第13章のデータベース
第13章に登場した、キャラクターや世界観の紹介です。
【既出登場人物】
<ファイン、クラウド>
過去に登場した章:第1~12章
<レイン>
過去に登場した章:第7~12章
<スノウ、アスファ、ラフィカ>
過去に登場した章:第9~12章
【新規登場人物】
<ハジャーダ> ※天人
ホウライ城の兵士長を務めていた人物。57歳という高齢ながら、筋骨隆々の巨漢で強面、まだまだ若者には負けないという風格を持つ男である。初登場は第9章であったが、名前がはっきりしたのは第13章であったのでここで紹介。
立場上、天人以外を軽視するような態度や発言を演じることはあるものの、実際のところは血筋などにも拘らずに人を見られる人物である。他の地以上に傲慢さの目立つ天人の多いホウライの都においては、相当に珍しいとさえ言える人格者であり、天人に対する悪印象の強いスノウも一目置いている。
戦場においては鋼の鎧に身を包み、大剣を振り回す豪快な戦いぶりで敵を薙ぎ倒し、友軍を力強く導く猛将として高名。彼自身は古き血を流す者ではない身ながら、エンシェントかつ革命軍でも有数の兵であるザームとも渡り合っていた。高次元すぎたホウライ戦役の中では目立たなかったものの、その実力は特筆に値するものだろう。ホウライの都の崩壊に伴い、現在は皇太子様に次ぐ位置で復興組織の重役を務めている身だが、高き実力と良き人格を思えば、常に指導者たる地位に就くのも当然と言える人物である。
【世界観】
<クリマートの村>
アボハワ地方の中央部に位置する村。現在は滅びており、厳密には村跡である。
聖女スノウの親友にして、かつて革命軍の指導者として近代天地大戦を引き起こしたアトモスの故郷。戦時中でものどかな田舎村であり、革命軍も拠点の一つに数えず争いとは遠かった村だったはずだが、アボハワ地方を西から圧殺しにかかる天人軍の踏み荒らしに呑まれ、戦火に包まれ廃墟と化す結果になった。アトモスが討たれて終戦を迎えた後も、天人に仇為した指導者の故郷という忌むべき地として天人達には認定され、塩撒きまでもが行なわれた結果、植物もろくに育たない廃墟として復興の可能性はほぼゼロに等しい状態になっている。
アトモスの遺体は、彼女自身の意向もあってこの地に埋葬されているが、上記のように完全に死に絶えたこの村に、新しく作られた唯一の墓は、風雨に晒され哀しいほど朽ち果てている。しばしば墓を訪れるスノウだけが、アトモスに対する救いと言えるだろうか。
<メッキビーチ>
アボハワ地方の東部に位置する行楽地。海に面し、夏場は浜辺が人で賑わう。
近代天地大戦の傷跡という形で、アボハワ地方の西部と中央部の人里が機能不全になったことにより、地方全体の人口が東部に集中した末に現在に至るのだが、この地もその一つである。人が集まれば人里は栄える方向に進み、元より漁業にも商業にも一定の強みがあったこの場所は、時をかけて地方随一の行楽地に育ったという経緯である。定期的にイベントを設けたり、泳げない冬場にもお祭りを催したりと、都会とは違う形での庶民的な温かみが売りで、アボハワ地方そのものを忌避する天人達は別として、来客には事欠かない歓楽街としての地位を確立している。廃墟や戦場跡地の多い、後ろ向きなイメージの多いアボハワ地方においては、一際輝く前向きさを感じさせる街であり、こうした場所が存在する限りは、まだまだ地方全体が真の意味で衰退を迎える日は遠いと言えそうだ。




