一章 見えないって、マジ?
新シリーズ
「死んでからチートスキルに目覚めました」
始動!
五月。高校生活では、クラスが決まりクラス内でのグループが決まった頃だった。
俺の名前は九重 零。俺の所属するクラスはいつも通り、決まったグループ内で一時間目の始業のチャイムがなるまで友達と喋っているものばかりだった。
かく言う俺は初日に友達づくりに失敗し、現在クラス内でただ一人浮いていた。登校して机で睡眠それが俺の日課だった。
「あいつがさ~」
「本当それ思うわー!」
「昨日のテレビ見た?」
などなど様々な会話が飛び交う中それは、突然起こった。いきなり俺たちの足下におびただしい光を放つ線が浮かび上がったのだ。
「何だ!?」
「眩しぃ~!」
「目が!目が!」
俺は寝ていたのだがそれでも眩しかった。それほどの光だったのだ。その光が収まった次の瞬間、俺の寝ていた机がいきなり無くなり、俺は地面に倒れそうになった。
はっ!この教室の机は汚い!やばい!
そう思い、何とか手を付きとどまる。くっそ!手が汚れ···て···無い?
それは当たり前だろう。だって手を付いたところは、赤い敷物が引いてあったのだから。
どう見ても、そこは教室の地面ではなかった。頭を上げ周りを見ると、クラスメイトと兵士っぽい奴らと、一人やたらと高いところに座る金髪碧眼の少女がいた。
「・・・何が起きてるんだ?」
俺は思わず呟いてしまった。本当に何が起きてるんだ?いや、分かる。分かるよ。今から何を言われるのかも。そして、何をやらされるのかも。ラノベやアニメをよく見る俺は大体の現状把握が完了していた。
「何処だよここ!?」
「何でこんな所に私たちいるのよ!?」
「ここはもしや異世界?ならば、俺のターンか・・・?」
起き上がった皆も混乱している。一人おかしい事を言ってる奴がいた気がするが多分気のせいだろう。うん、気のせい気のせい。皆が混乱してる中やっと姫様っぽい奴が立ち上がり口を開いた。
「初めまして勇者様方!私はヘルメア王国第一王女のアリスと申します!」
やっぱりか。俺達はやっぱり勇者として、この国に召喚されたらしい。みんなは口を開けポカンとしている。しかし、ここで、口を開くのは、可愛い顔立ちの女の子みたいな美少年で人気者の御剣 雫だ。
「すみません、王女様?いまいち状況が掴めないのですが・・・」
「あ、すみません。あなた達を呼び出した理由を説明していませんでしたね?」
そんなもの聞かなくても大体分かるが、多分、いや間違い無く、
「あなた達には、この世界の魔物の王。魔王を倒してほしいのです。」
やっぱりか!まぁ、予想はついてたけどな。
「私達にそんなこと出来るわけないじゃない!普通の高校生よ!?」
「そうだよ!なんで俺らがそんなことしなくちゃいけないんだよ!」
こんな言葉が飛び交う。それを収めたのは御剣だった。
「皆一旦落ち着こう。流石に王女様も勝ち目もなしに僕達を呼ぶことはしないと思うんだ。だから多分僕達には魔王と戦える何かがあるんじゃないかな?」
そう言ってみんなを鎮めた。そして、その言葉に王女様は
「落ち着いてもらえてありがとうございます。先ほどこの方が言っていたとおりです。貴方達には恐らく転移によって目覚めた特殊なスキルがあるはずです」
そういい王女の側近が水晶玉を持って前に出てきた。周りの頭の上にハテナマークが浮かぶ中、
「これに手を置いて頂くとステータスを見ることができます。これで、あなた達の能力の確認が出来ます」
王女が説明をした。おお、ステータスか!異世界っぽくなってきたじゃん。クラスメイトたちが王女に呼ばれステータスの確認をしていく。
ここで誰かが、ずば抜けたチート級のスキルをもってたりするんだよな。次々に確認を終えたやつが退室していく。そして次にステータス確認されるのは、御剣、その次に俺で最後っていう順番だ。
これは、俺に超強いチート能力が宿る・・・
「あなたは御剣 雫さんって言うんですね。ステータスは・・・」
ここで王女の顔が驚きに染まる。
「全ステータスオールS!?しかもスキルが【光の勇者】ですか!?」
わけないよな!てか、チート持ちはやっぱりあいつか。いや別に期待とかしてなかったし!ちょっと憧れたりもしてなかったし!
「凄いんですか?」
そんな御剣の言葉に
「すごいですよ!光の勇者の効果は光魔法を自由自在に操れて、しかも戦闘時にステータスが二倍に跳ね上がるという効果です!」
王女がこらキラキラした目で御剣を見ていた。あ、これ王女惚れたな。選ばれし勇者とか王女にとって憧れっぽいもんな。
そして次は俺の番だ。
「えと、九重 零さんですね。ステータスは・・・」
早く終わんないかな。そんなことを思っていると
「何ですか、これ!?」
何だ、やっぱり選ばれし勇者は俺だったのか!?そんなことを思い王女様に
「どうしたんですか?」
と聞くと、
「えーとあなたのステータス」
「俺のステータス?」
まさか?弱いのか?もしかしなくても、弱いのか?
「読めないんです!」
「へ?」
俺の間抜けな声が部屋中に響いた。
九重 零
年齢 十七歳
種族 人
性別 男
体力 ■■
魔力 ■■■
力 ■■■
敏捷 ■■■
物理防御 ■■■
魔法防御 ■■■
幸運 ■
称号 異世界の勇者 ■■■■■■■
スキル 鑑定 ■■ ■■■ ■■■■■
魔法 ■■■■ ■■■
何だよこれ・・・。
どうやら、俺の秘めたる力は異世界に来ても秘められたままだったみたいだ・・・。
この作品は不定期に更新していこうと思います。
良ければこれから、見てくれると嬉しいです。
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