VS サンタ 2
――12月23日 午後23時59分59秒
シュウト:
「あれっ、ここって?」
ジン:
「おう、またらしいな」
シュウト:
「えっと、すっかり忘れちゃってましたよね?」
ジン:
「ああ、さっぱり覚えちゃいなかったな」
シュウト:
「というか、まだ1ヶ月?ぐらいしか経ってませんよね?」
ジン:
「1ヶ月も経ってないんじゃねーか?」
血塗れのサンタ:
「ふぉっふぉっふぉっ」
シュウト:
「今回は、最初から真っ赤ですね」
ジン:
「ああ、そうな」
血塗れのサンタ:
「うむ。前回の反省を踏まえて、お主は今回は一番最後じゃ」
ジン:
「ああ、そうなん?」
血塗れのサンタ:
「あの後、99人を倒すのは大変じゃった……」
ジン:
「どーでもいい話だなぁ~、おい」
血塗れのサンタ:
「……やる気を感じられんのぉ」
ジン:
「いや、もう勝負にならないだろ?」
シュウト:
「うわぁ」
沈黙するサンタ。ここまで人の心をエグって良いものなのだろうか。
ジン:
「おっ、ナニコレ? かっちょいい武器じゃん」
ジンが自分の手に持っていた武器に気が付く。見たことのない代物だった。
血塗れのサンタ:
「ハンデにと思っての。未来兵器じゃ」
シュウト:
「未来兵器って」
ジン:
「いや、ハンデって、なに?」
血塗れのサンタ:
「じゃから、お主がワシに勝てるように……」
ジン:
「…………」
血塗れのサンタ:
「…………」
シュウト:
「あの、沈黙が怖いんで……」
もうやだ、この役割。
ジン:
「分かってんだろうけど、俺が勝つと、またユフィリアが出てきて、『見て見て~』とかってコスプレ姿を披露してくれるんだよな?」
血塗れのサンタ:
「な、なんの話じゃ?」
ジン:
「今回は、つまんねーコスプレだったりしたら、マジで容赦しないぞ?」
血塗れのサンタ:
「う、うむ。ワシはサンタじゃぞ? 夢を配るのが仕事よ。まかせておけい!」
シュウト:
(いけない、完全に趣旨が変わって来てる……)
ジン:
「じゃあ、やるか」
血塗れのサンタ:
「今回は本気じゃ、いくぞ」
今回、先制したのはサンタの側だった。背後の空間から膨大な数のエネルギー弾があらわれ、ジンに向けて銃撃のごとき速度で打ち込まれていく。圧倒的な火力で一気に勝負を決める気らしい。
ジン:
「ほいっと」ずんばらりん
血塗れのサンタ:
「ギャッ!?」
エネルギー弾もなんのその、あっさりと一刀のもとに斬り捨ててしまうジンだった。いや、どんだけ強いんですか、あーた。
ジン:
「さーて、お待ちかねのコスプレターイム!」
血塗れのサンタ:
「う、うむ。くらえい!」
シュウト:
「……ブッ!?」
ニキータ:
「えっ?…………ちょっ!?」
今回のゲストはニキータさんだった。しかもちょっとフサフサした素材で出来たサンタビキニでの登場である。自分の姿に気が付いたのか、慌てて胸元などを隠していたが、目に焼き付いてしまっていた。
ニキータ:
「なんでこんな格好? 何で見てるんですか? この変態!」
ジン:
「うーん。ムチムチプリン♪」
血塗れのサンタ:
「ほぉーっ、ほぉっほぉっほぉ。ナイスボインじゃあ!」
ジン:
「うむ、グッジョブ!」
空に消えゆくサンタにとても良い笑顔でサムズアップし、見送るジンなのだった。
シュウト:
「いや、クリスマスを阻止するんじゃなかったんですかー?!」