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二章 初めての武器は安物です

前回のあらすじ

絡んできたチンピラを路地裏にポイッ!した。

「ふぁー。よく寝たー!」


 寝るのっていいね!魔族になって寝る必要が無くなったけどやっぱり寝るのは気持ちいい!これからも寝れる時はちゃんと寝るようにしよう。


『主様おはようございます!』


 ベッドから降りると足に頭を擦り付けてくる白夜。こんなに可愛いやつが、八柱の一匹何て誰も思わないだろうな・・・。


 俺は、魔大陸で作った服に着替えて下の部屋に降りようとする。それに付いてくる白夜。・・・あれ。この宿ペットありなのかな?俺は、しばらく考えると、


「白夜。この宿にいる間、影に入ってもらってていいか?」


『はい。別にいいですよ。主様の影は心地いいですし』


 むしろずっと居たい気分です!と言って来る白夜。・・・影に気持ちいいとかあるのか?まあ、白夜がそう言ってくれるならありがたいけど。


 俺はドアに手をかけ扉を開く。


「あ、レイさん。おはようございます。」


「おはようシュナ」


 シュナと挨拶を交わす。


「じゃあ、朝ご飯出来てるので下に来てくださいね!」


 そう言って階段をパタパタ降りるシュナ。


 朝食のメニューは何かな?








 ああ、美味しかった~。因みに今日の朝ご飯は魚のムニエルだった。とても美味しかった。


 因みに今俺は、武器屋に買い物に来ている。防具は別にローブがあるから必要ないが、武器は【万能者】では作れないので買う必要があるのだ。


 白夜は街の散策に行っている。何か、


『ナワバリを広げるチャンスです!』


 とか言ってた。完璧に猫だよな?


 俺の欲しい武器は杖と刀。後はダガーかな?ダガーと杖はあると思うけど刀はあるか分からないな・・・。アリスも刀はあまり流通してないって言ってたし。刀があることを願い扉を開ける。


「こんにちはー」


「いらっしゃい」


 俺が店に入ると出迎えてくれたのは、厳ついドワーフのオッサンだった。


「えーと、刀とかってありますか?」


「カタナ?あー、あれか・・・。ちょっと待ってろ」


 厳ついドワーフは、カウンターの後ろにある扉に入っていった。そして、しばらくして部屋から出てきた。


「もしかして、これか?」


 持ってきたのは、一振りの刀。見ただけで名刀とわかる刀物を持ってきたオッサン。


「これです!いくらですか?」


 その言葉にオッサンは苦々しい顔をすると、

「そいつはな、何かそれと似た奴を作って欲しいって国から依頼された時に見本としてもらってな。しかし、研いで売ってみるとそのカタナとやらはとにかく売れなくてな。」


「じゃあ、タダですか?」


 その言葉にオッサンは苦笑し、


「それは、出来ねーな。一応、商売だからな。まあ、多少の割引くらいはしてやるよ」


 割引がどれ位までされるかだが・・・。


「金貨三枚が限度だな。売れないにしてもその刀は切れ味だけは一級品だからな」


 その値段は安すぎないか・・・?だって、この刀何でか知らないけど鑑定できないし。


 武器が鑑定できない事があるのは神器だけ、とか王宮で習ったんだが。ってことは、もしかしてこれ神器じゃね?


 まあ、王国の依頼でもらった見本らしいからその可能性は高いけど。


「買います!」


「まいどあり!」


 俺の言葉に笑顔で刀を渡してくるオッサン。俺は金貨を三枚渡して腰に刀をかける。次は杖だけど・・・。俺は、適当に杖とダガーを物色していく。


 そして、セールの箱に入っている杖とダガーを見つけた。


 黒の杖に、赤のダガー。鑑定でみたところ性能も申し分ないのだか何故セールの箱に入ってるんだ?


「あー、そいつ等もさっきのカタナと同じで全く売れなくてな。そこは、大体白字とか銅級が買うんだが、そこに入れても売れなくてな。何故か知らんが値段を銀貨にしても売れないんだ」


 セール品の中にはド派手な剣とかもあるから、新人とかはそれに目が言ってしまうのだろう。


「今は両方とも銀貨八枚だが買うか?」

 

 安っ!そんなに安いならもちろん、


「買います!」


 俺は、金貨一枚と銀貨六枚を渡してダガーと杖をマジックバッグの中に入れた。


「ありがとうございました!また来ます!」


「ああ、待ってるよ。死なないように頑張れよ!」


 すいません。もう一度死んでるんです・・・。もう死なないように頑張ります。俺はそんなことを思いつつ店を出た。





 角を【幻影魔法】で隠した俺は、ローブを着ずに街を歩いて見た。バレないか不安だったが、全くバレなかった。何故か視線を感じたけど、誰も、


「うわ!あいつ角あるぜ!」

「なにあの角!ダサいわー」

「ママー、あの人角生えてるよー」


 などとは、言われなかったから平気だ。


 しばらく歩いていると肉の美味そうな匂いがしたので行ってみると、そこには露店があり、串焼きを売っていた。う、美味そうだなー。


 一本銅貨二枚?美味しそうだし、試しに買ってみよう。


「二本ください」


「まいどー」


 俺は、串焼きを食べながら街を散策する。意外と美味いな、この串焼き。


『主様!』


「うぉっ!」


 俺の影から白夜がにゅっと出てきた。び、びっくりした・・・。


「どうしたんだ?」


『はい。ただいま街のナワバ・・・散策をしていた所、』


 今ナワバリって言いかけなかった?


『この街で奇妙な現象が起きているそうです』





 白夜の話によると、最近この街で次々に人が失踪する事件が起きているらしい。失踪している人物は主に女でその中には休暇中のそこそこ名の知れ渡っている冒険者などもいるそうだ。


『我はこの事件の犯人は人間のだと思っています』


「どうしてだ?」


『まず一つ目は、失踪した冒険者の家に入った時に、微かに催眠魔法の魔力が残っていたからです。』


 そんなことあるのか?と思ったが、実際俺が【時空魔法】を使って重力を上げたら、その魔法を解いた後も少しだけだが、そこだけ重力が重くなったりするのだ。


『二つ目は、臭いです。複数の人間の臭いと、血はありませんでしたが、血の臭いがしました』


 しかし、それだけじゃ人間だと確実には言えなくないか?


『最後にその冒険者の死体を街の外で見つけました。明らかに刃物の傷でしたし、ご丁寧に奴隷紋まで刻まれていました』


 なるほど。それなら納得だ。人間以外に奴隷紋を使う生物はいない。魔族も奴隷紋を使うことはないそうなので、犯人は人間。ということになる。


「その犯人はどこにいる?」


『街の外の洞窟に住み着いています。この街に入る時は商人として入り、攫った人間を奴隷として他国に売り飛ばしてている見たいですね。催眠魔法という非常に厄介な魔法なので誰にも怪しまれず、その攫う人物だけに魔法をかけて、そいつ自ら街の外に来させればいいので、バレないみたいです』


 助けた方が良いのだろうか?他人を助けるために得体のしれない敵のところに行くべきなのだろうか?


 ・・・いや。他人だとかは関係ない。この世界で奴隷の扱いが酷いのは知っている。それを知ってて、助けに行かないのは駄目だと思う。


「じゃあ、今から助けに行ってくる。白夜は街の中を見張っててくれ。」


『主様、一人で行くのですか?』


 もちろんだ。犯人が何人か分からない以上、街の中にそいつらの仲間がいるかもしれない。そして、そいつらなら殺してスキルを奪っても、良心が痛まない。


「ああ。少なからず街には警備が必要だ。もし、俺が行かないと行けない時は念話で読んでくれ」


『分かりました。どうか、ご無事で』


 深々とお辞儀をする白夜。


 じゃあ、街の人を救いに行きますか!俺は、街の外の洞窟に向けて、全力で走り出した。




少しでも面白いと思ったのなら高評価貰えると、作者の励みになります!

次回、とうとうスキルを奪います。


※誤字脱字あったら教えて下さい!

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