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2.異世界に転移しました 

私の名前は 世良ありさ 22歳


色々あって異世界に転移しました。


異世界では、『アリサ』と名乗りましょう。神様が、パチンと指を鳴らして世界が真っ白になった時に頭で考えたことがこれだった。

呑気なものである。


転移する事を了承してから、救って欲しいと言われて動揺したけれど、なるようにしかならない!と思うようにした。

だって、これからは幸せになれるらしいし、ちょっとやそっとの事では挫けない精神力はあると思っているから。私の22年の人生を甘くみないでもらいたい。


残してきた両親の事は気になるけれど、多分大丈夫だろう。今までだって一緒に住んでいた訳でもないし、連絡を頻繁に取り合っていた訳でもない。


もう色々と考えるのはやめよう。私はこれからのスローライフを楽しく送るのよ!

目指せ!ゆっくり・のんびり・スローライフ。

先の人生で出来なかった事をして楽しむのよ!

前向きに生きていくのよー!!!!


★★★


私が目を覚ましたのは、柔らかいベッドの上だった。

今まで私が寝ていたのとは違う、寝た事もないようなふかふかのベッド。

よく寝たのか、体がスッキリして軽い。

気分は最高だった。絶好調!


「とりあえず…家の中を探検しようかな?」

と思って立ち上がった。


今いる部屋にはベッドとタンスが置いてある。

タンスの中には洋服が数着。

窓を開けると眩しい光が室内に入ってくる。


「うわ〜綺麗」


窓から見える景色は大自然だ。

湖だろうか?水がキラキラしている部分もある。

時間が出来たら散歩に行ってみよう。


探検を続ける。

住む家を把握しない事には始まらない。


窓の反対側にある扉を開けてみると、こじんまりしたキッチンとダイニングに続いていた。もちろんトイレもお風呂も完備。

生活するには十分な間取りだ。


キッチンには必要最低限の物が揃えられていた。

街まではどれぐらいの距離があるのだろう?

寝室の窓から見た景色は大自然だけで、街などは見当たらなかった。

どんな物が手に入るのか見ておかなければ、カフェのオープンも出来ない。


「散歩より街へ行くのが先よね」


もう一つ扉をあけてみると、そこはカフェが開けるスペースになっていた。


「うわぁ、可愛い…」


思わず言葉が出てしまうほどの可愛らしいお店だ。

可愛らしいと言っても、ピンクが基調でフリフリの〜と言う可愛さではない。

私の理想の小さなカフェ。木目調の落ち着いた雰囲気。


できる事ならゆっくり過ごしたかった。

お金に縛られて、あくせく働いて生活していた私は、ゆっくりする時間がとても大切だと考えている。

だからここに来るお客さまには、ゆっくり寛いでもらいたい。ゆっくり過ごせば、嫌な事は忘れられる。考えれば解決する事だって、時間がなければ良い考えに辿り着かない。

頑張りすぎて、不慮の事故で私みたいになる人が1人でも少なくなるようにしたい。


ちょっと大袈裟な考えになってしまったけど、ここにいる間はゆっくりのんびり過ごしてほしいのだ!


そんな事を考えていると急に辺りが白い光に覆われた。

眩しくてつぶっていた目をゆっくり開けてみると、そこには神様が立っていた。


「本当に神様だったんだ」と思わず口から漏れてしまった。


「ちょっとちょっと、それどう言う意味かな?聞き捨てならない言葉だなー」と噛み付いてくる。


「そう言う所ですよ。

私のイメージする神様は、なんかドーンと構えていて、とっつき難いと言うか、上から目線〜みたいな?

会った事はないから、あくまで私の想像?イメージですけどね。

あっ、でも今、私の目の前にいる神様はそれはそれで良いと思いますよ!だって話しやすいし、聞きやすい!理想の神様ですねー。」

一気に言ってしまう。


また落ち込まれたら、話が進まないのは前回でよく分かった。私は学習する子なのよ。だてにブラック企業で働いてた訳じゃないんだから!


理想の神様と言われた事に気をよくしたのか、ニコニコしながら話しかけてくる。


「困ったことはない?

一応、住みやすいかな?と思うように準備はしてみたんだけどね」


「もったいないぐらいですよ!

ありがとうございます。もう理想も理想!

ここでの生活が俄然たのしみになってきました」


「それなら良かった!

じゃあちょっと手を出してみて。握るけど良いかな?魔力検査をしたいんだ」


どちらの手を出して良いのか分からず、両方の手を神様の前に出してみると、その手を両方握られる。

手から心地よい、暖かなものもが流れてきて体中がポカポカと気持ち良い流れで何かが通り抜けていくような気がする。

神様は「すごい!!」と言って顔を上げた。


何がすごいのか分からないけど、神様に喜んでいただけたのなら良かった。

でも何がすごいのかは気になる。


「すごいよ!眠っている魔力量がすごい!

それに回復魔法だ!

これからの生活の中で鍛えていけば、どんどん使えるようになるよ。回復魔法が使える人は数少ないんだ。

僕、今回の転移者選びは大成功したみたい」


気持ちが昂っている神様には申し訳ないけれど、


「私は別に魔法とか、そんなにたくさん使いたいとか思わないので、鍛えなくても大丈夫ですかね?なんならそのままで。

確か回復魔法って、人の傷ついた身体を治したりできる魔法ですよね?それなら私のスローライフにピッタリなので、最低限の回復魔法は自由自在に使いこなせるように頑張ってみます」


と断言した。


神様が頭を抱えていたのは見なかった事にする。


こうして私のスローライフ IN異世界が始まったのだ!


※※※


神様は度々様子を見に来てくれるらしい。

あんな神様でも、この世界に知り合いのいない私にとっては心強い。


あっ、街の場所を聞き忘れたなー。

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