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19.重いです

アーノルド様って、すごくイケメンだし、キラキラしてるし、素敵なのは分かるけど、私的にはキラキラ過ぎて眩しいだけだし、訳わからない人だし、どうしたら良いんだろう?

私の魔力で回復されたから、お礼やらそんなんで気にかけて下さってるなら、出来る事なら静かな生活を保証して頂きたい。

今、目の前に座っているアーノルド様は超不機嫌な顔全開だ。

ちなみに今いるのはリビング。何故って?さっきまで自分以外の男がいたとこにはいたくないんだって。

めんどくせー。


でも冷静に考えたら、アーノルド様のさっきの言葉って私を心配しての言葉よね?

申し訳なかったな…と思ってチラッとアーノルド様を伺うと、やっぱり眉間に皺を寄せてブツブツ言ってる。


アーノルド様って、屋敷に戻られてすぐなのよね?

喉乾いてるのかな?

立ち上がって、とりあえず果実水を入れて「どうぞ」と前に置く。

「ありがとう」と言ったきり、また無言。


あーもう!私は平和主義なのよー。

それに、出来る事なら早々にお帰り願いたい。

意を決して口を開く。


「アーノルド様は私を心配して言って下さったのですよね?ありがとうございます。そしてごめんなさい。


本当にアーノルド様がお元気になられて良かったです。

陛下も騎士団の皆様も、アーノルド様のお姿をみて喜ばれたのではないですか?」


私の言葉を聞いて、目を見開いて驚いている。


「アーノルド様がなぜそんなに怒っているのか、私には分かりかねますが、先程までいた男性?は、アーノルド様も一度、いや二度?会った方ですよ。

一度目はカフェですれ違い、二度目はアーノルド様の元へ仕える時に一緒に行って下さった方です。」


「身元は確かなんだな?アリサに言い寄ったりしてないな?まさか…恋人とか?」


「身元は…確かと言うべきか分かりませんが、サジェ様もご存知ですし、言い寄られても居ませんし、まして私には恋人なんていません!」


「そうか…良かった。しかし恋人…

いや、もういい。目の前にアリサがいるだけで良い」


やっぱりこの人、よく分からないな。


「改めましてアーノルド様、全快おめでとうございます。

あの…これ…」(男性にプレゼントなんて渡すの初めてだからモジモジしてしまうよ)


私はオニキスのペンダントが入った箱を渡す。


「全快祝いと、このペンダントのお礼です。」


と言ってアパタイトのペンダントを指さす。

ビックリしながらも受け取ったアーノルド様が


「開けても良いかな?」


と聞いてくるので頷く。

目の前で箱を開ける姿に、気に入ってもらえるかとドキドキする。


「これは…」


と呟きながら箱から取り出したペンダントを首元へ付ける。色っぽい…


「ありがとう、アリサ」


「ペンダントとか…ご迷惑ではありませんでした?

男性へのプレゼントってした事がなくて分からなかったので、お店の方にアドバイスをいただいたんですが」


「いや、迷惑などではない。

オニキス、アリサの瞳の色だ」

と言って、フッと笑う。その笑みが色っぽい。


「アリサ、私がアパタイトを送ったのは、私の瞳の色だからだ。

アリサがそれを付けてくれていれば、見る人が見れば私のものだと思う。

分からない人でも、私と共にいるアリサを見れば言い寄ろうとする奴はいなくなる。

だから…お願いだから、服の中ではなく、外にペンダントを出してもらえないだろうか?

私のワガママだと言う事は分かっている。」


重い。アーノルド様の想いが重い。

しかし私にその価値はない。

どうしたら良いのだろう。

もう素直に自分の気持ちを話してスッキリしよう!


「アーノルド様のお気持ちは、その…嬉しいのですが、私にはまだお答えする事はできません。

だって、まだアーノルド様の事、そんなに知らないんですよ。

素敵な方だと思いますが、身分も違いますし、ましてや私はそんなに価値がある人間ではないと思うのです。」


「アリサに価値がないなど!まぁ自分ではそう思うのかもしれないな。しかし私にはアリサの価値は計り知れないほどにある!

それに…そうか…私の事を素敵だとは思ってくれているのだな。

まだ望みはある。覚悟しておいてくれ、アリサ」


まぁいいかな?と、ちょっと上から目線になってしまう。

こんなモテモテイケメン、ハイスペック団長様に気持ちを伝えてもらい、悪い気がしないのは、私だって女だからよ。

でもまだスローライフの方が勝っているけどね!


そこで思い出した!

「アーノルド様!!肝心なことをお伺いしてません。

あの扉はなんですか?」


「あれか。空間移動の扉だが?」


「空間移動の扉だと言う事は聞きました。

それがなぜここにあるのかをお聞きしたいのですが。

それとどこに繋がっているのですか?」


ああ〜と言う様に納得してから、衝撃的な事を聞かされる。


「サジェが、私の快気祝いに何が良いか聞いて来てな。

いらないと言ったら、アリサの元へすぐに行けるようにしようか?と提案してくれたのだ。だから即受け入れた。」


ちょっとちょっと待って〜!何勝手な事してくれてるの?

サジェのおばあさん、私がゆっくりしたい事知ってるよね?


「本来なら屋敷の私の部屋とここを繋ぎたかったのだが、みんなに反対されてな。

屋敷にアリサがいた時の部屋と繋げた。

だからアリサもすぐに屋敷に来れるから、いつでも会いに来てくれて構わないし、あの部屋はアリサがいた時のままにしてあるから好きに使ってくれて構わない。」


その話を聞いて目の前が真っ白になった。

倒れなかった私を褒めて欲しい。

サジェのおばあさん、なんて事をしてくれたの。

それに乗っかるアーノルド様に、我が家に来て扉をつけちゃうレオン様。

みんな、みんな…私をどうしたいのーーー!!

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