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ファースト・コンタクト その1

 どうして行き場をなくした人間は海に向かおうとするのか。

 二時間サスペンスドラマのラストなどいつも決まっているかのように海にたどり着く。自殺をはかろうとする犯人のもとへギリギリのところで刑事デカが到着し、涙涙なみだなみだに手錠をかけるという流れなど、いわば紋所を携えた水戸黄門のようなものである。刑事はここが世界の果てだと言わんばかりに犯人を追い詰め、いかにもその場面でなければ改心しなかったかのような展開を感じるのだが、はたして断崖絶壁を背に犯人は何を思うのだろうか。

 ――三十km、越後海岸。

 真夜中の車道に浮かぶ案内標識はそう告げている。直進という表示に従いかれこれ一時間近く原付でど田舎道を走行しているが、ようやく目的地につくようだ。

 中井一博なかいかずひろは疲れの混じるため息をついた。

 辺りには地平線でも見えそうな田んぼが広がっており、その間を切り開くように道が走っている。暗くてはっきりとしないが、電灯の連なる先に山があるようだ。距離からしてそのトンネルを抜ければそこは海岸が広がっていることだろう。

 一博をのせた原付はまっすぐに田舎道を駆け抜けて行った。


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