突っ込んで防ぐ。首を振って抵抗したが、術で上顎と、舌と下顎を別々に帯で縛ると大人しくなった。


 『早く殺して…』


 「おっ、テレパシーもつかえるのか。そいつは便利だ。そしてまだそれを言うか、愚か者め。あたしはあんたみたいな自分の命を何とも思わない奴を見ると腹が煮えくり返るんだよ。まぁ、あの薬を飲めばそんなこと言えなくなるだろうさ。あくまで"普段は"だけどね。薬の効果が効いているときはさぞかし死にたくなるだろうねぇ。」


 『…』


 と、徐々に体に異変が起こり始めた。最初はお腹の辺りがピリピリし始め、それが全身に広がりそしてそれは痛みに変換された。思わず特殊な鎖をガチャガチャとならしながら身をよじる。


 「効いてきたか。その薬はね、全身の痛覚を最大限興奮させるんだよ。自分の血流だけで信じられないぐらいの激痛に襲われるくらいにね。その量だと効果時間はおよそ3時間。大抵のやつは1回で言いなりになる。強いやつでも5回で精神崩壊を起こすような薬だ。心配しなくても死にはしない。」


 そう言われている間にも痛みは増していく。特に鎖に触れている部分は焼け切られているのではないかという痛みを感じた。だがそんなものは序の口に過ぎなかった。


 「ンン…ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛!ア゛ァ゛ァ゛ッ!」


 「どうだ!痛いか!その痛みもな!生きてないと感じられない代物なんだよ!私の息子はその痛みも感じられない場所に逝っちまったんだ!!だからお前みたいに勝手に死のうなんてやつは許せないんだよ!!」


 「ア゛ァ゛ヴゥ゛ゥ゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛!!!」

 

 完全に制御不能。全身の筋肉がパニックになってそれぞれバラバラに激しく痙攣したのだ。それによってさらに痛みは増すも気絶することもない。ただ痛い。何も考えることはできないし、それ以外何も感じない。自分の声による振動で痛みは増すが抑えるなんて意識はできない。とにかく一方的な痛みを与えられ続けた。


 どれくらい経っただろうか。痙攣が治まり、痛みが引いてきたときにはもう何の気力も無い。ただその鎖に上半身を吊るされているだけ。


 「そろそろか…?お、抜けたようだな。」


 「…」


 聞こえているが喋る気力がないし内容も頭に入ってこない。


 「フン…まるで糸の切れた人形だな。流石に子供にはキツかったか?子供と言ってももう後3、40年で成竜になるだろうがね。どうだ、許しを乞う気になったか?聞いてやらんでもないぞ?」


 「…」


 「だめか。まぁ良い。こいつが許しを乞いたらまた呼べ。それまでは閉じ込めてろ。」


 「はっ!」


 

 (もう少し薬の量を減らしてやれば良かったかねぇ…まぁ今更だが。しかし今のまま放せばまた襲いに来るか自殺しちまうかのどっちかだろうね。どうしたものか…)


 2週間後


 「で、例の竜はどうなった?」


 「いえ、特に乞う様子はありません。」


 1ヶ月後にまた例の薬を飲ませたが変わらず。堕ちている訳でもないので拘束を続けた。そしてそれから3ヶ月音沙汰が無いので忘れてしまった。


 ある日、全く別の用事で地下牢入口前を通ると、


 看守a「なぁあいつほんと面白いよな。毎回『もうやめてアァー』って泣いてるの。」


 看守b「あぁ。今までクズみたいな生意気なやつしかいなかったから良い娯楽だ。」

 

 「ん?なんか楽しいことでもあったのかい?」

 

 看守a「女王陛下!いえ、下人の遊びです。」


 「そうかい。先週とらえた殺人犯だが様子はどうだ?」


 看守b「あぁあいつですか。最初はかなり生意気でしたが薬を与えたら静かになりましたよ。」


 その時はそんな話をして終わったのだが、その日の夜、


 「ねぇお母さん、前にお母さんを殺しに来た神龍ってどうなったの?」


 「殺しに来た神龍?…あぁ、いたねそんなの。あんまりにも音沙汰がないから忘れちまってたよ。」


 「呑気だな。あのときはあれほど怒っていたではないか。」


 「まぁね。明日にでも様子をみてくるさ。」



 そして翌日。久しぶりに薄暗い地下牢へと足を運ぶ。例の龍は、私を見ると泣き始めた。


 『お願いもう殺して…』


 「変わってないな。私をみるだけで泣くような情けない雄にしては大した根性だ。」


 合図をし、薬を持ってこさせる。容器を見ると

 

 『嫌だ!その薬はもうやだ!』


 といって泣きながら暴れたが容赦はしない。


 『殺してよぉ…殺してよぉ…』


 そして痛みに泣き叫ぶ。そこまでは普通だったのだが、30分程経つと異変が起きた。


 「ガッ……ガッガッ!」


 今までは激しく暴れながら悶えていたのに、変な声をだしながら電気でも流されたように痙攣している。疑問に思い、法力で辺りを照らしてみると


 「なっ…これは…!おい!こいつに何をした!拷問をしろとは言ってないぞ!」


 看守を見ると笑いを堪えてるようにも見える。白龍の体の鱗の無い部分は赤紫のアザだらけで、白目を剥き口からは血の混ざった泡を吹いていた。


 「いえ、そのアザは勝手に出来たのです。」


 「勝手に…?そんな馬鹿な…ん?待てよ…まさか…」


 薬を飲ませて激しく暴れるのは筋肉がパニックになっているせいのはず。だが今は鎖で抑えているから動けない…


 「こいつに何回薬を飲ませた。私のをいれないで。」


 「だいたい2、3日に1度ですかね。殺せとしか言いませんし、それにコイツの悲鳴を聞くと他の囚人もおとなしくなるんですよ。あと───」


 「対義薬を持ってこい。」


 「へ?」


 「対義薬である神経麻酔薬を持ってこいと言っているんだ!早くしろ!!」


 「は、はっ!」


 なんてことだ。屈強な雄竜ですら数回連続で廃竜になるような薬を4ヶ月間飲まされるとは。1、2日間が空いていたとはいえ、これでは釈放どころじゃなくなる。体に出来たアザは恐らく筋肉が切れたからだ。暴走する筋肉を鎖で無理矢理抑えていたからそうなったんだろう。


 「おい!しっかり気を保て!楽にしてやるからもう少し我慢しろ!」


 口以外の拘束を解いてやり、固い床に法力で綿(わた)をだして極力衝撃を和らげる。間もなく届いた麻酔を射つと効果が相殺されて徐々に落ち着いてきた。まだテレパシーがぎこちないが。


 「話せるか?」


 『もうころ…して…よ…』


 それもそうだろう。これほど長い間苦しみ続けたのだからそう思うのはしょうがない。道理で私を見ただけで泣く訳だ。よくここまで正気を保てたものだな。


 「聞かせろ。この薬以外の理由で何故そこまで死にたい?」


 『ぼく…は…贋作(ニセモノ)なんだ…だから…ぼくには…誰もいない…誰も…悲しまない…今は…役目もない…だから…もういたくない…』


 「ニセモノ?それに誰もいないって、両親はどうした?」


 『いない…』


 「死んだとしたら尚更子供の幸せを祈ってるだろうが…」


 すると微かに笑った。不気味な笑みだった。


 『いないんだよ…もともと存在しないんだ…』


 「どういうことだ?」


 『前に僕の里に神龍の子供が捕らえられて…服従しなかったからその体の一部をえぐって、後は鱗と爪と片目を組み合わせて、治癒術の再生術の応用で僕を()()()んだ。だから僕に創造者はいるけど親はいない。産まれてないんだ。だから僕はただの贋作。魂の無い、犠牲になった神龍の模造品なんだよ…。証拠に、僕が存在したばかりのときの記憶もある。その神龍とも目があった。』


 「そんなことが…そんなことを…していたのか…!」

 

 私は相手が嘘をついているかを見破る力を持っている。だからこの子は嘘をついていないということも分かった。


 「だがまて、お前がただの作り物なら、あのとき何で私に情けをかけた。何故その長老の命令に背いた?」

 

 『欲しかった。』


 「え?」


 『僕にも友達はいた。友達には親がいる。僕も…本当は…家族が…欲しい…あなた達が…羨ましい…』


 「理由になってないぞ?それじゃ私の娘を殺す理由じゃないか。」


 『夢をみる…家族がいる夢…とても温かくて…落ち着く夢…そのときの僕はとても幸せ…だから──』


 「だから理由になって……お前まさか私じゃなくて娘に情けをかけたのか?私の娘に私という温もりを失って欲しくなかったからか?」


 ゆっくりと頷いた瞳には先程とは違う涙が浮かんでいる。


 『親を失えば子供は悲しむ…子供を失えば親は悲しむ…でも皆殺しにする勇気は僕にはなかった…』


 「そうかい…」


 自分でも無意識に私はその哀れな子を翼で抱いていた。


 「なぁお前、自殺しないって約束できるかい?出来るならその口のやつも外してお前に"役目"を与えてやってもいい。」


 『役目?』


 「あぁ。私だけで決められないからまだ言わないがね。出来るか?」


 『分かった。』


 外してやると


 「あ…り…がと」

 

 「…床はこのままにしておく。休みな。」


 一応牢に鍵をかけたがあの体では動けないだろう。そして看守に、あの子には鹿肉をすりつぶしたものをやれと言った。

 

 そしてその夜、家族団らんの時間に思い付いたことを話してみた。


 「どうしたサラ、話とは?」


 「ベルデの番相手についてなんだが、あの神龍にしようかと思ってね。」


 「あの神龍!?我々を襲った?」


 ここで聞いた話を繰り返す。2匹とも信じられない、という顔をして


 「そんなことが…でも何故あの竜?」


 「あの子なら、ベルデをずっと守ってくれるんじゃないかと思ってね。どうだいベルデ。」


 「お母さんがそう言うなら良いけど…」


 「だが良いのか?確かに見ためも血筋も力も優秀だが、我々を命令1つで殺しにかかってきたのだぞ?それに向こうも何て言うか。その…特殊なのだろう?」


 「でも殺さなかった。あの子はきちんと世話をしてやれば良い竜になる。ただ問題は、あの子が受け入れるかどうか。お前のいう通り特殊だ。それも深い影がある。それをどうするかだね。とりあえず番にさせるかどうかは別としても、あの子が受けた苦痛は極刑なんて言葉さえ生易しいくらいのものだ。しばらくは置いてやろう。」


 「なら明日私もいくわ。会ってみる。」


 

 そして翌日、あまり好ましくないがベルデを地下牢に連れていき、案の定ほかの囚人、囚竜から色々言われるのを無視してあの神龍のもとへ。だが───


 「ヴガア゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!」


 「お母さん…!」


 「急ぐぞ!」


 叫び声を聞いて駆けつければ看守が面白げにあの竜が苦しんでいるところをみていた。


 「また飲ませたのか!?何故だ!?」


 「折角の肉を吐いたんです。」


 「それほど傷ついているということじゃないか!早く麻酔を持ってこい!」


 治まる前に吐血までしてしまったので医術師も呼んでくる。重度の不整脈を起こしていて、なんとか峠は越えたが油断は出来ないとのことだった。その後その白龍は空いている部屋の竜用ベッドで寝かせてやり、世話は主にベルデにやらせることにする。


 「わ、私が看病するの?」


 「その方が良いだろう。…まぁもしあの子が正気じゃなかったら考えるけどね。」


────────────────────────


────────────────────────


 「う…ん?」


 「あ!気がついたのね!もう大丈夫よ。でも動かない方がいいわ。全身のいろんな筋肉が切れてたって。」


 目を覚ましたので嬉々として話しかけるベルデ。最初は渋々介抱していたのだが、時折うなされたり痛みに呻いたりしている姿をみていつの間にか進んで世話をしていた。


 「君は…あのときの…」


 「ベルデよ。あなたは?」


 「名前…無いんだ。あのとき吹っ飛ばしてごめん。」


 「全然気にしてないわ。お母さん呼んでくる。」


 (暖かいな、ここ。)


 自分は人間の寝床を竜用に改造した寝床にいるらしい。部屋にはこれぐらいしかなく清潔だった。しばらくしてベルデが女王である母親を連れてくる。


 「目が覚めてよかった。どうやら私が目を離した隙に人間達がお前をいたぶっていたようだ。よく正気を保てたな。本当にすまない。ゆっくり休んでくれ。」


 「はい…」


 「もうお前のしたことを(とが)める気はない。そういえばなんて言うんだい?」


 「名前付けてもらってないんだって。」


 「そうかい…なら考えておこうかねぇ。」


 「付けて…くれるんですか?」


 「だって不便だろう?」


 「ありがとう…それで、役目は?」


 「お前が回復してからだ。」


 そう言って去っていった。


 「ねぇベルデ、どれくらい眠ってた?」


 「1週間くらい。死んじゃったかと思った。なんかあったら言ってね。」


 そう言ってベルデが寄り添ってやると


 「どうしたの!?」


 白竜は泣いていた。


 「いや…誰かに寄り添ってもらったことなんて無かったから…」


 「そう…じゃあしばらくこうしててあげる。」


 「ありがとう。綺麗だね…僕の里にも綺麗な竜はいたけど、君には到底敵わないや。」


 ベルデは深緑の、森を宝石にしたような鱗に覆われており、角はない。意外と親しげに喋ってくれたのがちょっと嬉しかったベルデである。


 「ありがと。あなたも負けてないわ。」


 対する白竜はその名の通り純白の鱗を纏い、空を映したようなブルーの目、頭には小さい角が2本生えていた。自分より20歳以上年上の彼だが、何だか自分よりずっと幼く感じるのは気のせいだろうか。


 (この竜との子供を産むのかー。まぁその辺の雄よりよっぽど良いや。)


 白竜は順調に回復していき、四足歩行でゆっくりなら歩けるようになり、そして"月"を意味する「ホルド」という名前もつけられた。彼はまるで幼子のように扱われていて、まだ誰にも完全には信頼されていなかったがあるとき一変する。


 (ベルデ、大丈夫かな。)


 1週間前に、体調を崩したからとそれきり会ってない。サラも最近全く姿を見せないので心配になる。ふと、胸騒ぎがしてベルデの部屋の方向をみた───




 サラ「ベルデ…しっかりしておくれ…」


 ホルドには伝えてないが、ベルデは原因不明の病で危険な高熱をだし、今や意識も朦朧としていた。竜は滅多に病気にはならないので毒とも疑ったがすぐに違うと分かる。何故なら


 (レオ)「これは、バンの時と同じ…」


 幼くして死んだ息子。それと全く同じ症状なのだ。苦しい苦しいと言いながら意識を無くし、そのまま逝ってしまった。そのあとベルデが産まれて少しは傷が癒えたころだったのだが…。


 医術師「残念ですが、恐らくあと数日で…」


 サラ「何故…何故お前まで…模造品とて神龍を痛め付けた罰とでも言うのか…。」


 コンコン…


 召し使い「あの…ホルド君がどうしても入りたいと言うのですが、よろしいですか?」


 ヨロヨロと入ってくるホルドを複雑な気持ちで見つめると、あることに気がついた。


 (目が光っている…?)


 微かだが、その青い瞳が光を帯びているように見えた。と、


 「彼女、このままだと明日の夜中ぐらいに死ぬね。」


 医術師「な、何故そこまで細かく…」


 次の言葉に誰もが驚いた。


 「僕なら治せる。」


 サラ「なん…だと?」


 「でも力が足りない。今の僕じゃ失敗してしまう。だから気を分けてくれませんか?」


 レオ「な…何を馬鹿なことを、そんなことをしたら…」


 抵抗されてしまう。まだホルドが襲いかかってくるという可能性は排除できなかった。しかし娘をみて言葉を切る。サラとレオはしばらく考えた。ホルドの力はすでに自分達を越えていることは確か。下手に気を許して娘を質にとられたり、もしくは気をすべて吸われてしまうかもしれない。先に口を開いたのはサラだった。


 「選択の余地はない。私の気を分けてやる。」


 ホルドに手をあて気を送る。目の輝きが増し、不安定だった姿勢が安定する。しばらくして


 「もういいです。」


 「フゥ…どうやって治すんだい?」


 「一度命を取り出して浄化します。」


 「なに!?」


 「呪われてるんだ。直接命を(むしば)む特殊な呪いだ。」


 レオ「呪い…だと?どうして分かる。」


 「僕には分かる。失敗すると命を吹き消しかねないから、何があっても静かにしていて下さい。」


 そう言ってベルデを仰向けにするとその胸に自身の両手をあてた。ホルドの体がまばゆく光り、その手をそっと離すと黒い光のような、炎のようなものが付いてきてベルデの呼吸がゆっくり止まる。何とか声を抑えて見ていると、ホルドがそれを口に近づけフゥッと息を吹き掛けた。神龍の仙気を浴びたベルデの命の外側が剥がれるように消え去ってまばゆく輝く灯火となり、それをベルデの胸に押し当てると光は消え、代わりにベルデが深く呼吸する。


 「これが…神通力…神龍の力か…」


 先程までの苦しそうな呼吸は一変、嘘のように落ち着いた正常な呼吸に安堵と驚きの息が漏れた。


 「これでもう大…丈…ぶ…」


 やはり大きな力を使ったのかベルデに覆い被さるようにしてホルドも意識を失ってしまう。


 レオ「ベルデの番にするという件は賛成せざるおえないようだ。」


 サラ「こんな子をいたぶっていたんだねぇ…しかし誰が呪いなんか…。」


 今回はホルドは1日で目覚め、ベルデもあの後すぐに目覚めて彼に礼を言った。その後ホルドの体もほとんど元通りになったところでホルドのいる部屋に行き、例の件を持ちかける。


 「ホルド、良いかい?役目の話だ。」


 「何ですか?」


 「私の娘は、このあと私たちの間に雄が生まれない限りこの国の王になる。そのためもあるし、本人のためにも少しの間ここを離れて人の街や森で暮らして欲しいと思っているのだが、さすがに1匹でさせるのは心配だ。何せ私達の、王の娘だし、あの美貌だからねぇ。かといって護衛を付けたら本人もいづらいだろう。」


 一呼吸し、


 「そこでだ。ベルデが雌として狙われるのを防ぐため、そして自然な、頼れる護衛をつけるために番を持たせることにした。その番はホルド、お前が適任だと私達は思っている。私達の娘を番として貰ってくれないか?」


 「え…?番…ですか?」


 「あぁ、そうだ。正真正銘の番さ。護衛じゃない。あの子と共に暮らし、いつかはお前との子供をあの子が産む。…考えてくれないか?お前ももう知っていると思うが美しいベルデをめぐって毎日雄が訪問してるんだ。そんな頼りない雄共に娘はやれない。ベルデはお前を介抱し、そしてお前に命を救われた。お前なら私達の娘を託せる。」


 「それは嬉しいけど…でも…」


 「でも…?」


 「僕は1度あなた達を殺そうとしている。それに僕は贋作だ。ベルデは本物の竜と番になるべきだと僕は思う…」


 「…」

 (やはりそう言ってくるか…)


 本物の竜か…本物の竜だけど娘を欲望だけで欲しがる竜か、模造の竜で深すぎる闇を抱えているけれど娘のことをちゃんと考えてくれる竜か。


 「そうかい…でもあんたを介抱したのはこれだけが理由じゃないからね。それだけは言っておくよ。」 





 その次の日、ベルデからも申し込んできた。どうやら母親が僕に聞いたことを知らないようで、


 「ねぇ、私が独りで暮らすって話聞いた?」


 「うん。」


 「でも独りだと嫌だし護衛がいたら暮らしづらいからさ…その…一緒に来てくれない?そ、その…つ、番としてさ。そうすれば他の竜に狙われないし、あなた強そうだし…ち、ちゃんと子供もつくるし…駄目かな…?」


 「うーん…少なくとも僕じゃない方がいいんじゃないかな…君の内面を見てくれる竜もいるだろうし。」


 「そう…分かった。」


 「ところでさ、ベルデ。」


 「ん?」


 あっさり申し出を断られてショックだったが平静を装う。


 「僕っていつまでいていいのかな。」

 

 「さぁ、お母さんもお父さんも特に何も言ってなかったし、好きなだけってことなんじゃない?私の命も助けてくれたんだし。」


 「そっか…何だか悪いな。」


 「そんなことないわ。」


 その後部屋を後にし、母親と話をする。


 「断られたわ。」


 「そうかい。お前の美貌は随分たくさんの雄を虜にしてきたというのにホルドの前では無意味か…まぁ命の恩竜と恋竜は別ということなんだろうね。」


 母は何気なく言ったが心に刺さった。その夜、目が覚めてちょっと中庭で夜風にあたろうかなぁと思ったときだった。そこにはすでに先客がいる。ホルドだ。話しかけようとしたがホルドが震えているのを見てやめた。


 (また悪夢をみたのね。)


 看病している時もよくうなされていて、何の夢かは聞かなかったが、同じ悪夢を何度も見ているらしい。実は自分も悪い夢をみていたのだが、それでふと思い付く。

 

 次の日、私は両親が仕事で近くにいないときを見計らって召し使いにあるお願いをした。そのお願いとは…


 「ベルデ様…本当に良いのですか?」


 「えぇ。覚悟はしたわ。これはすべて私の自己責任。あなたは何も気にしないで。」


 そう言って渡された大きめの杯にはツンとした臭いを放つ液体があった。そう、ホルドを散々苦しめた痛覚過敏薬だ。これで大体3時間は苦しみ続けることになる。


 「じゃあ下がっていいわ。」


 そう言って召し使いが下がると1度深呼吸し、その毒をすべて飲み干した。彼がどんな痛みを味わったのか、それを少しでも分かりたかったからだ。だがすぐに後悔することとなる。


 「─────!!」


 声にならない、自分の物とは思えない叫び。この部屋には防音結界を張っておいたので外にもあまり聞こえておらず私は独りで暴れまわった。体の制御が利かなくなり、あちこちに体をぶつけてその度に信じられない痛みが襲って気が狂いそうになる。死にたい、早く死にたい。そう思ったとき、


 「大丈夫、すぐに楽になるよ。」


 聞き慣れた優しい声。痛みと共に意識も消え去った。


 目が覚めると私はベッドでホルドに寄り添われ、翼で抱きしめられていた。


 「何でこんなことしたんだい?」


 「夢を…見たの…あな…たが薬で…苦しんでいるときの夢…だからあなたの…気持ちを…少しでも分かりたかった…」


 聞けば異変に気づいたホルドが通力で私の体の機能を正常に戻してくれたらしい。私は1時間も経たずに解放されたのだ。だがまだ体は痛む。それに──


 「寒いだろ?あの薬を飲むとそうなる。」


 あぁ、だからこんなふうに抱きしめててくれたんだ。4ヵ月もあの毒を飲まされていたからどうなるか分かるんだ。


 「こんなこと…君の両親が知ったら悲しむよ。一応言っとくけどもうこんなことしないでね。」


 「そうね…もう少し、いてもらっても良い?」


 その日は日暮れまで一緒にいてもらった。そのときの嬉しいような切ないような気持ち。そう、私はホルドが好きになっていたのだ。最初こそ母親に言われたからだったが、今は彼と共に生きたいと本気で思っている。だから断られたときはショックだった。


 それからまたしばらくたったある日、


 「あの、サラさん。」


 「なんだい?」


 「今日、大きな満月だから夜に月光を浴びてきても良いですか?」


 「あぁ。構わないよ。神龍はそうするのかい?」


 「わからないけど、なんかそうすると力が高まるんです。」


 日が暮れてからだいぶ経ち、月が高く登ると宮殿の屋上で月光を浴びた。ベルデはやはり諦めきれずに屋上へ続く扉をそっと開いて何か言葉をかけようと考えたとき、


 「綺麗…」


 月光を浴びた純白の鱗からは言葉で言い表せないような様々な色が反射しており、なんとも幻想的な光景になっていて思わず声に出してしまった。ホルド自身が輝いているようにも見える。


 「ベルデ、来たの?」


 「何となく…邪魔だった?」


 「いや、そんなことない。君の鱗も綺麗に反射してる。」


 褒められて顔を綻ばせるが、その心境は複雑だった。


 「ねぇ、ホルド。」

 

 「ん?」


 「しつこいと思うかもしれないんだけど、番の話。」


 「あぁ…」


 「やっぱり…駄目?」


 「駄目、というより僕は番を持つべきじゃないんじゃないかな…って。」


 「なんで?」


 「贋作だから。本物となるべき───」


 「贋作!?そんな理由なの!?」


 「え…?」


 「あなたは作り物なんかじゃない!本物の竜よ!あなたの里に捕まった神龍にとっては偽物かもしれないけど竜としては本物だわ!そうでしょ!?」


 「でも僕には魂が──」


 「そんなの知らない!知らないよぉ…」

 

 気がつけば泣いて訴えていた。


 「魂が無くたって心はあるじゃない!私を2度も助けたじゃない!あなたの心臓は!?どうみても本物よ!薬を飲まされたときは凄く不安定で、今はとても力強い。その心臓も偽物って言うの!?あなたは生き物としては本物なのよ!あなたが心の無い作り物なら何で母さんを殺さなかったのよ!?何で私を助けたのよ!!」


 「ぼ、僕は…」


 「私じゃあなたに相応しくないとか、あなたが私をそういう感情では見れないとかそういう理由なら、諦めるかどうかは別として納得するわ。でもそんな…自分は贋作だなんて…そんなこと言わないで…」


 「ごめん…」 


 泣きついてきたベルデをホルドはただ受け止めるしか出来ない。


 「…本当はどうなの?私のこと…」


 「僕は…僕…は…」


 ベルデはホルドを見上げる。迷いのある、苦しそうな顔だった。



─────────────────────────


─────────────────────────



 サラ「何ケンカ?」


 召し使い「はい。屋上でベルデ様が泣き叫んでいらしたのでお伝えした方が良いと思いまして。」


 急いで屋上へ向かい、そこへ続く扉が少し開いたままだったのでそこから覗くと、サラは思わぬ光景に言葉を失ったのだった。


 

               続く。


  

いかがでしたか?誤字脱字、意味不明な記号やその他不明瞭な点がありましたらご指摘下さると幸いです。次回作も宜しくお願い致します。

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