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一章 凄くタイプです

前回のあらすじ

ユリウスに負けた・・・。

「何処だここ?」


 あえて、知らない天井だ・・・とは言わない。問題が起きるから。そう、あえて言わないのだ。俺のこれからのためにも・・・。


 しかし、このベッドと枕は多分俺がいつも使ってる奴より多分桁が二つ違うな。俺がごそごそしていると横の敷居の方から、


「目が覚めたんですか?」


 とアリスの声が聞こえてきた。


「ああ、ごめん心配かけたな。もう大丈夫だ」


「そうですか。痛いところとかはありませんか?」


 治癒魔法とやらのお陰なのか体に痛みは一切ない。でも、あえて言うなら


「どっちかと言うと心の方に傷が出来たよ。」


 結局ユリウスに一撃も当てられなかった・・・。俺そこそこ強いと思ってたんだけどな。


「はあ。俺、そこそこ強いと思ってたんだけどなぁ。まさか、一撃も入れられないとは思わなかったよ。」


 そんなことを言う俺にアリスが


「当たり前じゃないですか。いくら何でもこっちの世界に来て早々に、いくらユリウスが本気ではないとはいえ、この国の最高戦力を倒されたら我が国の立つ瀬がありませんよ」




「そうだよな、こんな弱い勇者普通いないよな。ん、今なんて?」


 今聞き間違いじゃなかったらこの国の最高戦力とか手加減とか言ってなかったか?アリスは俺の目を見てもう一度


「だから、ユリウスはこの国最強の剣士ですよ?」


 平然とそう言った。


 アイツが最強なの?しかも、俺手加減されてたの?


「あっ、でも魔法の実力も合わせれば将軍が一番ですよ!ユリウスには無色魔法以外、才能がありませんから!」


「なあ、もしかすると本気のユリウスはもっと速いのか?」


「アレの何百倍も速いはずです。確か、速さだけ勇者様と同じSランクとか言ってましたよ?」


 本当かはどうか知りませんけど、とアリスが当然のように言う。


「じゃあ、なんだ?世界最速に近い男がステータスが見えなくて、機能していない俺にあいつはスキルを使ったのか?下手すりゃ死ぬんじゃないのか?」


 その俺の言葉にアリスは、頭に手をコテンと置いて、舌を少し出してテヘッと言っている。


「可愛い!可愛いけど許さん!ユリウス連れてこい!告訴だ告訴。告訴してやる!」


「コクソ?コクソが何かは分かりませんが、取り敢えず、今回だけ許してくれませんか?」


 うるうるした目で、しかも上目遣いで言ってくる。可愛い仕草で俺を誘惑しようったてそうはいかないぜ!俺は、絶対に許したりなんか、許したりなんか・・・しないこともないんだからね!


 別に可愛いから許したわけでもないし?別にちょっと上目遣いで見られたからって、動揺したりして無いし!アリスみたいな子、別にどうとも思ってないんだからね!


 俺が一人心の中でツンデレになって遊んでいると、アリスは少し笑った。


「もうすぐ、パーティーが始まりますのでスーツに着替えて置いてくださいね?」


 パーティーなんかあるのか。


「何でパーティーがあるんだ?」


「勇者様がいらっしゃったので、そのお祝いです」


 なるほど、なるほど。最初の方に高待遇をしておいて、後々・・・、いかんいかん、俺が一人でラノベやアニメの定番を思い浮かべていると、アリスが半眼で睨めつけてきた。怖い・・・。


 しばらくの沈黙のあとアリスが


「今日、九重さんの実力を見て思いました。九重さんなら常識を学べばすぐにでも旅に行けると思います。」


 と言ってきた。そうか、ならしばらくの間、能力が目覚めるまで旅をしなきゃ行けないのか。


「まあ、そんなことより早くタキシードに着替えてください!もうすぐパーティが始まりますよ」


 アリスがそう行ってきた。多分気づいてないのかな?俺はアリスが気づいていないことを言ってみた。


「出ていってくれないと着替えれないんだけどね?それとも俺の体が見たいの?」


 少し意地悪に言ってみる。


「はっ!」


 自分が自分の目の前で異性の着替えを強要するという変態っぽい事をしているのに気付いたのか顔を赤くして部屋を出ていった。








「少し、キツイな・・・」


 俺はタキシード姿でそういった。何か、俺全然似合ってない気がするのは気のせいかな?


「おう九重、見に来たぞ!」


 勢いよく大和が部屋に入ってきた。そして、俺を見るなり


「なんか、似合ってんな!」


「そうか?それだといいんだけど、大勢の中にいなきゃいけないパーティーってのは憂鬱だな」


「そうなのか?」


 楽しいと思うけどな?と大和がいう。そうでもないだろう。行動は制限されるわ、俺は何故か女子にめちゃくちゃ睨まれるわで俺としては極力グループ活動は避けたいんだけど、こっちに来てもやらなきゃ行けないってことはやっぱりコミュニケーション能力って大事なんだなーと思う。


「良し、じゃあ行こうぜ!」


「ああ・・・」


 俺は仕方なしに大和の後ろについていった。











「どうだ、女子みんな可愛いだろ?」


「確かにそうだな」


 クラスメイトの女子達はみんな美しく着飾られている。青の基調にしたドレスや白のドレスなど着ているものはさまざまだ。しかし、みんな似合っている。


 男子も俺も合わせて格好のお陰なのか様にはなっている。・・・と思う。しかし、周りを見てみたが御剣がいないな。何処に行ったんだろう?


「なあ大和。御剣は何処に行ったんだ?」


「えーとな、アレなんだよアレ。そう!何か体調悪いから部屋で休んでるってさ」


 やけに慌てる大和に違和感を覚えつつもその話を流す。やっぱり御剣みたいなか弱い奴は刺激的すぎたのかもな。逆によく頑張ったとも思う。異世界転移にいきなり特訓、終いにはパーティーだもんな。流石に休みたくもなるだろう。


「あ、アリスだ」

 

 アリスがこちらを見るなり近付いてくる。


「九重さん!似合ってます!」


「そうか?それなら良かった。」


 似合ってなくて馬鹿にされたら意外とショックを受けるかもしれない。先ほどユリウスに心の傷を作られたのに、また心の傷が増えたら俺の心は多分砕け散りそうだ。


「所で御剣さんは?」


「なんか疲れたから休んでるらしいぞ?」


 その俺の言葉にアリスは小声で何かを言っている。


「あの真面目な御剣さんがサボり?いや、有り得ません。なら、まさか!」


 アリスは何かを言った後扉が開いた。扉を見ると、白のドレスに少し茶色の髪の美しい少女がたっていた。


「「「おお!」」」


 思わずほとんどの人が感嘆の声を上げた。しかし、大和とアリスは、


「マジかよ・・・」


「やられました・・・」


 などと言っている。アリスに至っては何の話だ?と言いたくなる。しかし、本当に可愛いな。もう少し胸があれば好みのタイプまっしぐらなのにな。まあ、大事なのは胸だけじゃないけどな。


 その後、彼女がこちらに視線を送ってきたので何となくガン見していたら顔を赤くして俯いた。



 か、可愛い・・・なんだあれ。もしかしたら天使なのか?もしかしなくても天使なのか!?


 そして、天使みたいな女の子が向こうに行こうとした、その時だった。その向こうに行こうとした少女の両サイドに女子が群がった。なぜかクラスメイトが彼女を捕まえている。


「さあ、雫ちゃん。向こうに行こうか!」


「ちょっと茜、離してっ!この格好で向こうに行ったら私何するかわかんない!ちょっと本当にやめて!お願いだから!」


「まあまあ、向こうも見惚れてるみたいだし大丈夫大丈夫」


「大丈夫じゃないよ!バレたらどうするの!」


「どうもしないわよ。その時は部屋に連れ込んで押し倒せ!」


 そこの話の中に学年で容姿で一、二を争う女子の内の一人の日野 双葉が、入っていった。


「あ、その時は部屋に呼んでね?私も混ざるから」


 その言葉に顔を赤くする少女。


「まず、押し倒しもしないし、呼びもしないよ!」


「まあ、そんなことはともかく行きましょうか?」


 その言葉に少女は驚き、


「ほんとに待って!」


「駄目」


 なんの話をしてたんだろう?押し倒すだのなんだのと、まあ、俺には関係ないだろう。そして、何故か少女が涙目でこちらに連れてこられた。


「うう〜」


 そして少女は後ろの茜とやらに背中を叩かれた。


「ほら早く」


 その言葉に少女は俺の方に近づいてきて・・・、


「きゃん!」


 すっ転んだ。それはもう派手に転んだ。何も無いのになんで転んだんだ!?これは、恐らくドジっ子属性まであるのか!?俺の中で少女の評価が上がっていく。


「あ、あの。大丈夫か?」


 俺はそう言って手を差し伸べた。少女は俺の手を掴み立ち上がった。


「あっ、ありがと」


 涙目で素直にお礼を言う少女は大変可愛かった。それに俺が見惚れていたからだろう。後ろのやつに気づかなかったは・・・。


「あ、ごっめーん雫。ぶつかっちゃった〜」


「あ、ごっめーん九重。ぶつかっちまった〜」


 俺は後ろから大和に押され、少女は前から茜に押された。


「うお!」


「きゃっ!」


 その結果・・・


「痛たたた。何するんだ、大和」


 そう言って目を開けた時彼女の顔が真下にあった。少し顔を落とせば唇が重なり合う距離だ。うん、今俺は彼女の上に跨ってる状態だ。やばい、これはやばい。絵面的にも下半身的にも!なんかいい香りするし可愛いし。早くどこうとするものの何故か体が動かない。俺の体が離れるのを拒否してるのだ。もう少しだけ彼女の顔を見ていたかったのかもしれない。


「うーん」


 少女が目を開けた。少女の動きが止まった。そして後に、


「キャーーー!」


 問答無用で押し飛ばされ、吹っ飛びそして、テーブルの角に頭をぶつけた。


「もう、無理ーーー!!!」


 そんなことを言って彼女は部屋を飛び出して行った。


 大和たちは、


「一件落着ね!」


「だな!」


 何も解決して無いんだけど・・・。しかも、やばい。意識が飛ばされそうになってる。アリス、助けて・・・。そんなことを思いアリスを見ると、


「やられましたね・・・。もう少し、注意を払っておくべきでしたかね・・・?」


 なんかゴニョゴニョ言ってる。


 あ、これ無理だ。


 そんなを思いを最後に俺の意識はまたもや闇の中に落ちていった。


少しでも面白いと思ったら高評価とブックマーク下さい。作者の励みになります!次回は今週の日曜日に投稿しようかな?と思っています!



※誤字脱字あったら教えて下さい!

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