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自動制御

作者: 原田楓香

 今度、推しのグループのライブがある。

 嬉しいことに、チケットが当たったのだ。


 だがしかし。


 秘かに悩んでいるのは、ペンライトだ。

 今回グッズとして売れ出されたライトは、自動制御のものだ。事前にスマホにアプリをダウンロードしたり、そのスマホとペンライトをペアリングしたり、座席を入力したりと、色々設定が必要だ。

 

 ネットでやり方の説明を読んだが、だんだんめんどくさくなってきた。

 なんでこんなことをしないといけないのだ?

 私は、普通に好きな色に光ってくれるだけでいいのに。

 自動制御のライトによる演出は、きっととっても綺麗なんだと思う。

 それはそれで楽しみではある。


 だが。しかし。

 勝手に制御されることを、私は望んではいないのだ。

 ライブの間中、ただひたすら、推しのメンバーカラーを灯してたいだけなんだが。

 やっぱ……だめか。


 どの曲のときに自動制御されるのか知らないが、いずれにせよ開演までに設定作業を済ませておかねばならないのだ。ちゃんとできるのか、自分。

 めっちゃ不安。

 当日、私一人、うっかり見当違いの光を灯してしまったら、どうする?

 せっかくの演出を台無しにしてしまっては、推しにも会場の皆様にも申し訳なさ過ぎる。

 うむむ。

 ここはがんばらねばならぬ。

 なんとしても準備を進めねば。


 だが、しかし。

 問題は、ペンライトだけではないのだ。

 そもそも、私はちゃんとライブ会場に入れるのか?

 会場入口で、スマホのデジタルチケットを提示して紙で発券してもらうという任務を、無事完遂できるのか、自分。

 当日スマホを忘れないこと、十分に充電しておくこと。それを自分に言い聞かせてはいるが、同時に、当日のスマホの無事も祈らねばなるまい。

 

 ああ。

 紙のチケットだった日々が懐かしい。

 なんで、デジタルになってしまったのか。


 ダフ屋を防ぐためなのか?

 でも、それにしては、ネット上に恐ろしい値段でチケットを売りにだしている者たちが跳梁跋扈しているのはなぜ?

 たしかに、最近では、会場周辺に、昔のようなダフ屋のおっちゃんはいない。

 でも代わりに、会場周辺で複数台のスマホを駆使してチケットをさばこうとしているお姉さんたちがいる。

 おっちゃんがお姉さんに変わっただけ、なのかも?


 それにしても。

 入場するときまで、自分の席が全くわからないというこの不便さ。

 なんとかならぬものか。

 デジタルチケットのおかげで、ただ不便になっただけのような気もする。

 スマホがなければ、ライブにも行けないなんて。うう。

 

 ぼやいてもしかたないので、なんとかがんばってみよう。

 

 でもなぁ。

 やっぱ、紙のチケットの方が、私は好きだな。

 でもって、ペンライトは、自分自身で制御させて。……って思うのだけど。

  

 

 


 

 


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― 新着の感想 ―
 先日行ったライブで、そういった感じのライトがキラキラしていました。 色も点滅も向こう側が決めて、観客側は手首につけて振るだけ。 会場が一体になったかのように綺麗でしたが、私は次の機会にも使えるのか?…
ペンライトのアプリ制御。 意図を考えるに、ライブのブルーレイ販売用の映像とかも、そのライブで撮る気なんじゃないでしょうか、そのグループ。
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