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魔術剣姫と偽りの俺  作者: 敗無 綾人
2/3

金髪の美少女?

今回は主人公と金髪の少女の勝負です。

両者の力が判明する......?

「ーー私との勝負に勝ったら許してやろう」




「なんでこんなことに......」

ユーリはもちろん勝負はしたくないのだが、弾みで返事してしまったことにはしょうがない。男に二言はないというやつだ。


そうしているとユーリと向かい側の控え室からさっきの女の子がバトルフィールドに出てきた。

魔術装具を着けていても華やかな雰囲気が溢れ出ているのがわかる。

そして、腰には彼女の目と同じ緋色の剣が輝いていた。


「ところでなんだ?そのステータスは。ましてやそのレベル......さっき魔術師になったばかりなのか?」


魔術師にはゲームの中のようにレベルやステータス、経験値などがある。

ステータスはFが最低でSSSが最高。F、E、D、C、B、A、AA、S、SS、SSSという順だ。

そしてユーリのステータスは......

ユーリ・フォルナーク

レベル:1

筋力:C

耐久:D

魔力:E

魔攻:F

魔防:E

速度:A

見ての通り、魔術師とは思えないほどのステータスの低さだ。

それに比べて金髪の彼女のステータスは

リーシャ・ルナフレア

レベル:78

筋力:AA

耐久:A

魔力:SS

魔攻:SS

魔防:S

速度AA

というトップクラス。ユーリとはまさに雲泥の差だ。


「へぇー、リーシャさんって言うんだ。......ん?ルナフレア......?どっかで聞いたことあるような......ないような......?」


ああ、確かこんな噂を聞いたことがあったな。ミラドから南にある国、サウザンボルクに魔術師としても剣士としても最強レベルの女の子がいて、その子はお姫様で<紅蓮の剣姫>や<黄金色の太陽>と周りからは言われていたと。


「え......もしかしてリーシャさんがあの<紅蓮の剣姫>なの!?」


「ああ、そうだ。だが、貴様がその名を知っているとはな。それと気安くファーストネームで呼ぶな」


「あー......えっと、ルナフレアさん。僕が負けを認めるので勝負はやめにしませんかね......?僕のことは煮るなり焼くなり好きにしていいので......」

これが一番の最善策だ。ユーリとリーシャのステータスでは部が悪いというレベルどころか話にならない。


ーーーーだが彼女は

「駄目だ。私はそんなことより早く貴様の観念した顔を拝みたいのだ。」


(ひいいぃぃ怖い......。でも、もうやるしかないみたいだ......。あっちは聞く耳すら持ってくれなさそうだし)


「わかったよ。それじゃあ始めようか、勝負」


「ああ、私はいつでも大丈夫だ。」


ーーーーーー試合開始。


無機質なシステムの声と同時に戦いが始まった。


最初はお互いじっと睨み合っている。だが、そうしている内に、待ちきれないリーシャが攻撃を仕掛ける。

「焼き尽くしなさい、紅蓮の炎よ!

《魔女の業火》【ヴァン・フレイヤ】!」


いきなりの大技に戸惑いつつも紙一重で躱すユーリ。


「おいおいマジかよ......。端から本気でやる気じゃないっすか......」

逃げ切れたことに内心ホッとしたものの、その破壊力に半端なく焦るユーリ。

(あんなもん食らったら一発でKOだろ......!さすが世界にも通用する力は違うな......)


「私の固有魔術は自由自在に炎を操れるのだ。今の通り、炎を錬成して炎魔術として放つことはもちろん、身に纏い防御にも使える優れものだ。そして私は《紅蓮の剣姫》と呼ばれる故に剣術が得意でな。この魔術装具の剣、【イフリート】にも<<付与>>【エンチャント】できる」


固有魔術とは魔術師一人一人がそれぞれ持っているその人専用の生まれつき持った魔術のことだ。


「そんなぶっ壊れ性能の固有魔術とかありかよ......」


「ところで貴様の固有魔術はなんだ?出し惜しみしても意味ないだろう。それとも何か?私にまだ勝てる気でいるのか?」


「俺はさっきみたステータスの通り魔術師としては初心者中の初心者で、初級魔法すら危ういんすよ。なんで俺はコイツで戦います」

ユーリは自身の魔術剣【リンドブルム】を指してそう言った。


「ほう。剣術で私に挑もうとはいい度胸だ。良かろう、私も貴様の本気が見てみたい」

そう言ってリーシャは魔術詠唱し始めた。

「燃えろ、燃えろ、灰になるまで!

《紅炎のーーーーーー


リーシャが魔術名を言おうとしたその時だった。

さっきまでいたユーリの姿が見当たらない。

リーシャの思考は停止する。

だが、戦闘に慣れているリーシャはすぐに状況判断する。

右か?左か?いや上か?それとも下か?

そんなことを考えている、後ろからリーシャの耳元で囁くような声でーーーーー



「《ーーーーー奪取》【スティール】」


一瞬の出来事に、腰が抜けそうになるリーシャだったが、すぐさま後ろに振り向き詠唱途中の魔術を唱える。


ーーーーーー《紅炎の舞》【サラトガ】!」


リーシャはありったけの魔力を解き放つ。


そして至近距離でユーリに確実にヒットさせた

ーーーーーはずだった。


何故かダメージを受けたのはユーリではなくリーシャの方だった。リーシャは何が起こったのかわからないまま、吹き飛ばされた。


「き、貴様......なんなんだ今のは......っ!!!どういうことだ!?私は確実に貴様に魔術を与えたはず!!!なのにどうして......!?」


「《奪取》【スティール】。相手の固有魔術の効果を視認し、それによるダメージを受けると相手の固有魔術を一定時間内だけ使うことができる俺の固有魔術です。そして《奪取》【スティール】を使用することで受けた魔術や魔術武器の効果や思考、術者の動きを瞬時に理解でき、真似することも可能なんです」


「なんて能力だ......。それはわかった。だが、それで何故私がダメージを食らう?貴様のステータスでは防ぐことすらままならないだろう?」


「それは僕のオリジナル剣術、《全反撃》【フルバースト】です。【フルバースト】は相手の固有魔術を倍以上にしてカウンターすることができる技です。【スティール】使用した相手にしか使えず、それも一定以下の体力じゃないと使えません。なので、相手の固有魔術の威力が強ければ強いほど強力になります。まあ、自分にも多少なりともダメージは食らうんですけどね」

と苦笑いをするユーリ。


「貴様......何故そのような力を持っていて魔術師の素質がない?貴様は一体何者なんだ......?」

戸惑いを隠せないリーシャ。

さっきまで怒っていたのに、そんなことすらどうでもいいほど疑問に思っているみたいだ。


「あはは......なんていうか、それはですね......」

そう苦笑いしていると、さっきまで誰も居なかった観客席から拍手がバトルフィールドに鳴り響いた。


パチパチパチパチ。


「ブラボー!実に面白い戦いだったねえ!」

ユーリとリーシャが声の方に顔を向けると、そこにはリーシャと同じ金髪で、リーシャとは対照的な蒼色の瞳をしている少年がいた。

読んでいただきありがとうございます。

リーシャは恐ろしいほどのステータス高さに世界トップクラスの強さを誇る魔術師でもあり剣士でもあるぶっ壊れ要素満載のキャラですが、それ以上に主人公の強さを際立つようにしました。

なぜ主人公はこのようなチート並みの能力を持っているのか?

なぜそのような強力な能力を持っているにも関わらず、ステータスはあれほど低く魔術師としての素質がないのか?

そして最後に登場した金髪の少年は......?

次回は、金髪の少年について詳しく書いていこうと思います。

こんな小説でも応援してくださると嬉しいです。

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