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少年の正義

少女は目的地のない散歩を続けていた

もう家にも帰りたくなかった

賑わう商店街を横目にただただ不機嫌そうに地面を踏みしめながら歩いた

商店街を抜けて大通りに出ると人の数は減り車やバイクが忙しそうに走っていた

休みだからきっとデートや友達とのドライブ、ツーリング…なんで私だけ…

はぁ…とため息をつくと一人の少年がこちらを不思議そうな顔をしてみていた

『お姉さんせっかくの休みなのに疲れた顔してるね!なんで一人なの?』

少年は悪気はないだろうけど少年の放った言の刃が心に突き刺さる

『うるさいわね!あんたみたいなガキには関係ないでしょ!!』

ムキになって多少の暴言を混ぜた灰の言葉を吐き出してしまった

『僕お金はあるんだけど行くところなくて…よかったら一緒にどこかにいかない?』

まさか人生初めてのナンパが小学生ぐらいの男の子だとは思っていなくて複雑な心境になった

いつもなら構っていられるかと無視して歩き出すのだが今日の気分のせいか少女は不本意ながらというような意を込めたため息を吐き出してから渋々承諾した


そこから少年は遊園地や水族館に少女を連れて行った

公園では二人でアイスクリームやクレープを食べ

少年は始終ニコニコしてとても楽しそうだった


綺麗な夕焼けが二人を包み込みそろそろ楽しいデートにも終幕がおろされるころ

少女は少年に心の内を吐き出した

小学生くらいの無邪気な少年にこのドス黒い心がわかるはずはないとは分かっていたが自己満足を得るために少女は話した


『誰かに必要にされたい』


一言目が出ると少女の口からは言葉が溢れ出てきた


今まで栓をしていた心の炭酸

今まで心の中で自分でシェイクしていた二酸化炭素が爆発して気づけば涙を流しながらひたすら少年にぶちまけていた


『僕ね、誰かに必要とされる所しってるよ!連れてってあげるね!!』

少女は少年の無邪気で太陽のような優しさにまた涙した












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