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ハッピーエンド…?
とある病院
慌てて手術の準備をする医師達と喜びの涙を流す家族がいた
『先生っ…ドナーが見つかったって本当なんですかっ?』
再度確認をした母親は衰弱しきった娘を横目に喜びを隠しきれなかった
『病室ではお静かに…はい、ドナーが見つかりました』
娘の家族は泣いて喜んだ
娘は心臓に病気を患っており
余命はあと2日と宣告されていた
娘は弱々しい声で『私助かるの…?』と死にかけた笑顔を見せながら言った
手術中のランプが光る
『それにしてもよくドナーが見つかりましたね』
医者の一人が担当医に言う
『あまり大きな声では言えないのだが…どうやら中学生の女の子が少年に連れられて臓器売買をしただとか』
『世の中物騒ですね』
病院の前のベンチに一人の少年が座っていた
『今日は何をしようかなっ!』
パタパタと足を交互に前に出しながら陽気な声でそういった
少年のポケットから一枚の写真が落ちた
そこにはサングラスのお兄さんとこの世に絶望したような顔をした少女が手術服を着て
二人、ピースを作ってこちらを見ていた