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一章 これが魔法か!

前回のあらすじ

ステータスが読めません。


「俺もしかして殺される?」


 俺の突発な言葉に、


「殺しませんよ!こっちが呼び出しておいてステータスが読めないからって殺すって酷すぎるじゃないですか!」


 王女が怒りながら講義してくる。


「そうなのか?俺たちが元々いた世界の物語では、役に立たない弱い勇者は初めに王族に殺されかけるのが普通なんだけど」


「偏見ですよ!王族はそんな酷いことしませんよ!」


「国民に重税を掛けたりは?」


「しませんよ!どんな目で私を見てるんですか!」


 なるほど。この世界の王族はそんなに悪いやつじゃないらしい。もしかしたらこの国だけなのかもしれないけど。


「まぁ、そんなことはどうでもいいんだけど俺はこれからどうしたらいいんだ?」


「人を散々悪徳王族呼ばわりしておいて、そんなことはどうでもいいって言いますか普通!?」


 普通こんな口の聞き方したら家臣に突っかかられたりするんだけ後ろにいる家臣達は、


「くくっ」

「フフッ」

「アッハハ!」


 笑ってやがる・・・!自分たちの主がおちょくられてるのに、下を向いて笑いを堪えているやつもいれば、大笑いしている男の人と女の人もいる。


「ちょっと、皆なんで笑うんですか!」


 王女は、恥ずかしかさからか顔を真っ赤にしている。可愛い。一言だけ言っておこう。ロリコンでは無い!


 俺が微笑みながら王女を見ているとその視線に気付き、コホンと一回咳払いをし、続きを話し始めた。


「貴方には、しばらく王城にて修行した後各国に旅に行って貰います」


「そして、能力に目覚めたら戻って来いってことか?」


「そういう事です」


 そう言ってウィンクしてきた。あざとい!そして可愛い!いかん、いかん。この子は御剣が好きなんだ。俺はそれを応援しないと!


 頑張れ少女よ!ライバルは多いぞ!


「どうしたんですか?」


 俺が暖かい眼差しを王女に送っていると頭にハテナマークを浮かべながら聞いてきた。


「何でもない。あれ、でも俺何でしばらく王都に滞在すんの?今から出発したらダメなの?」


 そんな俺の疑問に、


「なんの戦闘経験も無いままでは、いくらスキルが強くても、そこらにいる普通のチンピラにも勝てませんよ?それとも武術経験があるんですか?」


「あるにはあるよ。」


 一応、武術を習っていたし、師匠も中々厳しかったし、元の世界では同い歳で負けるヤツはまずいないとも思う。だからこの世界でも剣術はそこそこ通用するとも思う。


「魔法の経験は?」


「ないです・・・」


 ある訳がない。あるとか言ったら、俺はこの歳で魔法を使えると思っている厨二病になってしまう。


「なら戦闘訓練は絶対です」


「はい」


 そんな俺を論破した、王女は


「後は私の話し相手になってください」


 上目遣いで言ってきた。なるほど、そう来たか。どうやら、俺から御剣の情報を引き出したいらしい。


 しょうがない、可愛い女の子の為だし頑張るか。いや、別に御剣が羨ましいなんて思ってないし。


 再度言っておこう。ロリコンでは無い!


「それぐらいならいいけど、」


 御剣を落とすのは難しいぞ。という前に


「やった!じゃあこれからいっぱいお話しましょうね!」


 王女の言葉に遮られた。玉座から立ち上がり喜んでいる。可愛いなぁ。俺は決してロリコンではないがこんな可愛い少女が喜んでいるとつい頬が緩んでしまう。


「しばらくはみんなと一緒に戦闘訓練を受けてください!それじゃあ!」


 そう言って、この部屋を出ていった。その後、家臣の一人が


「どうぞ王女様と仲良くしてやって下さい。王女様は両親が他界して以来政治に携わりまして、あの年で国のため民のために色々と尽力されている方でして、貴族の子供もみんな畏まってしまい歳が近い友達というものがおりません。なので、自分に敬語を使わずに喋りかけてくれる存在が嬉しいのでしょうなぁ」


 あの年でしっかり者なんだからほかの貴族の子供からしても憧れみたいなものもあるのだろう。しかし、その反面で誰も彼女には畏れ多くて近寄れない。そして、その子に対して畏まらない俺。


 俺、超図太い。・・・反省しよう。


「あ、別に今のままで大丈夫だと思いますよ。その態度の方が王女様も嬉しいと思いますしな」


 まあ、それならこのままでもいいのか?


「そうか、そう言って貰えると気が楽だ。所でアンタは?」


 そこで眼鏡をかけたおじいさんは、


「宰相のフォルトと申します。どうぞこれからよろしくお願いします」


「ああ、よろしく」


 そう言って俺はフォルトと握手を交わした。何故かほかの家臣から拍手が起きた。そして拍手の後フォルトから


「では、皆さんが集まっているお部屋にご案内しますので、どうぞこちらに」


 そして、俺は言われるがままフォルトについて行った。






 

 俺はフォルトに案内され大きな黒い扉の前に来ていた。


「ここです。では、使いのものが来るまでしばらくお待ち下さい」


 そう言って、どこかに行ってしまった。どうしよう。扉開けるの躊躇うんだけど。友達いない奴がこの扉開けると、注目されるよな。・・・開けたくないなー。


「ええい、どうとでもなれい!」


 そう言って扉を開けると、


「くっ、右目が疼く!」

「私の闇の炎に焼かれたいようね!」

「これが、俺の力、か・・・」


「失礼しました」


「「「ちょっまっ!!!」」」


 流れるように、扉を閉めた。御剣も女の子も普通の男子もまとめて厨二病へと化していた。なんの地獄だよ!俺はこんな残念イケメン見たくなかった。アリス、頑張れよ・・・


 そして俺は廊下の窓から外の景色を見始めた。空が綺麗だなぁ。あ、あれドラゴンかな?現実逃避をしていると扉が開き、顔が心なしか少し赤い御剣が出てきた。


「あ、あの九重くん。今のを忘れることは・・・?」


「いや、流石に出来ないだろ」


 当然だろ。流石に超超心の広い俺でも今のを忘れるのは無理だ。中々嫌な映像だったしな。まあ、一部は御褒美とも言えなくもないけど·····。


「ま、まあ、とりあえず部屋に入ってくれるかな。色んな事の説明もしたいし。」


 御剣が俺に部屋に入るように促す。


「ああ、分かった」


 流石にここで断ると御剣の心が砕けるので大人しく入ることにしよう。


「見られた。しかも、よりにもよって九重君に・・・」


 何を言ってるのかは聞こえないが何やらソファーでうずくまっている女子。


「ああ!もう死にたい!恥ずかしい!ああああああああ!」


 壁に頭をぶつけている男子。その、現実逃避の方法は人様々だ。


「じゃあ、まずこの世界についての説明からするね。」


 そして、俺は御剣からある程度の説明を受けた。


 本来この世界には二人の魔王がいて、一人の魔王が人族に味方することで戦争は起きなかったと。しかし、ある日人族に味方していた魔王がもう一人の魔王に封印された。


 そして、邪魔者がいなくなったので魔王軍が攻めて来てるという訳か。


 大まかな説明を終えた、御剣が


「後、さっきの事なんだけどあれは魔法の詠唱の時に恥ずかしいくない様に」


「練習してた訳か」


 顔を赤くする御剣なんか背がちっちゃくて、可愛い顔立ちのいたいけな美少年を虐めると罪悪感が凄いな。そろそろ、やめとこう。


「ちなみに九重くんののスキルはなんだったの?」


 思い出したくなかったことを掘り出された。


「見えなかった」


 そう答えた俺の言葉に皆が


「「「えっ?」」」


「どういうことかな?九重くん。」


 動揺しながら聞いてくる御剣に


「なんか黒い四角のせいで見えなかったんだよ」


 俺の説明に、


「「「えっーーーー!!!」」」


 何故か暮らす全員が驚いた。


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※誤字脱字あったら教えて下さい。

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