表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/27

二章 ねぇ、帰らせてくんない?

前回のあらすじ

人攫いから女の人達を助けた。

 結果から言うと、ぶっ倒れた。


 あの人たちだけを街に飛ばしたのは、単純に見張りに気付かれるリスクを避けるためだが、あの人数は多過ぎた。俺も転移をしようと思ったのだが、出来なかったのだ。


 だから、【闇魔法】を使い最低限の魔力で見張りに気付かれないように通り過ぎた。


 しかし、もう魔力も精神も限界だった。初めて人を殺したのだ。幸い、直接手を下したのは親玉だけだったのだが、それでも、嫌な感触は手に残っている。


 俺は、道端で倒れた。まあ、気絶した訳では無かったので、念話で白夜を呼び出した。


 助けてー、白夜ー。


 心の中でそう叫ぶ。


 直後。


 ドドドドドド!


『主様ー!ご無事ですか!』


「いやー、魔力切れで倒れちゃってな?俺ちょっと寝るから見張りた、の、む・・・」


 俺は、白夜のもふもふに埋もれ眠りに着いた。


 ***********************


 あれ?何か頭の部分が柔らかいな。そっか、俺確か白夜に埋もれながらて寝てたんだっけ?


 しかし、そこで違和感に気付く。零、圧倒的、違和感!


 これは、もふもふな白夜じゃ無い!人肌だ!


 その答えを抱くと同時にある疑問も思い浮かぶ。じゃあ、これ誰?


 俺は、チラッと目を開けて確認する。


 白い猫耳の美女が俺に膝枕をしていた。・・・誰だこいつ?


 俺は、足に力を入れ一瞬で起き上がり距離をとる。そして、言い放つ。


「誰だよ!おまえ!」


 すると白髪の美女は、


「へ?」


 と間抜けな声を出した。しかし、直ぐに納得の言った顔をしてこう言った。


「そう言えばこの姿を見せるのは初めてでしたね。主様」


 主様?その呼び方はもしかして・・・


「白夜!?白夜なのか?」


「はい。白夜ですよ?」


 マジか。俺は、こんな美女と毎晩布団で寝てたのか?そして、こんな美女を枕にしてたのか?


 くそっ!何でもっと早く気づけなかったんだよおおおお!


 俺が地面をダンダンと叩く。その様子を見てオロオロとする白夜。


「あの、主様?」


「ああ、ごめん。街に戻ろっか。あ!後これから戦闘する時以外はその格好でね」


「?何でかは分かりませんが、取り敢えず了解しました」


 首を傾げるものの了承する白夜。


 よしっ!これで、異世界に来てするべきことの一つは達成だ!


 獣耳美女を連れて街を自慢げに歩く。しかも、強いのでチンピラに気をつける必要も無い。何という素晴らしい獣耳美女何だろう!


 ああ!神はここにいたのだ!まあ、俺から見ての美女ランキング一位はあの、パーティーの時に俺を突き飛ばした子が一番何だけどな?


 因みに二位はアリス。三位は白夜。四位は日野、友香、九条先輩。そして、五位は御剣だ!


 え、何?御剣は男だからダメとか言うのか?あの可愛さなら入らないとおかしい!男だからとか関係ない!可愛いものは可愛い!以上!


「じゃあ、帰るか」


 俺は、人型の白夜と共に街へ帰って行った





 *******************


「帰ってきた・・・」


 俺は、深いため息とともにそういった。もう、期限が切れるまで宿屋に引き篭ろうかな・・・。まあ、今日は取り敢えず帰って寝よう。


 そう思い俺は、白夜に影の中に入って貰い宿屋に帰ろうとした。


 しかし、直後。


 ウゥーー!ウゥーー!とサイレンの音が鳴り響く。


『只今、大規模なスタンピードが発生し街に接近中!冒険者の皆さんは直ぐにギルドに来てください』


 そして、音声がブチッと切れる。そして、俺は、こう思った。


 マジか・・・、と。



 *****************


 ギルド内にはたくさんの冒険者が集まっている。いつもの変態感は微塵もない。


「野郎ども!聞いたか!大規模なスタンピードが起きて俺達の街に押し寄せてきているらしい!」


 サリバが大きな声で活を入れる。


「いいか。俺らがしくじれば街のヤツらが傷つく!」


 おお!ここで感動的な演説が、


「それは、すなわち!この街にいる幼児達が傷つくということだ!」


 始まらないよねー!見事に俺の期待を裏切るサリバ。概ね予想通りだ。


「お前らはそれが許せるか!!!」


「「「許せない!!!」」」


 大きな声で返事をする、冒険者達。


「それにね、若い男の子達も傷つくのよ?」


 完全にオカマの冒険者が叫ぶ。


「そして、スタンピードの魔物の中にいるオークやゴブリンが私たちの食べていない、未成熟なお尻と言う果実を食べてしまうのよ!?許せる!?」


「「「許せない!!!」」」


 そして、最後の活と言わんばかりの声で二人が叫ぶ。


「いいか?あの、幼児は(尻は)俺達(私たち)のものだ!!!」


「「「ウオオオオオオオオオオオオオ!!!」」」


 叫ぶ冒険者達。


 これ、ある意味スタンピードよりやばいんじゃ無いか?俺は、そう思わずにはいられなかった。


 まあ、そんなこんなで大規模なスタンピードがスタートした。


 ・・・ねえ、帰らせてくんない?


 俺は一人心の中でそう呟くのだった。



少しでも面白いと思ったら高評価とブックマーク貰えると作者の励みになります!


※誤字脱字会ったら教えて下さい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ