珍種のおと ~テトテト!ダイエット大作戦~
( =°Д°=)「にゃあ。今日も暑いにゃあ。こんな暑い日の昼間はクーラーが効いたお部屋の中でのんびりするに限るにゃ。お昼のワイドショー、あんまり面白くないにゃあ……よし、それならもう夜までぐっすり寝るにゃ!」
( °Д°)ノ「ちょい待ち! その睡眠、待ったあ!」
Σ(=°Д°=;)「ニャッ!? だ、誰にゃ! テトのお部屋に勝手に入り込んで来たお前は何者だにゃあ!」
( °Д°)「わいの名前は珍種! 今回は作者……もといお前の飼い主の命令でテト、お前にダイエットをさせるためにやってきたんや!」
(;=°Д°=)「えっ、お兄ちゃんが……? う、うそにゃ! テトはこんなに可愛いボディーにゃのに、ダイエットにゃんか必要ないにゃ!」
( °Д°)「言い訳なら後でゆっくり聞いたるさかい、とりあえず行こか。ダイエットと言う名の、長く果てない旅へ……」
(#=°Д°=)「嫌にゃ嫌にゃ! こんな暑いのにダイエットとか嫌にゃ! 珍種だかにゃんだか知らないけど、お前みたいにゃ白いゴキブリにどうこう言われる筋合いは無いにゃあ!」
( #°Д°)「白いゴキブリ、やと……!? お前、わいに言うたらアカン一言を開始500字と経たんうちに言いおったな。よっしゃ、こうなったらもう容赦はせえへん。地獄のダイエットプログラムの始まりや! もう逃げられへんで!」
( =°Д°=)ノ「お前みたいにゃ白いゴキブリ、たかが一匹程度に動じるテトではございません! 無視にゃ無視にゃ! これからテトは寝ます、その間に珍種さんはどうぞお帰り下さい!」
( °Д°) °Д°)°Д°)Д°)°))「「「「「「いつからわい『ら』が一匹だけやと錯覚しとった?」」」」」」
(;=°Д°=)「にゃん、だと……って、こんにゃに大勢でテトに近づかないでにゃ! 気持ち悪いにゃ!」
( °Д°)ノ「往生際が悪いで! ほな、連れていけー!」
( #°Д°)つ(;=°Д°=;)C(°Д°# )「に、にやああああ――――っっ!!」
( °Д°)(今の悲鳴はテトの悲鳴なんやけど、大人の事情でわいが喋っとるように見えてまうなあ。悲しいなあ……)
( °Д°)「一時間経過」(°Д° )
(;=°Д°=)「にゃあ……ここは、どこにゃあ……? 狭くて、暗いにゃ……」
( °Д°)ノ「よう来た。ここはダイエットのお部屋。地獄のような、それでいて天国のように思える地獄のダイエットを楽しめるお部屋やで」
(;=°Д°=)「結局地獄だにゃあ! テト、こんな言われもにゃいオシオキを受ける覚えはないにゃあ!」
( °Д°)ノ「オシオキちゃう、修正や! そんなわけで、テト。あんさんに受けてもらうのはこちら! 『ダンスステージ』! ルールは簡単、二時間このステージの上で踊り続けるだけの簡単な流れ作業や!」
(;=°Д°=)「に、二時間も!? 嫌にゃ、そんにゃに踊ったら過労死するにゃあ! 絶対嫌にゃ!!」
( °Д°)ノ「やかましいわ! ここで拒否ったらこの小説が進まへんやろ! 読者のみんなの期待に応えて頑張れ、テト! ネバーギブアップ!」
(;=°Д°=)「さっきからこの珍種、発言がいちいちメタだにゃあ……」
( °Д°)ノ「うるさい! 尺の都合もあるさかい、とっととミュージックゥ、スタート!」
( °Д°)「チャララ~ラ~チャラララ~ラ~ラ~……」(°Д° )
c(;=°Д°=)つ「あっ、あれ? か、身体が勝手に踊っちゃうにゃあ……嫌にゃのに、身体が言うことを聞かないにゃ!」
( °Д°)「第一段階は無事成功や。さあ、踊れ! 踊って汗かいて、痩せるんや!」
し(;=°Д°=)J「テト、もう疲れたにゃあ……お家へ帰してくれにゃ……」
( #°Д°)ノ「甘ったれたらアカン! そのぶよぶよおなかに、作者と家族はもう飽き飽きしとんのや! 痩せて可愛い姿を見せとうないんか!」
し(;=°Д°=)っ「こんにゃテトでも、お兄ちゃんとママは可愛いって言ってくれるから平気だにゃあ……」
( #°皿°)つ□「……アカン、やる気が足りん! ダンスステージ、ミュージック三倍速! こんなデブネコは、さっさと修正や修正! リモコンポチー!」
( ;°Д°)「チャラララチャラララララチャラララチャラララララルルルルルルルルルルルル……!!」(°Д°; )
c三し(;=°Д°=;)J三つ「ニャッ!? テ、テトの動きが三倍速ににゃった……だと……!?」
( °Д°)「言うたやろ。これは地獄のダイエットプログラム。わいを白いゴキブリ呼ばわりしたことを後悔しながら、あと一時間五十九分そこで踊れ!」
( °Д°)°Д°)Д°)ノ「「「わいらギャラリーも応援しとるで~」」」
cc((;=°Д°=;))っっ「にやあああああああああああああああああああああっっ!!!!」
( °Д°)「二時間経過。ダンスステージ、ミュージック終了! お疲れさん!」(°Д° )
(;=>Д<=)=3「にゃあ……にゃあ……やっと終わったにゃあ。つ、疲れたにゃあ……」
( ^Д^)「お疲れさん、とろとろになるほどのええ汗かいたな! けどまだわいのダイエットプログラムは終了しとらんで?」
Σ(=°Д°=;)「にゃっ。ま、まだやるの!? も、もう帰らせて、ください……」
( °Д°)ノ「アカンアカン! テト、お前は仮にもネコやろ! これぐらい朝飯前やろ、常識的に!」
(;=°Д°=)「そんにゃ無理にダイエットしたところで、痩せるものも痩せにゃいと思います……」
( °Д°)「言い訳無用! ここは無理矢理にでもあんさんに痩せてもらわな、わいら珍種を主人公にした小説の続編を二度と作ってもらえへんかもしれんのや!」
(;=°Д°=)「さっきからテトに痩せるよう迫ってた本当の理由はそれにゃ!? テト、そんにゃのどうでもいいから、早くお家に帰らせてください……」
( -Д-)ノ「アカン。ここでわいら珍種がリタイアしてもうたら、今度はいつ表の世界に出て来られるか分からへんのやぞ。今まで六、七年、わいらは作者の中で名前を言ってはいけない生物扱いされて……テト、分かるか。お前みたいな人気あるネコと違い、人気を手に入れられないわいら珍種の気持ちが――」
( =°Д°=)ノ「言ってることが特に面白いわけでもない白いゴキブリ、別に残念でもにゃいしむしろ当然の結果……」
( #°皿°)ノ「……ダイエットプログラム第二段階、強制移行! ランニング、二十キロ! とりあえず外に出て、思いっきり走ってこい!」
(;=°Д°=)「にゃっ、二十キロ!? む、無理にゃ! さっきダンス踊ったばかりだというのに、二十キロも走れるわけないにゃ!」
( ^Д^)「大丈夫や、わいのジッジはこう言うた。『ダイエット大作戦でとろとろな汗をかくネコ、二十キロを走るのは易しや』やと。ジッジが言うんやから間違いあらへん、問題ない!」
(;=°Д°=)「ジッジェ…………ん? とろ……トロ……」
( °Д°)「どないしたんや?」
( =°Д°=)ノ「良いこと思いついたにゃ! テト、大トロが食べたいにゃ! 大トロを食べさせてくれるにゃら、走ってもいいにゃ
( °Д°)つ「アカン!」
(;=°Д°=)「ちょっ……まだ最後まで言い切ってにゃいのに、行間なしからの即答だにゃんて……」
( #°Д°)ノ「大トロが食いたいやなんて、お前……そんなこと、わいが許すわけあらへんやろ。却下や却下! ええから走ってこい!」
(;=°Д°=)「そ、そんにゃあ……お、お慈悲を、ください……」
( °Д°)ノ「今から十時間以内にゴールできへんかったら、お家へは帰れへんで! ほなよーい、ドン!」
ε==し(;=°Д°=)っ「にやああああああああああああああああああああああああ!!」
( °Д°)「こうして、テトは二十キロのランニングに、果敢に挑んだ……」
( °Д°)「ダンスを終えた後でも、ネコとしての本能は忘れてはいないようやった……」
( °Д°)「日が暮れ、夜になっても……テトは、走った……愛する飼い主と、その家族のために……」
(;=°Д°=)「ちょっと、さっきから変なこと言うのやめてにゃ! 走るのに集中できにゃいにゃあ!」
( °Д°)「いやあ、単にテトが走っとる様子を読者のみんなにも分かるように、ちょっとしたナレーションを付けたろ思て」
(ノ;=°Д°=)ノ「ドキュメンタリー番組みたいにゃナレーションはしないでいいにゃあ! そうこう言ってる間に、テト、無事ゴールにゃあ!」
( ^Д^)ノ「おめでとさん。十時間ギリギリ、ネコにしては超とろとろ速度でのゴールやで。ホンマはゴール間際にわいらの合唱が入る予定やったんやけど、大人の事情でNGになってもうたのは内緒やで」
(;=°Д°=;)「ハァ、ハァ……そんにゃことより、テト、さすがに疲れたにゃあ……おにゃかも空いたにゃ、マンマが食べたいにゃあ!」
( °Д°)ノ「しゃあないなあ。ほな、予定よりちょい早いけどマンマにしよか。オーダー!」
( =^Д^=)「やったにゃあ! ここまで頑張ったんにゃ、きっと美味しい大トロが待ってるにゃあ!」
( ;°Д°)(マンマになった途端元気になるんやなあ、こいつ……)
( °Д°)「十五分経過。テトさんのマンマが完成したやで! 残さず食べるんやで!」(°Д° )
( °Д°)ノ○「待たせたな、ほな、これがテトのマンマやで。食ったらまたダイエットプログラムの再開やで」
(;=°Д°=)「えっ、何このいかにも低カロリーで美味しくにゃさそうなキャットフード(マグロ風味)は! 大トロは!? 大トロはどこにゃ!?」
( #°Д°)ノ「そんな高カロリーな食い物、わいが用意するわけないやろ! 作者の家のマンマと大体似たようなものや!」
( =;Д;=)「ああ……大トロ……大トロ…………ムシャムシャ」
( °Д°)「それから後も、テトは毎日続く地獄のダイエットプログラムに、挑んだ……」
( °Д°)「あれから二ヶ月、多くの汗と涙を流しながらも、テトはようやくネコの平均体重まで落とすことに成功した……」
( °Д°)「この後、作者たちご家族とテト、感動のご対面……PCやスマホ、ケータイの前の皆様、ハンカチを用意してお待ちくださいやで……」
(;=°Д°=)「ちょっと待つにゃあ! またそのドキュメンタリー番組みたいにゃナレーション、しないでいいにゃ! あとお兄ちゃんたちと対面する予定はないにゃあ!」
( °Д°)ノ「何や、二ヶ月前からノリの悪さは変わらんなぁ、お前。まっ、何はともあれダイエット成功おめでとさん! このダイエットプログラムからは無事卒業です!」
(ノ =°Д°=)ノ「や……やったにゃあ! これでやっと、この地獄の日々から解放されるにゃあ……!」
( °Д°)ノ「そして、テトへの卒業記念プレゼントがこちらになります! オーダー!」
( °Д°) °Д°)つ○「お待たせやで~」
Σ(=°Д°= )「にゃっ。こ、この匂いは……!! ま、まさか。お、大トロ……!?」
( °Д°)ノ「せやで。作者のポケットマネーから買ってきた大トロや。高かったんやで、これ(わいはお金出してない)」
(ノ °Д°)ノ °Д°)ノ°Д°)ノД°)ノ°)ノ)ノ「「「「「「ダイエット成功おめでとさん、テト!!」」」」」」
( =;Д;=)「みんな、ありがとうだにゃあ……早速大トロ、いただきまーす!」
( °Д°)「十五分経過」(°Д° )
( =^Д^=)「あぁ~夢にまで見た大トロ、とっても美味しかったにゃあ! ご馳走様だにゃあ! それではテトはここでおいとま……」
( °Д°)ノ「ちょい待ち! その卒業、待ったあ!」
Σ(=°Д°=;)「ニャッ!? こ、今度は何にゃ!」
( #°Д°)ノ「お前、何で大トロ食った瞬間、痩せた身体が元通りになっとんねん! このお腹、現実世界のそれと大して変わらへんぞ!」
( =°Д°=)「……幸せ太り? たぶん」
( #°皿°)ノ「よっしゃ、決まりや。テトの卒業、取り消し! これより地獄のダイエットプログラムを再開するでー!!」
(;=°Д°=;)「に、にやああああああああ――――っっ!!!!」