人類殲滅計画〜その1〜
担当:寝蛇
「お願いです。私に力を貸してください」
イアクロは、次の日突然親子にそう頼んだ。
「なに~?」
「.....いいですよ。では、どのようなことをするか教えていただけますか?」
あっさりと承認するノイン。しかし、一応どの様なことなのかは聞く。
「はい。私は.....亜人を人から救うために、人間を殺したいのです」
そんな本来であれば、速攻で断るはずの頼みに.....
「分かりました。では、まずどこから殺りますか?」
またもやあっさりと承認する。それは、命を一度救われた恩返しなのか、強者の余裕なのかはイアクロには分からなかった。
そして、実際のところは、ノインの個人的恨みであった。
「そんなあっさりとしていていいんですか?」
「あ~、もちろん娘は参加させないよ。そんな人殺しなんてさせられない」
「え~」
ついていきたいと駄々をこねるフェルだったがノインが首を縦に振ることはなかった。
また、イアクロもそのことにどうこう言うつもりなど毛頭なかった。
「分かりました。では、とりあえずこのあたりに一番近いところの集落からにしましょう」
そう言って、フェルをノインが、特別な魔法で眠らせてから近くの集落へ向かった。
「さて、もう全員殺してしまってもいいでしょうか?」
唐突な質問だったが、イアクロはできるのだったらと
「できるのならやって下さい」
そう許可を出した瞬間集落は、少し暗めの赤色に染まった。
「.....嘘、だろ」
吸血鬼の恐ろしさを再確認し、どうやって吸血鬼を殺すのだろう、そう思わずにはいられなかった。
「さて、ではフェルも待っていますし、帰りますか」
そして、イアクロはこの後知ることになるのだが、この時ノインは半径10キロメートル以内の人類を全て肉片に変えていたのだった。
「そ、そうですね」
ノインやフェルがいれば本当に夢がかなうのではないかと、死んでいった亜人たちも救われるのではないかとそう思い胸を躍らせながら帰ってくると、そこには何もなかった。文字通りに。
「.....フェル?」
そんな、小さな声を上げるノインには、黒く禍々しい大きな翼と淡く光る鋭い牙が生えていた。
「.....許さない。私から夫を奪い、そして娘まで奪おうなんて.....絶対に、絶対に許さない。殺してやる。コロシテヤル」
そして、同じく辛うじて聴きとれるほどの小さな声で、そう言ったかと思うと、いつの間にかノインは姿を消していた。
えー、間違えて違う作品に投稿してしまいました。
反省しています。今後この様なことがない様、気をつけます。