第15章のデータベース
第15章に登場した、キャラクターや世界観の紹介です。
【既出登場人物】
<ファイン、クラウド>
過去に登場した章:第1~14章
<レイン>
過去に登場した章:第7~14章
<スノウ>
過去に登場した章:第9~14章
<カラザ>
過去に登場した章:第2、4、6、7、11、12、14章
<ミスティ>
過去に登場した章:第4~7章、第9~11章、第14章
<ザーム>
過去に登場した章:第5章、第7~11章、第14章
<セシュレス>
過去に登場した章:第9~11章
<ブリーズ>
過去に登場した章:第4章、第14章
<サニー>
過去に登場した章:第1~6章
【世界観】
<魔力の属性>
今まであまり特筆して触れてこなかったことを解説。
天人は、水・風・雷・光の4つの属性の魔術を扱い、地人は火・土・木・闇の4つの属性の魔術を扱うことが出来る。これら各4つの属性は綺麗に反対属性であり、対を為す属性は、互いを打ち消しにかかる相反属性と認識されている。水の逆は火、風の逆は土、雷の逆は木、光の逆は闇。どちらが有利ということはなく、両属性の魔力がぶつかり合った時には、魔力の力比べで勝った方が押し切ることの出来る、シンプルなものと考えていいようだ。
天人と地人の術士の対決では、相手が放ってくる魔術の属性を見極め、それに反する属性を放つことで打ち勝とうとする駆け引きが常にある。たとえば相手が風の属性の魔術を放ってきたら、それに対抗策としてぶつけるならば、逆の属性の土属性の魔力か、同じ属性の風属性の魔力が適切ということである。天人と地人の血を等しく引く混血種は、こういう場合に土の魔力も風の魔力も扱うことが出来るため、選択肢も倍の数ある。術士としてなら混血種が持つアドバンテージは、それだけでもかなり大きいのである。
<野を満たす雨>
第12章と第14章でスノウが使った秘術。激しい雨と風を起こし、非常に広範囲に渡る嵐を生み出す魔術である。背景みたいなもので表面化しにくい形であったが、非常に戦況への影響力が大きかったことと、上記の一例にもなるということでここで解説。
スノウの濃厚な水の魔力と風の魔力を孕んだ風雨は、影響下にある敵陣営あるいは味方陣営の、水と風の魔力を増幅させる効果があり、相反する属性の火と土の魔力を減衰させる効果を及ぼす。基本的に天人陣営についていたスノウにとっては、敵陣営は地人であることが殆どのため、味方である天人陣営には補助をもたらしつつ、敵である地人陣営にはディスアドバンテージをもたらすことの出来る、ちょっと反則だと思われるほどの影響力を戦場ではもたらす。
欠点があるとすれば、消費する魔力が激しすぎるため長時間の行使は後に響くこと、あるいは敵陣営にミスティやニンバスのような、天の術を使える者が混ざっていた場合、相手方にも恩恵を与えてしまうこと。あとは強いて言うなら、多数の兵がぶつかり合う混戦模様の戦争においては、風雨は味方陣営の動きにも影響を及ぼしてしまうため、敵だけではなく味方の足並みを崩してしまうため安定性に欠けることか。そのためホウライの都における戦役では、戦闘終盤まで温存されていた。アストラやカラザが姿を現すまで出し惜しんだのも、結果的には正解だったと思われる。
第12章では、カラザがホウライの都いっぱいに放った火の勢いを僅かにでも抑え、アストラの起こした地震をかすかながら弱めることや、一秒でも早く沈静化させることにも成功している。第14章では、術者スノウの相手であるカラザの、火と土の魔術の威力を抑えるのみならず、レインと戦うザームや、クラウドと戦うセシュレスの地人としての魔術の威力まで僅かに弱める役割を果たしていた。相手が天の魔術も使えていたクラウドはともかく、レインがザームと戦っていた戦場に及ぼした影響は、勝敗に響くほど大きなものだったと思われる。




