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二章 プライドを叩き壊してやろう

前回のあらすじ

生徒達との模擬戦開始!


氷結玉(アイスボール)!」


「甘い!土拘束(アースバインド)!」


 俺は現在、魔術学院の生徒との模擬戦をしている。これで試合は四試合だ。本当は人数的に四試合で終わるはずだったんだけど、レックスが一対一を所望したので今から五試合目だ。


「じゃあ、始めんぞ?」


「うん。いつでも来ていいよ?」


 そんな俺の言葉にレックスは、


「舐めてっと痛い目見んぞ!!!」


 そう言って何と無詠唱で魔法を発動した。


氷結玉(アイスボール)


土障壁(アースウォール)


「はっ!乱魔(ウィスタブ・マジック)!」


「っ!!?」


 レックスが魔法を唱えた瞬間、氷結弾(アイスボール)を防御するために作った土の壁が一瞬にして崩れたのだ。いきなり崩れたので俺は、慌てて回避する。


 何の魔法だ?魔法を解除する魔法何て聞いたことが無い。なら、十中八九【固有魔法】だろう。【固有魔法】とは、俺の【幻影魔法】や【時空魔法】と同じ類いのもので、そのスキルを生まれつき持っていないもの以外は発動出来ない、というものだ。


「まあ、あれぐらい避けてもらわないと話になんねぇよな」


竜巻(トルネード)!」


乱魔(ウィスタブ・マジック)!」


 あえなく消える竜巻。


「他の教師よりは良くやったよ。でも、お前如きじゃ俺には勝てねぇ!」


 そんなことを言って来るレックス。


「そろそろ、終わりだ!|氷結槍(アイスランス)!」


 俺に向かって放たれる氷の槍。俺は咄嗟に、


「くっ!土障壁(アースウォール)!」


「だから~、無駄だって言ってんだろ!乱魔(ウィスタブ・マジック)!」


 俺の作った土の壁は呆気なく崩され俺の腹に氷の槍が刺さった。女生徒の悲鳴が上がる。俺の頭に刺さった氷の槍を見てレックスは、


「はあー。結局お前もダメじゃねぇか。つまんな・・・」


「ちょっと、勝利を確信するのは早いよ?」


 レックスが最後まで言い終える前に俺はレックスの背後に音も無く立ち話しかけた。


「っ!?氷結弾(アイスボール)!」


 動揺しながら俺に魔法を放ってくるレックス。この近距離で避けれるはずも無く、魔法は俺に直撃した。


「へっ!話し掛けずに声を掛けてりゃ勝てたかもしれねぇのに、馬鹿なやつだな!」


「そうでも無いよ?」


 魔法で打ち抜かれた吹き飛んだ筈の俺は、またもや音も無くレックスの背後に立った。レックスは慌てて跳躍して俺との距離をとる。


「何でだ!?確かに直撃しただろ!?」


「確かに直撃してたね。でも、それが本当に俺だとは限らないだろ?」


「どういう事だ!」


 では、此処で種明かしをしよう。


 まず、レックスが倒したと思ったものは【幻影魔法】で作った俺の幻影だ。そして、俺に魔法が直撃した瞬間【時空魔法】で時間停止をし、【幻影魔法】で偽物の俺を作り、レックスの背後に回る。そして、再び時間を進め、また幻影魔法で俺の幻影を作る。こんな簡単な作業だ。


 後ろから襲わなかった理由?それは、レックスに無力感を与えるためだ。フルアさんの話だと、最近、自分の才能に胡座をかき、常に相手を下に見るようになった、と言っていた。それを倒すのは簡単だ。


 しかし、それでも彼は過信を止めないだろう。


 俺より弱いやつは沢山いる。


 たまたまあいつが強かっただけだ。


 プライドの高い彼はそんなことを思い始めるだろう。しかし、そのプライドを一度壊す。そして、修復する。見た感じ彼は才能のせいからなのかは、周りに距離を置かれている。それでは周りから何も得られない。


 一度プライドを壊す。それによって周りとの距離も埋めさせる。そして、周りの生徒と競わせる。一度大きな敗北を知れば、慢心何てしなくなるだろう。俺がそうだったように・・・。


「くそがっ!氷結弾!氷結弾!氷結弾!」


 その全てを直撃しても、次の瞬間に俺はレックスの背後にいる。さぞかし怖いだろう。


「よし。じゃあ、終わらせようか?」


「や、やめっ」


 て。と言い終わる前に俺は、


闇拘束(ダークバインド)


【闇魔法】にて拘束した。『闇拘束』は他の拘束魔法とは少し違い、捉えたものへ圧倒的な不快感を与える。


「負けを認める?」


 レックスは悔しそうな顔をしながらこくりと頷いた。俺が拘束を解くとレックスは悔しそうにしながらも、少し嬉しそうに、


「はあ〜。強いと思ってたんだけど、ここまでボコボコにされるとは思ってなかったぜ」


「まあ、そこは経験の差だよ」


 経験の差があるのは当たり前だ。何故なら俺は、魔大陸にて強力な魔物と山ほど戦ったのだから。


「俺も、アンタみたいになれるか?」


「努力次第だよ」


「そうか・・・」


 何かを考えるレックス。この様子なら自身の実力を過信することなく、周りと競いながら強くなるだろう。


「じゃあ、帰ろうか」


 俺は、そんなレックスの様子を嬉しく思いながら生徒達と共に教室に戻った。





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