二章 イケメンが解析すると、何か様になるよな·····
前回のあらすじ
シェラ勝利!
死体蹴りはダメ。うん、ホントにダメ。
「じゃあ、行ってきます」
「頑張って来いよ!」
「もちろんだよ」
ギルムがカルマとそんなやり取りをした後、コートに向かう。
原因こちら側のベンチにはカルマとレックス、俺と白夜が座っている。
·····シェラは何処に行ったかって?
あの子は審判に連れていかれました。僕は何も関与してません。僕は何も悪くない。
·····決して似合いそうだからとかいうちょっとしたイタズラ心を理由に鞭とかプレゼントしたりとかはしていません。ええ、してませんとも!
『若干ハプニングもありましたが、次の試合に行ってみましょー!』
会場に元気な声が流れる。
『三試合目はギルム・カイリン対グズタ・ゴンゾウ選手です!』
「おいおい、俺の相手はイケメン君かよ····。勘弁してくれ·····」
眉間を手で押し、ため息をつく相手。·····何か中二病っぽいな。
『では、位置について。·····試合開始!!!』
「その顔をボコボコにして、イケメン面壊してやるぜ!」
「それは、怖いな·····」
合図と共に一気に距離を詰める相手選手。しかし、ギルムは俺との約束を守り距離を詰められまいと、きちんと後退している。
····正直に言うと、ギルムの相手が一番厄介だと思う。情報によると、スキルの効果で一部の魔法を反射させることが出来るらしい。
しかも、もう一つのスキルも中々強いのだ。
確か、触れた生物以外の物質を爆発させる、だったか?
現在、相手は腰の巾着から少し小さい石を取り出しそれをギルムに向かって投げ、しきりにそれを爆発させている。
「ふむ、厄介だな·····」
「余裕こいてると、その格好良い顔が崩れちゃうぞ?」
そう言って大量の石を取り出し一気にギルムに投げつけた!
「くっ!火炎玉」
これを受けると、再起不能になるのは間違い無いので、魔法で撃墜するギルム。
そして、全てを破壊し終わると、すかさず相手に向かって魔法の余弾を放つ。中々大きい炎の玉は当たれば大怪我間違い無しだ。
当たればね。
「そんな魔法じゃ、弾かれるよ~?」
突如、彼の周りに透明な板が現れ、炎の玉を弾き返す。戻ってくる炎の玉を避け、一旦大きく距離を取り一呼吸吐く。
「このままじゃ、魔力切れで負けるな·····」
「ははは!君って他の子達と違って弱いねぇ!」
煽って来る相手を無視し、ギルムは目を閉じる。そして、何かと話し始めた。
ギルムの周りにいるのは、精霊、かな?
「よし。じゃあ、魔力が切れる前に終わらせる」
「はっ!たかが、小さな妖精が味方しただけじゃないか。そんなので俺の魔力結界を超えれると思わないことだね!」
またもや、相手は投擲をして来る。しかし、ギルムはそれを無造作に全て手で受け止める。
「馬鹿め!血迷ったか!」
そう笑い、石を爆発させようとした。したのだが、石は一向に爆発しない。
「なっ!どうして!?」
「精霊さんに抑えてもらってるんだよ。魔術紛いのこんな物を抑えるのは容易いってさ」
そして、ヅカヅカと歩き相手との距離を詰めるギルム。
「へっ!お前が爆発を抑えられた所で攻め手が無いのは変わらないだろ!」
「確かにその通りだね。でも、よくよく考えると攻め手が無いことも無いんだよ?土拘束」
「くっ」
相手選手の下半身が土に包まれる。
「やっぱり、ダメージを与える魔法以外は通るんだね」
「·····それがどうした!それでも、お前に攻撃手段が無いのは相変わらずだろ!」
負け惜しみのようにそう叫ぶのと同時に、相手の足元に先ほど掴んだ石を投げつける。
「····?」
「あのさ、抑えることも出来るんだったら、逆に発動させることも出来るって思わない?」
ニコニコと笑顔で相手に話しかける。しかし、その目は「さっきは良くも煽って気やがったな、ボケェ!」的な感じで見てくる。
「つまり、君のスキルである、この石は防げない。だってこれは、魔法じゃないからね」
魔法とは魔力を使ったものであり、魔力を一切使わない物は魔法とは言わない。つまり、相手選手の石は魔力を使っていないってことになる。
「ああ、何でそんな事が分かるんだ!って顔してるね。理由は簡単。僕には【魔力眼】があるからね。見れば大体の魔法は理解できる」
「まあ、説明は以上かな。じゃあ、そろそろ帰りたいから。精霊さん、お願い」
直後、空中で何かが動いた。
そして、ドゴーーン!!!
相手は爆発に巻き込まれ、吹き飛んだ。
『何と、今回も勇者様敗れたー!ということで、勝者はギルム選手です!』
会場内にアナウンスが響く。
『では、これから昼休憩をとります!選手達も自由にしてください!』
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