二章 変態なのにな・・・
前回のあらすじ
白夜が美少女だと知った後、スタンピードが起きた。
スタンピード。それは、魔物が大量発生し街に向かって進行して来ると言う現象だ。スタンピードは五年に一度ほど起きる。対応が遅れれば大規模な被害は避けられない。
災厄とも呼ばれるそれは人々に恐怖と絶望を与え全てを蹂躙する!!!・・・はずなんだけどね?
「ウオオオオオオオ!!!」
「逃がさないわぁぁん!!!」
「「「幼女!幼女!幼女!」」」
「「「尻!尻!尻!」」」
その全てを蹂躙するはずの災厄は、
「雑魚どもが!!!」
「逃がさないわよぉぉ!」
「「「逃がすかああああああ!!!」」」
逆に蹂躙されている。
「ほっほっほ。やっとるのぉ」
横に魔法使いっぽいお爺さんが腰掛ける。
「貴方は?」
「わしか?わしは魔術学院長のフルアじゃ」
そう名乗ったお爺さん。
「魔術学院長さんが何でここにいるんですか?」
俺は、ふと疑問に思ったので聞いてみる。
「それは、わしが白金級の冒険者だったからじゃよ」
白金!!!俺が驚くとフルアんはほっほっほと笑い、
「もっとやばい脳筋たちがそこにおるじゃろ?」
そう言ってサリバさんとオネェのキャサリンさんを指さす。
「あいつらは問題ばかり起こすから、未だに銀級のままじゃが実力はミスリス級以上じゃ」
そう言ってまた笑うフルアさん。
「最も、サリバの方はギルド総会長になったけどのー」
ちらりと二人の方をみる。そこには、魔物を蹂躙する二人の姿があった。
「さて、わしもやるかの〜」
そう言って、杖を振り上げ詠唱を始めたフレアさん。
「この不届き者共へ裁きを隕石!」
魔物の大軍に隕石を落とすフレアさん。・・・絶対この人もミスリル級だろ!そう思ったが特に何も言わないでおく。空気を読む、これ大事!
「ほら、年寄りに働かしてどうするんじゃ。早くお前さんもやりなさい」
俺は、分かりましたっと言って前に出る。
「氷結槍」
俺が唱えた瞬間、約二百本の氷の槍が俺の頭の上に現れた。
そして、俺は氷の槍を魔物に向けて放つ。・・・当たったはいいが、やはり防御が硬い魔物が残ってしまった。これならどうだ!
「【時空魔法】重力!」
直後魔物達が地面にめり込む。そして、グチャっ!やりすぎた・・・。中々グロイことになってる。
フルアさんの方を見ると呆然としている。・・・これ、まさかやりすぎたか?
「レイ殿じゃったか?」
「あ、はい」
俺は、いきなり名前を呼ばれ反射的に背筋をピンっと伸ばす。
「魔法は何属性がつかえるんじゃ?」
突然そんなことを聞かれた。確か属性は氷、水、土、火、雷の五属性だったけ?
「えーと、一応全部使えます」
「本当か!」
ズイっと寄ってくるフルアさん。俺は、反射的に後ろに下がりながら首を縦に降る。
「そうかそうか。なら、この魔物達を全滅させたら少しお話いいかの?」
「別にいいですけど・・・」
「なら、早く片付けるぞい!」
そう言って再び詠唱を始めるフルアさん。俺もそれを見て、今度は違う魔法の実験を始めた。
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ある王国の魔術学院の一室での出来事だ。
「むむっ!」
身長は百五十センチ程の可愛らしい金髪の少女が部屋のソファーで寝っ転がっている。その横には長い黒髪をまとめ、ポニーテールにしている凛々しい美女がいる。
その金髪の美少女がいきなり、ソファーから起き上がる。その様子を見ていた。黒髪の美女が、どうした?と聞いている。
「何か先輩の気配を感じました!」
その言葉に黒髪の美女がはあー、とため息を着く。
「あのな友香、この世界に九重がいる訳が無いだろう?」
そんなことを美女は、ソファーをいきなり起き上がった少女に言う。それに対して、その友香と呼ばれた少女は頭に手を当てやれやれ、と言う。
「解ってないなあ、九条先輩は」
ソファーから立ち上がる友香。
「あの、トラブル体質の先輩が巻き込まれてない訳がないじゃ無いですか!」
その言葉に九条と呼ばれた美女は、手に手をポンッと置き、なるほど!と納得する。
「それにしてもだ、気配を感じただのは勘違いだろう?」
「まあ、気配を感じたというのは嘘です。でも、わたしのスキルが会えるって言ってます!」
「そうか」
テンションの高い美少女に冷静に返す美女。そこにニヤニヤしながら近寄る友香。
「本当は九条先輩も会いたくて仕方が無いんじゃ無いですか?」
「ッッ!!??」
みるみる顔をを赤くして慌てふためく九条。
「そそそんなことはないわりょ!」
その言葉に吹き出す友香。
「ないわりょ!って!あは、あはははは!」
その部屋には友香の楽しそうに笑う友香と、慌てふためく九条の姿があった。
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