その男、規格外につき…
ここは地球では無いどこかの世界。
空には直視できないほどの輝きを放つ太陽があり、日が沈めば月が顔を出す。
水が星の8割を占め、いたるところに陸が点在している。しかしこの陸群…水が星の8割を占めているくせに馬鹿でかいのだ。
中でも世界の強国等が密集している陸をプラン大陸と呼ぶ。このプラン大陸では主に三つの大国が覇を競っているが未だ決着がつかず今尚、戦争中である。
男子であれば16歳で戦場に立つのは当然だし、才能があれば自ら志願する少年もいる。
なぜ少年等が戦場に立てるのか…体も大きくなく力もない、そんなの束になろうが大人には、なかなか勝てようもない。しかし、この世界には子供でさえも大人を倒せる術があった。
魔法である。
体内に存在する魔力を体外に放つ行為であり、その過程で火、水、風、雷、土に変換させ攻撃、又は防御へと要いる事を魔法としている。
魔力は10歳前後で覚醒し、そのまま訓練を受ける事になる。経済が豊かな世界では無く学校などまともに無い世界であるために殆どの家では父が子に戦い方を教えている。
戦い方を学び家を守るために子等は強くなろうとする。自分が弱く国が滅びれば家族を失う事になる。周りでは普通に起こっている事であるため、わざわざ教えるまでもなく子供等は強くなろうとする。
哀しいかな…俺はそんな世界に来てしまったのだ。
初めは信じられなかった。しかし、考えれば考える程に真実味が増すばかりである。
俺がこの星に来たきっかけは…無い。
気づけば来ていたし、やる事も分かっていた。この星に来てからすぐの事だ、頭に痛みが走ったのは。
割れるような痛みに襲われ、治った時にはこの世界の情勢や魔法の事を理解していた。
いや、実にご都合主義である。