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一章 睨まれるのって怖いよね!

前回のあらすじ

みんなにステータスが読めなかった事を教えたら、驚かれた。

「そんな事って普通あるの?」


「いや、普通はないと思うぞ。」


 だって、アリスめちゃくちゃ驚いてたしな。普通はこんな事が起きることはないのだろう。


「まあ、身体は普通に動くしある程度役には立つと思うぞ。一応、武術も習ってたし」


「そうなんだ!じゃあ頼りにしてるね!」


 御剣はにこやかに笑いかけてきた。可愛い!男だと分かっていても破壊力が半端ない。


 俺が悶えていると、なんか女子にめちゃくちゃ睨まれた。私たちのアイドルに手を出すなってことか?何はともあれめちゃくちゃ怖い。俺が女子に睨まれ硬直していると、


「勇者様方!訓練を行いますので、訓練場まで付いてきてください。」


 兵士が部屋に入ってきた。


 その、言葉に従い俺達は兵士について行った。その間ずっと御剣が横から離れなかった。何でだろ?






 訓練場で俺達はまず自分に合った訓練道具を選んだ。俺は、もちろん道場でも使っていた、普通の長さの木刀だ。多分実践でも日本刀っぽい武器を使うことになるだろう。


「九重くんは木刀?」


 御剣が聞いてきた。


「ああ、これが一番しっくり来るからな。そういうお前は両刃剣か」


「うん、僕もこれが一番しっくり来てね。なんか心を惹かれたんだ」


 そういう感性で武器を選ぶこと自体はいいと思う。しかも、御剣の身長だと、その剣位が大きさ的にも丁度いいと思うし。


「いいんじゃないか?なんか似合ってるぞ」


 俺の言葉に御剣は顔を赤くして、


「あ、ありがと」


 何で顔を赤くする!やめろ!俺をそっちの道につれていこうとするな!うっかり惚れてしまいそうになるから本当にやめて欲しい。


「ではこれから訓練を始めます。まず最初に皆さんで戦って見てください!」


 前に出てきた兵士がいう。まず、実力を見る感じか。


「あの「九重一緒にやろうぜ!」」


 御剣の言葉が一人の男子生徒によってかき消された。


「あ、俺の名前は高円寺 大和。宜しくな!」


 高円寺は笑いながら握手を求めてきた。


「ああ、宜しくな。高円寺」


「長いだろ?大和でいいぜ?」


「そうか。ならよろしくな大和」


 俺はそう言って、大和と握手をする。


 ・・・なんか滅茶苦茶御剣が大和のこと睨んでる!?しかも、何か小声で言ってるし!よく聞こえないけど!


「ぐぬぬ、僕の九重くんを・・・」


 大和が体を震わせた。


「やばい!俺誰かに狙われてるかも知んない!どうしよう、九重!」


「背後に気を付けてれば平気だと思うぞ」


 だって、お前の後ろに木剣を振りかぶる御剣が・・・!


「ふん!」


 御剣が木剣を振り下ろす。しかし、


「あぶね!」


 大和はなんとかその攻撃を回避した。


「なんで避けるんのさ!」


「避けるだろ!普通!」


 なんか、俺そっちのけで実践が始まったので俺は違う人と戦うため移動を始める。なんか、後ろ盛り上がってんな。話してる内容は聞こえないけど何か言い合いをしてる。


「僕の九重君を取るなよ!」


「お前のじゃねーし!まず、多分あいつお前のこと女だって認識してないぞ!」


「何で!?」


「多分大まかな理由を説明すると、ズボンだし、胸ないから!」


「胸は関係ないでしょーーー!!!」


 なんか、盛り上がってんな。あ、御剣が泣きながら大和に襲いかかった。多分しばらく決着つかないな。あ、ふと思い出したけど俺らの学年に一人性別隠してる奴がいるとか言ってたな・・・。


 何か、好きな人に面と向かって喋れないから、男装して来てるってやつ。あれ?でも、なんか、ある日から全く聞かなくなったよな?まあ、俺基本学校で寝てるから詳しく知らないけど。


 ・・・何でいきなりそんなこと思い出したんだろ?


「やぁ、君が父さ·····将軍の言ってた九重君かな?」


 誰だ?


 俺が首を傾げると、


「君が王女様にいじめている時大笑いしてた人。」


 あの赤い髪の鎧来た男の人か!


「僕は紅蓮の騎士団の団長のユリウスだよ。よろしくね。」


 そう言って赤髪の優男は手を差し出してきた。これは、御剣と違うタイプのイケメンだな。御剣が可愛いタイプならこいつは格好いいタイプのイケメンだ。


「戦う相手がいないなら、僕と手合わせして見るかい?」


「俺なんかと戦っていいのか?」


 俺みたいな、弱そうなやつと戦っていいのだろうか?それなら、御剣みたいな強いヤツ戦った方がいいんじゃないか?あ、今大和と殺し合いしてたわ!


「将軍が君が一番見どころがあるって言ってたからね」


 なんか、思いもよらない高評価なんだが・・・


「なら、お願いするよ」


 この世界の標準を知るいい機会だ。精一杯頑張ろう。お互いが距離を取り合い、


「じゃあ、始めるよ。怪我しても治療術師がいるから思いっきりかかって来て!」


「じゃあ、お言葉に甘えてっと」


 まずは、小手調べとしてゆっくりなリズムで切り込んでいく。しかし、ユリウスは難なくこれをガードしていく。やっぱりこれくらいじゃ、団長は倒せないか。攻撃の手を休め一旦息を整え集中を高める。


「じゃあ、次はこっちの番だ!」


 そう言うとユリウスは剣を構え走り出してくる。鎧を着ているにも関わらず早い足取りで間合いを詰めてくる。そして、ユリウスの連撃に対して、俺も難なくガードする。でもこれは、油断してたらやられるな・・・。


「ほらもっと速くするよ!」


 さらに剣が加速する。一旦間合いを外す。瞬間ユリウスの攻撃が当たらなくなる。


「へぇ?本当に凄いね。僕達にも出来ない極度の間合い管理が出来てるや。」


「鬼?いや、悪魔?みたいな師匠に教えられたもんでな!」


 鬼と悪魔はあんまり変わらないと思うけど、とにかく俺の師匠は人の血が流れてるのかと思うほど恐ろしかった。まあ、大体相手の間合いも理解した。俺はユリウスを倒すため歩き出す。


「じゃあ、次は俺の番だ」


 俺は、一歩踏み出す。ユリウスが剣を振るう。しかし、当たらない。そう、ここは俺の間合いだ。俺と同じ太刀筋でしかも、俺と同じ長さの剣の使い手じゃないとまず、間合いはかぶらない。


 俺はユリウスの頭目掛けて剣を振るう。


「くっ!」


 ユリウスはギリギリの所で剣を弾いた。なかなかやるな。しかし、これで終わりだ!俺はユリウスに対し渾身の横薙ぎを食らわせた。はず、だったんだけど・・・


「いない!?」


 俺が驚愕の声を上げると、


「スキルが使えない君相手に使うのは気が引けたんだけど、そんなに強いなら、そんな気遣い必要無かったね。じゃあ、今から手加減なしの一撃だよ!」


 ユリウスの剣が白く輝く。アカン。あれは死ぬやつや!間違いなく死ぬやつだ!俺の師匠がマジギレした時に、俺の頭の中で鳴る警報がガンガンなってる!


 頼むから手加減して!俺はスキルが使えないんだよ!


「いくよ!」


 やるしかない・・・!俺は覚悟を決め攻撃を全身全霊で防御するべく構えを取った。やり合わないのかって?あれは、どうやったってアイツに攻撃当てる前に俺がお陀仏だ。だからこそ、必ず防御する!嫌しないと死ぬ!


「じゃあ【七虹剣撃】!」


 ユリウスが加速する。見えないっ!速い、速すぎる!しかし、多分狙いは、


「腹だァァァァ!」


 俺は剣で腹部をガードする。瞬間ユリウスが目の前に来て、予想通り腹に攻撃をしてきた!やった!


 しかし、喜んだ瞬間、ベキボキバキベキ。ユリウスの剣が俺の剣を叩き折った。ついでに俺の肋骨も叩きおった。俺は弾き飛ばされ地面を転がる。


「ぐおおおおおお!」


「あ、ごめん!」


 俺が痛みに意識を刈り取られそうになる中、ユリウスが謝罪をして歩み寄ってくる。お前、手加減するなら最後までしろよ・・・!治せるとはいえ中々えげつない威力の一撃を放ちやがって!


「九重君!」


「九重さん!」


 御剣とアリスが寄ってくる。あ、御剣勝ったのか?そう思い大和を見ると、


「痛ぇぇ!」


 頭を抑えて蹲っている。あ、大和負けたのか?情けないなあ。


 俺は駆け寄ってくるアリスと御剣を見て思った。


 あ、アリス。チャンスだぞ!御剣とお近づきになるチャンスだ!後、俺はしばらくダウンするから。頑張ってくれ。そんなことを思いながら俺の意識は闇の中に落ちていった。







少しでも面白いと思ったら高評価とブックマーク下さい。作者の励みになります!

主人公が、死ぬのはもう少し先ですかね・・・


※誤字脱字あったら教えて下さい。

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