現金輸送車が襲撃される
現金輸送車が襲撃される
米ドルの現金輸送車が襲撃されるとのリークがあった。取材の小型機、ヘリコプターが大挙して砂漠の上を飛ぶ。軍の戦闘機が緊急発進。これ以上輸送車に近づくと迎撃する、これは警告ではない、通告だ。
報道の自由を侵すのか。真実を伝えるのはジャーナリストの使命だ。おい煙を吹いてるぞ。タイヤだ。黒煙は空を覆う。君たちの上空には5機の戦闘機が狙っているぞ。本当だ、ヤバイ退却だ。
突然輸送車のタイヤが発火した。逃げ出す運転手、乗組員。ディーゼルエンジンが爆発する。炎とともにドル紙幣が空に舞う。
臨時ニュースです。たった今、現金輸送車が爆発炎上しました。映像はネバタ州のものですが、少なくとも全米5箇所で同時に襲われた模様です。詳しい情報が入り次第お知らせします。
ニュースは世界中に配信される。取り扱いは国によって様々だが、ほとんだがトップに持ってきていた。
この事件は不可解です、現金強奪が目的ではないのか、爆破はどのように行われたのか、専門家の意見を伺いました。
おっしゃるとおり現金が目的とは考えられませんね、現金の焼却とも考えられます。米ドル印刷原盤競売のニュースと時間的にみじかいですから。仮にドル焼却が目的としてどのような効果がありますか。連邦準備制度理事会はすべて老化劣化紙幣だと言ってますが、取引に見合った紙幣を市場に供給しなくてはなりません。その紙幣は本物かと?そうです、原盤は保管されているのかとのメッセージとも考えられます。
原盤がオークションにかかっていたら。原盤の真偽は判別が難しいですね。原盤を知っているのは限られてますものね。そこが犯人の目的でしょう。と言いますと?新札の信用性、ひいてはドルの信用性ですね。新札のディザインを変えるのは原盤が本物と認めることになりますね。そうなんです、手形小切手、ネットバンキングといった流通紙幣で何処までもカヴァーできるか、できたとしてドルの信用は揺らぎますね。
ありがとうございました、次に爆破の専門家に伺います。今回の爆発はタイヤの発火、ディーゼルオイルが引火爆発と報じられていますが、タイヤの発火原因は何でしょうか。
まず常識的に長距離走行による路面との摩擦が考えられますが、タイヤの側面、地上から5ないし10cmの場所から発火していますね、摩擦熱による発火は考えられません。
発火前に爆発音はなかったとの証言ですね。爆薬でもないと言えます、私はレーザーと考えています。レーザービーム、赤外線ですか。それ以外には考えられません。
でもどうやって。それは私にはわかりません、ただ太陽光線を集中させたことは間違いないと思います。その方法は?わかりません、現場付近にレンズ効果になるようなものは発見されていないでしょう。捜査待ちですか。ですね。
この事件は前代未聞の事件です。目的、方法、など大きな疑問を我々に突きつけています。番組は今後も事件を追って参ります。
そのころ坂本はメールを受信していた。?、!勿論、トモカサの成果である。謎の歩行物体トモカサの仕業に違いないと闇の権力者たちは歯ぎしりしていることであろう。愉快犯とは相手が悔しがるほど愉快なものである。
米ドルは乱高下している。他の通貨もこれにつられる。輸出入が影響を受ける。金融市場然り。現金輸送車は路上に古釘をまかれるは、油をまかれるは、いやがらせが続く。ついに現金輸送を拒否する者まで。連邦準備制度は当分の間、老朽紙幣の回収を見合わせるか苦慮していた。
それにしても謎の飛行物体トモカサの威力は凄い。赤外線写真を分析すると三方向から現金輸送車のタイヤに焦点があてられている。逆方向には3機の飛行物体らしき塊が見える。この熱線は何だ。太陽光線と思われます。この塊が凹レンズの役割を果たすのか。焦点距離から塊の直径80m以上と推定されます。
何故レーダーに映らない。わかりません。焦点温度は。数秒でタイヤが発火する温度です。数秒?捉えようがないな。くそー、トモカサ。ともかく被害防止策を考えてくれ。
連邦準備制度は印刷原盤を示せ、ドルを米政府に貸しつけて国債を担保にとるのはおかしい、ドルの減価を公表しろ、ドル紙幣を印刷するだけで米政府=国民に請求権が発生する根拠は、などのツイット、ブログが世界中から発信される。インターネットは軍事目的で開発され平和目的で利用される数少ない例であろう。しかも統制が効かない。
ともかくドルが本物かどうかとの疑念を抱かすこと、引いては原盤が本物と思わせることが目的でしょう。それなら新札を狙ったほうが効果があるのでは?新札は警戒が厳しいから老朽紙幣を狙っているのでしょう、それでも新札は本物ですかというメッセージにはなりますからね。なるほど、面白いで見方ですけど市場は混乱しますね。既に混乱してますよ。




