二章 格ゲーで言う死体蹴りと同じ様な行為
前回のあらすじ
カルマがバーサーカーになりました。
『では、次の試合に行ってみましょう!』
「じゃあ、行ってきます·····」
シェラが気だるそうに立ち上がる。
「行ってらっしゃい。頑張ってね!」
「ん···。勝ったらご褒美」
「え。そんな約束したっけ?」
した覚えが無いんだけど·····。ガチで無いんだけど。いや、マジで。
「シェラ?そんな約束···」
「した」
「だから、して···」
「した」
「しました!覚えてます!」
段々目が血走って来ているので、ここは大人しく従って置いた方が良いだろう。歯向かっても、痛い目を見る未来しか見えない。それに、ご褒美用意しといた方がやる気も出るだろう。
「じゃあ頑張ってね」
「ん。勝って来る」
そう言ってシェラはトコトコとコートに向かって歩いていった。
『では、お互い位置について下さい!』
お互いが位置について、一礼をする。
「へへ。さっきみたいにまぐれは続かないぜ?お嬢ちゃんはたっぷりと嬲ってやるからな····」
「雑魚の言葉に興味はないわ」
「あ?テメェさっきと口調が変わってねぇか····?」
あ、シェラがお嬢様モードに入った。
『では、二試合目シモカワ・ヨウ選手とシェラ・へアム選手の試合を始めます!』
会場内が静まり返る。
『では、始め!!!』
合図とともに、相手の選手が走り出した。
「先手必勝だぜ!”闇沼”!」
シェラの足下に黒いモヤが現れ、シェラの足が沈む。どうやら、相手はオリジナル魔法を使うみたいだ。あんな魔法は見たことが無いからな。
「はっ。そんなもの如きで私の足を止めれると思ってるのかしら」
「へっ!強がりはしない方がいいぜ?何せ今からお前は後で俺たちに嬲りものにされるんだからよ!闇槍!」
足が動かないシェラに漆黒の槍が近付いていく。
「邪魔よ」
シェラは腰の鞭を取ると、槍に向かって一振した。そして、槍は鞭に弾かれ、砕け散る。まさか、魔法が物理的に壊されると思ってい無かったのか、相手選手は呆然としている。
呆然としている相手に向かってシェラは煽るようにこう言った。
「まさか期待させて置いて、この程度かしら?」
「なっ、舐めるなぁ!!!」
あっさりと挑発に乗った、相手選手。
「この数は流石に捌ききれないだろ!闇槍」
そう唱えると相手選手の頭上に数十本の漆黒の槍が現れた。
「くくく!出来ればあんまり外傷は残したく無かったんだがな!俺を舐めたお前が悪い!さあ、死ね!!!」
シェラに向かって数十本の槍が襲いかかる!
·····相手選手やっちゃったな。これはシェラの魔法に対して、完全に悪手だ。
「はぁ。期待した私が馬鹿だったわ。もう、飽きたから終わらせてあげる。【糸魔法】”操糸”」
そう唱えると、突如漆黒の槍が動きを止める。
「なっ!!!」
相手は愕然としている。当然だろう。突如として自分の放った魔法が動きを止め、そして、自分の方に向きを変えたのだから。
「じゃあ、死になさい!」
「ちょっ、まっ!」
ズドドドドドッ!相手選手の方に漆黒の槍が返った。
····殺して無いよね?
砂煙が収まり、相手の姿が見える。
「「「うわぁ····」」」
何で皆がこんな声を出してるかって?そりゃあ、こんな声も出るよ····。だって!相手選手、泡吹きながら失禁してるんだもん。
「汚い豚ね。死になさい!」
更にそんな相手に容赦無く鞭を打つシェラ。
死んでないけど、死体蹴りみたいなことをしてる。
「やり過ぎだよな。あれも俺のせいか·····?」
「違うと思うぜ?アイツはいつもあんな感じだし、勝ったら降参してても相手に向かって容赦無く鞭を打つんだぜ?」
「「ひっ、ひどい····」」
俺と白夜が同じ感想を口に出す。
『し、試合終了!勝者シェラ選手!ちょっと止めて!その子止めて!』
そのシェラの死体鞭打ちは試合の監督が止めに入るまでずっと続いた。
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