二章 初めてのスキル強奪
前回のあらすじ
街周辺の洞窟に、人を攫われて監禁されているらしいので助けに行く。
見張りside
「・・・ん?」
「どうした?」
俺は、背後に気配を感じ後ろに振り向いた。しかし、そこにあるのはいつもと変わらない真っ暗な洞窟だった。
いきなり後ろを向いた俺を心配そうに見てくる同僚。
「いや、背後に気配を感じてな・・・」
「そうか?何もなかった気がするけど」
「いや、勘違いならそれでいいんだ」
俺は、再び見張りを再開した。
零side
「ふ~。危なかった」
俺は、周りを確認して洞窟の影から出た。これは【闇魔法】の能力だ。【闇魔法】は影に入ったりも出来るのだ。
しかし、下っ端に気づかれそうになるとはな・・・。この技術は要練習だな。
しばらく歩くと大きな扉があった。開けるか?いや、捻ろう!
「【時空魔法】捻転」
グシャ!扉がねじれ大きな空洞が出来る。
「何だ!」
「侵入者だ!」
「親分呼んでこい!」
戦闘態勢に入る盗賊たち。
「死ねぇ!」
一人が槍を持って突っ込んでくる。【時空魔法】の射程距離に入る。
「【時空魔法】捻転」
グチャ!男の槍と右腕が潰れる。男の左腕から血飛沫が飛ぶ。
「ぎゃあああああああ!」
男が泣き叫び左腕を抑える。俺は、容赦なく男の首を切り飛ばす。
・・・やっぱり、無差別に人を攫うような奴を殺しても何も思わないな。
「やりやがったな!テメェら!あの魔法の射程距離は見た感じそんなに長くねえ!距離を保ちながら魔法を打ち込め!」
後から来た男がもそんな指示を出す。あいつが親分か?そんなことを考えていると魔法が飛んできた。
炎や、雷、水に氷に土など様々な魔法が飛んできた。やっぱり闇魔法とか光魔法はあんまり持ってる人が居ないのかな?
街でも、持ってる人は一人もいないし。
「って、やべ!【時空魔法】捻転」
俺は、迫り来る魔法を捻り上に飛ばす。
「ちっ!もっとだ。もっと打ち込め!」
また、親分が指示を出す。また飛んでくる魔法。
さっきの捻転で感じたけ【時空魔法】て魔法を跳ね返したり出来ないかな?
「【時空魔法】反射!」
魔法が向きを変え魔法を放った奴らの方向に飛んでいく。
「何でこっちに来るんだぁぁぁ!」
「嫌だ。まだ死にたくない!」
「親分、助け」
ズドドドド!魔法が敵の方に着弾する。出来ちゃった・・・。
「よくも、俺の部下達を殺しやがったな!」
激昂する親玉。周りを見渡すと親玉と俺以外、誰も立っている者はいない。後ろには、幻影魔法をかけているので、ここに異常があるとは見張りの奴らは思わないだろう。
「ねえ、投降する気は無い?」
俺は、親玉に一応問いかける。
「そんなことを心配する暇があったら、自分の命を心配したほうがいいぜ?」
そう言って飛びかかってくる親玉。
「ふん!」
思いっきり斧を降る親玉。俺が、難なく躱すと、地面が割れる。あれは、エンチャントか?
「驚いたか?これは、ある冒険者から奪った魔具だ!まあ、そいつはしばらく遊んだら飽きちまったから殺しちまったけどな!」
・・・白夜が見つけた人か。
「本当にクズだな・・・」
親玉はその言葉を鼻で笑い、
「はっ!恨むなら弱い自分を恨めよ!この世は弱肉強食だからな。弱いやつは淘汰されるのみだ!」
「そっか・・・」
俺は、溜息をついた。
「それじゃあ、お前もそろそろ死ね!」
そう言って斧を振り下ろす親玉。
「【時空魔法】時間停止」
俺の言葉と同時に親玉の動きが止まる。
俺は、殺された女冒険者の傷を思い出しながら、静止した親玉に刻んでいく。足、体、腕、顔、首と順に刻んでいく。
「解除」
この言葉とともに、親玉の体にピッと線が入り、
「何を・・・」
したんだ。と親玉が最後まで言い切る前に、体から血が吹き出した。
「俺に、何をしたぁぁぁ!」
最後の力で斧を振り落とそうとする親玉。
「じゃあな」
そして、一閃。俺は、あえなく首を飛ばした。
こうして、洞窟での戦いは幕を閉じた。
ちなみに、【強奪者】で奪ったものは、
【火魔法】【土魔法】【水魔法】【雷魔法】
【氷魔法】【回復魔法】【遠視】 【暗視】
だ。
【奴隷魔法】もあったけど、持ってるのも嫌だから奪ってない。死体は闇魔法で飲み込み、跡形もなく消した。
「攫われた人たちは後ろの扉か?」
扉を開ける。
すると、そこには牢に入れられた美少女や美女たちが入れられていた。鍵がかかっているが関係ない。
「【時空魔法】捻転」
郎の扉が、歪な形になり人が出れるような大きさになった。
「皆さん出てきて良いですよ」
俺は、できるだけ優しい声で言い放つ。
「あ、あの、貴方は?」
おずおずと聞いてくる赤髪の少女。仮面をしているので分かりにくいかもしれないけど、俺は、その少女に、
「唯の冒険者ですよ」
と言ってから、【時空魔法】で街まで彼女達を転移させた。
「これでいいかな?」
俺は、闇の中に入り街まで歩いて帰ることにした。
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