商売のきっかけはいろんなところに転がってるものですね
俺が現人神だと判明した後、俺とシスティは結局町の中に戻っていた。野営してもよかったのだが、町が目の前にあるのに野営しなくてはならないというのは気分的に嫌だったからだ。戻った時は夜だったので、幸いシスターさんたちには見つからなかった。宿の人も何も言ってこなかったので、話は広まってなかったみたい。
そして今、俺とシスティは宿の厨房で働いていた。
「ご主人、次の料理できたよ!」
「おう、すまねぇな兄ちゃん!」
「ご主人様、こちらはこの程度混ざれば大丈夫でしょうか?」
「うん、そうだね。次は野菜の皮剥きお願いできる?」
「承知しました」
宿に帰ったとき、宿の主人が何やら悩んでいたので、話を聞いて見たところ、どうやら夜は酒場も経営しているようなのだが、料理担当の奥さんが風邪で寝込んでしまったそうなのだ。そんな時に限ってお得意さんの予約が入ったらしく、断るに断れなくて悩んでいた。なので、俺が手伝いを申し出たのだ。
しかし、俺の料理の腕はスキルのおかげで公爵家のお嬢様にも認められるほどになっている。俺が担当するのは今日だけなので、もしかしたらその後の商売に支障が出るかもしれない、とシスティが言ってきた。
俺としてはそんなに特別な料理をしたわけではないので自覚はないのだが、一番俺の料理を食べているであろうシスティがそういうのだからそうなのだろう。
そこで、俺は違うスキルを使うことにした。
「兄ちゃんスゲーな。うちのかみさんの味そっくりというかまんまだぜ」
「お役に立ててなによりです」
俺が使ったのは、模倣スキルだ。奥さんの料理レシピが残っていたのと、昨日食べた料理の記憶を使って、ほぼ完璧に奥さんの料理を模倣してみせた。このスキルは料理以外にも使えるみたいなので、便利なスキルかもしれない。
「すまん兄ちゃん!野菜炒めと肉焼き追加だ!」
「あーもーよく食べますねぇ!」
お得意様はかなりよく食べるらしく、さっきから料理する手を休める暇がない。奥さんはこの量を捌いてたってスゲーな。
「ご主人様、すごくいい笑顔ですね?」
「え?そうかな?大変すぎて泣きたいくらいなんだけど?」
システィに言われて気づいたけど、ものすごく大変なのだが、確かに楽しい。働いてると実感できてすごく喜びを感じてる自分がいた。
いやそんなまさか。模倣スキルが上手くいってよかったと思ってるだけに違いない。きっとそうだ。
自分にそう言い聞かせながら、俺は次々と料理を仕上げていくのだった。
「さ、さすがに疲れた…」
「お疲れ様です、ご主人様」
宴は朝方近くまで続いた。どうやら誰かの結婚式の後の二次会だったらしい。こちらの世界でもそんなものが存在するんだ。俺は未成年でもあったし、あまり結婚式に行ったこともなければ、飲み会なんか参加したこともない。よくあんなに騒げるものだ。
というか、この俺を疲れさせるだけ飲み食いする彼らってどんだけなんだ…奥さんが料理を担当してたら死んでたんじゃないか?
「いやぁありがとう兄ちゃん!あいつらも大満足してたぜ。いつもはもっと早い段階でかみさんに叱られて帰って行くんだけど、今日は満足いくまで飲み食いできたぜ、ってな」
ああ、なるほど。奥さんは結構強い女性らしい。肝っ玉母ちゃん的な感じなんだろう。俺には真似出来ない。
「これから何日うちに泊まっていくか知らねぇが、好きなだけ泊まってってくれよ。もちろん、金はとらねぇよ」
「ありがとうございます。多分数日のうちには出発すると思うのですが、それまでよろしくお願いします」
「おうよ!じゃあ今日はもう休んでくれ。起きてきたらなんか食わしてやるからよ。あ、俺が作る簡単なものでいいか?」
「あー、それなら、私に厨房使わせてもらっても構いませんか?」
「なんだ兄ちゃん、あんだけ料理してまだ料理するのか?」
「ええ、ちょっと作りたいものがありまして」
「まぁいいけどよ。それじゃ、俺も休ませてもらうわ。おやすみ」
ご主人に厨房を使わせてもらう許可を得て、俺たちは部屋に戻った。なぜか、俺の部屋にシスティがついてきていた。
「…システィ?部屋は別々にしようって…」
「おやすみ、なさい…」
俺が言い終わる前にベッドに倒れてしまった。どうやら限界だったらしい。まぁ俺の手伝いをずっとしてたんだから当然か。
俺はシスティに布団をかけてやり、自分は近くの椅子で寝る事にした。この体になってから睡眠はとらなくても大丈夫なようだが、しばらく寝ないでいたら、なんだか気分が悪くなった。たぶん生活のリズムが以前と違いすぎたからだろうと思い、何もない時は寝る事にしている。眠る必要がないだけで、眠ることはできるからね。
それじゃ、おやすみなさい…やっぱり労働はよいもの、だ…。
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次の日、起きたのは昼頃だった。俺はいつでも起きようと思えば起きられるのだが、システィが起きる気配がなかったのでそれに付き合って寝ていた。
起きたときからものすごい勢いで泣きながら謝ってくるシスティをあやしながら、宿の主人に一言言って、俺たちは今厨房にいる。
「ご主人様、何をなさるのですか…って、料理に決まっているのでしょうが」
「まぁ料理もするけど、ちょっと気になったことの実験にね」
実験とは、アイテムボックスの実験だ。アイテムボックスに入れてるものの状態は入れた時のまま保たれるらしく、神様が持たせてくれた食べ物や食材は腐ったり質が悪くなったりしない。そこに俺の料理を入れておけば、本当に味や質が落ちないのかなとちょっとしたことだ。
「何を作るかな…お?ひき肉なんてこっちの世界にあったのか」
ご主人が好きに使ってくれと用意してくれた食材の中に、牛肉のひき肉があった。奥さんは料理がそれなりに得意なのかな?
「ならば作るわ…ハンバーグだな。いや、ハンバーガーにするか」
「はん、ばーぐ?ばーがー?」
おっと、こちらの世界にはハンバーグは存在してないのか。ひき肉があるのならてっきり存在してるかと思ったのだが。基本的にはこれを丸めて焼くだけなんだが…あ、違った。このひき肉は神様が俺に渡してくれた食材か。
こちらの世界にないものを作ってもよいものかと一瞬悩んだが、完全にハンバーガーを食べたい気分になってしまっているのでまぁいいかと思い作る事にした。
玉ねぎ(に近い野菜)を飴色になるまで炒め、少し冷やした後に、卵、パン粉、ひき肉と調味料を入れて粘りが出るまでまぜる。調味料は元の世界と完全に一致するわけではないが、似たようなもので代用は十分可能だった。
システィが手伝いますと言ってきたので肉を混ぜるのをまかせた。手で混ぜ始めた時におおぅみたいな声を上げていた。確かに初めて触るとなんともいえない感触かもしれない。
俺はその間にソース作りに取りかかる。ハンバーガー、というかパンに挟むつもりなのでそれに合うものと言えば…無難にケチャップかな?
トマト(であると思われる野菜)とすりおろした玉ねぎ(っぽい野菜)と生姜とニンニクを煮込む。生姜とニンニクはこちらの世界にもあった。そこにハーブや胡椒を入れて更に煮込み、別の容器に移し、あとは冷まして特性ケチャップの完成…あ、しまった。こっちの世界は冷蔵庫なんてものはないのか…もしかしたら貴族の屋敷なんかには魔法道具で似たようなものがあるかもしれないが、さすがに宿屋の厨房にはない。
俺は自分の魔法を検索して、氷塊という魔法を見つけたので最大限に注意して発動させる。きっと何も考えずに行うとこの宿が潰れるくらいの氷ができるんだろうと思うから。なんとかいいサイズの氷ができたので、それを削って(手で)容器が入るようにして冷やす事にした。
「ご主人様、これくらいでよいでしょうか?」
「えーっと、うん、大丈夫そうだね」
システィは結構料理が得意みたいだ。今までやったこともないと言っていたが、かなり筋がいいと思う。そのうち料理スキルも手に入るんじゃないかな。
システィの作った肉を2人で丸めて手の中でお手玉するように空気抜きをする。俺もシスティも力加減をミスって2回ほど肉の塊を破裂させた。なんとか出来上がったものを少し薄めに固めて焼く。前は焼き色やなんやら色々気にして焼いていたが、今は料理スキルのおかげで最適なタイミングや中まで火が通っているかがわかるのでとても便利だ。
ハンバーグは難なく完成した。俺はケチャップはどうかなと味見してみたが、きちんとできていた。
バンズも作ってやろうかと思ったがさすがに時間がかかるので、パンはなるべく似たものを使い、その間にハンバーグとレタス(に見える)野菜を挟む。もちろんケチャップもね。おお、かなりハンバーグっぽい。
「完成、ですか…?」
「うん、食べてみようか」
肉を焼くあたりから涎を垂らしそうになって凝視していたシスティはもう我慢ができないみたい。涎が垂れる前に食べようか。
「い、いただきます…!」
「いただきまーす」
うん、シンプルだけどそこそこ美味しい。あー、元の世界のファーストフードがちょっと懐かしくなるなー。いつかあの味も再現してやろう。
「どう、システィ、美味しい?」
「とても、美味しかったです…!」
俺が一口食べてる間にシスティは1つ食べきっていた。速すぎるだろう…
「まだ3つあるから、1つは食べていいよ」
「い、いただきます!」
またもや勢いよく食べ始めるシスティ。とても美味しそうに食べてくれるので、こちらも料理のしがいがある。一瞬で無くなってしまうのはどうにかしてほしいけどね。
俺は残りの2つを自分のアイテムボックスにしまう。なにも包まずに入れてしまったけど、本当に大丈夫なのかな?まぁすぐに取り出したら実験にならないので、しばらくしてから確かめよう。
その後、システィが食べたらなさそうだったので、追加でハンバーグを使って焼いた。今度はパンに挟まずそのままケチャップをかけて食べる事にした。
「お、おい、随分いい匂いじゃねぇか?」
「あ、ご主人、お1つどうです?」
匂いにつられてやってきた店の主人に1つハンバーグをあげた。
「こいつはうめぇ…!な、なぁ、かみさんにも食わせてやりたいんだが、もう1つもらってもいいか?」
「ええ、構いませんよ」
気前よく主人にもう1つあげると、システィが少し悲しそうな目をしていた。君はもうすでに5個以上食べてるでしょうが。
大急ぎで奥さんの元に走っていくご主人。仲がいいみたいでいいね。その姿を見送ってから、俺たちは片付けを始めた。
しばらくすると、ご主人と見たことのない女性が一緒に厨房に入ってきた。確認したら、この人が奥さんのようだ。まだちょっと体調が悪いみたい。ステータスに『風邪・軽度』と出ていた。
「ちょいとすまねぇ、かみさんがどうしても頼みたいことがあるって聞かなくてよ」
「言ってくだされば、こちらからうかがいましたのに」
軽度となっているから大丈夫なのだろうが、無理しない方がいい。そんなにお願いしたいことがあるのだろうか?
「この、はんばーぐ、という食べ物のレシピを教えていただけませんか…!」
「え?」
すごい鬼気迫る感じで俺にそう頼んできた。さっき確認した時に料理スキルを持っているのはわかったし、たぶん食べたことのない料理を自分のものにしたいと考えたのだろう。
しかしなぁ、教えるのは構わないんだが…
「奥さん、ひき肉ってご存じですか?」
「ひき肉、ですか?」
やっぱり知らないみたいだ。それがないと話にならない料理だからなぁ…
「肉をこのように加工したものなのですが」
「いえ、見たことない、ですね…」
「実は肉をこのように加工しないと、作れないものでして…」
「そう、なんですか…そのような方法は聞いたことがありません…」
とても残念そうだ。まぁ肉をミンチにするだけなんだけど…あっちの世界では機械に入れたらひき肉になってたし…あ、そうか。
「あーでも、ひき肉を作る機械は作れるかもしれないので、それができたら教えてあげますよ?」
「本当ですか?!ゴホッゴホッ…」
喜びすぎてむせてしまった。まだ体調が完全に戻ってないのだからあまり興奮しない方がいい。
「ええ、ですので、今はゆっくり休んでてください。できたら、必ずお伝えしますので」
「よろしくお願いします!」
「すげーな兄ちゃん、機会まで作れんのか?」
「まぁ、そんなに複雑ではないはずですので」
ご主人は奥さんを連れて戻って行った。さてと、一仕事しますか。
「ご、ご主人様、ひき肉が作れるようになるということは、またハンバーグやハンバーガーが食べられるということでしょうか?」
「うん?そうだね、またいつでも作ってあげるよ」
残りのひき肉だけだとシスティ一人分にも足りないから、自分たちのためにも頑張りますか。
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「うん、やってしまったねこれは…」
俺は近くの家具などを作っている工房を訪ね、金属の類を買い取った。そのまま工房を使って良いとのことだったので、素直にお邪魔してひき肉を作る機械、つまりミンチ機を作ることにした。
ちなみにシスティは途中でケンハナミミに見つかり一緒に遊びに行った。シスターたちは俺らをみたら大変な騒ぎになるだろうが子供たちには伝えてなかったみたいだ。
ミンチ機自体たぶんそんなに難しいものではないので、なんとかなるだろうと思い、工作スキルと効率化スキルを使って作ったのだが…
「五分は速くないかな…」
俺の目の前には出来上がったミンチ機があった。どうやって作ったかは知らない。作ったことないから簡単なものでも時間がかかるかなと思い効率化スキルを併用したら、こうなった。
一応確認して見たところ、作りは本当に簡単で、肉を入れ、ハンドルを回すと肉が内蔵された刃で切り刻まれ、小さな穴から押し出されひき肉の完成となるものだった。よく知らないものまで作れてしまうってどうなってんのかね俺のスキルは。
「どうだ、作業は順調か」
工房のおやっさんが覗きに来た。よくわからないけど話してたら気に入られてしまった。工房の人たちがおやっさんと呼んでいたので俺もそうする事にした。工房を使わせてもらえたから万々歳だけどね。
「ええ、とりあえずは完成しましたよ」
「なに?もうできたのか?ずいぶん手際がいいんだな」
手際がいいとかそんなレベルじゃない気がするけど、詳しく話す気もないのでそういうことにしておいた。
「それで、これはなんなんだ?見たことねぇ物だが…」
「これは肉を加工する物ですよ。ミンチにするって言ったらわかりますか?」
「肉をミンチにする機械だ?そんなもの作ってどうするんだ」
「ある料理に必要でして…そうだ、食べてみますか?」
俺はアイテムボックスからハンバーガーを取り出し、おやっさんに差し出す。ふむ、やっぱり作ったときのまんまか。便利だなアイテムボックス。
「アイテムボックス持ちか。それで、これが肉をミンチにして作った買い物か?どれどれ…おお!こいつはうめぇ!」
一口食べただけでおやっさんが笑顔になった。気に入ってもらえたようだ。味もそのまんま保てるみたいだな。
「そのパンの間に挟んでいるものを作るのに、肉をミンチにする必要があるんですよ」
「なるほどなぁ。肉のミンチなんてめちゃめちゃにやられた魔物くらいしか見たことなかったがたいしたものだな」
やめてくれよ。ハンバーグ作るたんびに魔物のミンチを思い出すことになったらどうしてくれる。
「それで、肉のミンチを作る機械ってのがそれか。随分簡単に作れるみたい…って、なんだこれ!?おま、これをあの短時間で作ったのか!?」
「えっと、設計図があるのでそれ通りに作るだけでしたから」
「しかもよくみたら工具の類をつかってねぇみたいじゃねぇか。多機能工具まで使えるのかお前」
多機能工具?なにそれ先生?今回はきちんと訪ねたからかすぐに全知全能が反応してくれた。多機能工具とはそういう名前の魔法で、自分の手がドライバーとして使えたりやすりとして使えたりととにかくあらゆる工具として使えるようになるという便利な魔法だった。そして俺はそれを使えるらしい。俺はそんなことをしていたのか。作ってる過程を覚えてないから自分の手が工具になるの意味がわからないけど。
「物作りが趣味でして、頑張って習得しました」
「趣味ってレベルの仕事じゃないだろうこれは…ところで、お前はこれで商売でも始めるつもりなのか?」
「商売、ですか?いえ、そんなつもりはないですよ」
「するってーとこれは本当に趣味なのか…」
おやっさんがすごく意外そうな顔をしてきた。まぁ確かにあのハンバーガー売れば割といい稼ぎになりそうだけど…いや、確かにありか?働いて自分でも金を稼ごうとシスティと決めたことだし、なしではないな…
「確かに、商売でもいけそうですかね…」
「いけるだろうよ。あれだけ美味いものなんだ。それに、この機械がねぇと作れねぇんだろ?唯一無二の商品ってのは儲かるぜ?」
「なるほど…」
おやっさんに何か言われる度に可能性に溢れてることに気がつく。そうか、今のところこれは俺にしか作れない…いや、宿屋の奥さんには教えるけどね?まぁとにかく俺にしか作れないハンバーガー…ハンバーガーと言えば…
「チェーン展開も夢じゃない…?」
「あん?鎖がどうかしたのか?」
俺がこの世界でハンバーガー屋でチェーン展開…できないことはないんじゃないか…?レシピとこの機械があれば簡単に作れるし。開業に必要な資金は十分ある…世界を旅するついでに店を広げていけるし、一石二鳥か?
「しかしそうなるとこの世界に銀行みたいな概念があるかだな…」
「おーい、聞いてるかー?」
俺は世界を旅して回りたいので1つの店でずっと働くことはしたくない。つまりは俺はオーナーのような立場に立とうと思っている。しかしそうなるとこの世界に銀行のような組織がないと、俺に金が入るような仕組みにするのは難しいだろう。別に金に困ることはないと思うが、働くのなら対価をもらうのは当然のことで、また義務であると思う。そんなに多くなくてもいいが、経営者として売り上げの一部は入ってくるようにしたい。
「なかったら銀行から作るしかないのか…」
「おーい!だめだ聞いちゃいねぇ…」
俺はその後もおやっさんを無視し続けてハンバーガー屋のチェーン展開についてずっと考え込んでしまった。
そんな時、いきなり工房の扉がバンッと開けられたので、さすがに何事かと思考を中断した。
「すみませんご主人様!シスターマリーに見つかってしまいました!」
「あーまじかー…」
飛び込んできたのはシスティだった。いそいで来たのはわかるのだが…
「はやいはやーい!」
「システィお姉ちゃん力持ちー!」
「目が回るぅ…」
なぜ、小脇にケンミミハナを抱えているのか。流石に子供3人くらいは軽くもちあげられるんだね。じゃなくてさ…
「その3人が一緒だと逃げにくいんだが…」
「え?はっ!?す、すみません、一緒に遊んでいたので咄嗟に抱えて来てしまいました…」
無意識だったのか…
とりあえず、3人を連れたまま身を隠すことにした。見つかるととても騒がれるというか説明ができないから…