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二章 痛い詠唱はゴメンだぜ!

前回のあらすじ

学院に行くことにしました。

 面白くない。ああ、面白くない。少年は一人帝国魔術学院の寮の一室で呟いた。彼の名前はレックス・フィルド。帝国魔術学院二年生だ。因みに学院長のフルアは実の祖父だ。


 彼は学院中で忌み嫌われていた。まあ、その原因は彼の態度にあるのだが。


 彼は学院内で誰であろうと喧嘩を吹っ掛け、そしてボコボコにする。教師陣でも勝てない魔法の技量と凄まじい魔力。生徒からも教師からも恐れられ付いた渾名は『狂犬のレックス』だ。


 まさに戦闘の様子は狂犬の様で、スピードのまま本能に任せ戦闘をする正しく戦闘の天才だ。しかし、彼はこの学院生活も飽き飽きしていた。


 何故なら、自分より強いやつが一人もいないから。そして、教師ならて強いかもって思って戦って見ても、結果は駄目だった。


「今日、新しく来る教師は強いんだろうな・・・」


 彼は、学院に行く準備をしながら呟いた。


 彼は、つまらない奴であれば速攻でボコボコにすることを決意し、教室に向かった。




「席に付けー」


 副担任の教師が生徒達にそう促す。ぞろぞろと皆が席に着き始める。


「今から、新しい担任と転入生を紹介します。どうぞ!」


 扉が開け一人の青年と獣人の少女が入ってくる。


 男女共におお!という声が上がる。そして、男の方が教壇に立ち自己紹介を始めた。



 *****************************

 零side


 俺は、現在帝国学院Eクラスの教壇に立ち、自己紹介を始めていた。


「えーと、今日からこのクラスの担任を持つことになった九重 零です。教師をするのはこれが初めてですが、どうぞ、よろしくお願いします」


 そんな感じで挨拶をした。続いて白夜が自己紹介を始めた。


「われ・・私の名前は白夜です。これから一年間よろしくお願いします」


 そう言って自己紹介を終える俺たち。


「ありがとうございました。じゃあ、ビャクヤさんは一番後ろの席へどうぞ。」


 そう言われ自分の席につく白夜。


「それじゃあ、後はお願いします!」


 そう言って早足に教室から出ていく副担任の先生。


「それじゃあ、授業を始めましょうか・・・」


 そう言って俺は、授業を始めた。午前の授業が終わり、この調子なら問題無いな!と思ったのも束の間だった。何故なら午後の授業は実技授業だからだ。


 でも、それで彼を叩き潰さ無いと行けないからな・・・。若干憂鬱になりながらも俺は、訓練場への移動を開始した。




「では、今から実技を始めます。が皆さんがどのくらい強いのかを知らないトレーニングが組めないので、皆さんには俺と多対一をしてもらいます」


 俺がそう言うと、一部からは歓喜の声が上がり一部からは悲哀の声が上がった。そこで、活発そうなショートカットの女の子、ティナから質問をされた。


「何人までならペア組んでいいですかー?」


「大体五人くらいで組んでくれると嬉しいかな」


 その答えを聞くとティナはわかりましたー、と返事をすると皆とペアを組み始めた。皆がグループを組み始めたのにも関わらず、誰とも組まない生徒が一人いた。噂の問題児レックスだ。


「レックスは誰かと組まないのか?」


 そんな俺の言葉を鼻で笑うレックス。


「俺の事を心配するより自分のことを心配しとけよ。クソカス魔力野郎」


 俺の事を舐め腐ってるレックス。恐らく漏れでる魔力を見てそんなことを言っているのだろうか?それなら、実に滑稽だ。


 俺は、魔力を察知されないように極力魔力を外に漏れ出さないように制御している。だから、魔力が弱い理由でも無いのだ。レックスは完璧に油断している。


「皆準備出来たかー?」


「「「はーい」」」


 返事をしてくる生徒達。それじゃあ、始めようか!


「まず、最初は・・・」


「「「俺達だ!」」」


 最初は男子生徒五人組だ。リーダー的な存在のギルム。その親友のカルマ。そして、プラ、ピリ、ポラの三つ子だ。


「じゃあ、始め!!!」


 俺がそう言うと、一気に五人が詠唱を始める。そして、


火炎玉(ファイヤーボール)!」

雷撃弾(サンダーボール)


 ギルムとカルマの詠唱が先に完成し二つの魔法が俺に放たれる。俺は、風魔法を使いそれを防御する。


竜巻(トルネード)


「「「なっ!!!」」」




 その戦闘を見ていた全ての生徒が驚愕の声をあげる。当たり前だ。宮廷魔術師でさえ詠唱を必要とする、上級魔法を無詠唱で唱えるという常識外れの事を目の前でされたのだから当たり前だ。俺としては詠唱なんて恥ずかしくてしたくないので、無詠唱で発動出来てとても助かっている。


 しかし、俺の無詠唱すら見越していたかのように三人の生徒が追撃を開始する。


火炎槍(ファイアーランス)!」


水流槍(ウォーターランス)!」


電撃槍(サンダーランス)!」


 猛スピードの魔法が俺に向かって打ち抜かれた。五人が勝利を確信したのか笑顔を見せる。しかし、此処でやられる俺ではない。俺は、【闇魔法】を発動する。


暗黒穴(ダークホール)!」


 直後俺の周りに黒い穴が出現した。俺に向かってきた魔法はそこに入り消滅した。【時空魔法】でも同じ様なことは出来る。しかし、【闇魔法】のように魔法を消滅させたりは出来ない。【時空魔法】は一部を移動させるのに対して【闇魔法】物質を消滅させるのだ。


「じゃあ、これで終わりだね。土拘束(アースバインド)


「ぐっ!」


「あ〜あ」


 悔しそうな表情をする五人たち。こうして、一組目との模擬戦は俺の勝利で幕を閉じた。これを後三組か・・・。俺は、長くなりそうだなぁと思いいつつ休憩を開始した。






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