落ちこぼれたちの逆転談2
事の後始末を終えた先生が帰ってきて、紙を配り始めた。
「はいはーい、これは、二年生進級時に行った能力テストの結果だよーん、ま、自分の能力を知らない人はいないだろーけどねーん」
当たり前だ。16年以上生きてきて今更自分の個性を知らないなんて、阿呆にもほどがある。俺の能力はよわっちい治癒能力...
"検査結果:能力:細胞活性"
「やっぱな、細胞活性かー。。。えーーーーっ!?細胞活性!?なにそれ!?俺の能力治癒能力じゃないのか!?」
「それとー、来月に行われる体育祭に向けてそろそろ準備を始めよーねー!」
「あと、眠利くんはー授業が終わったら先生のところまできてくださいねー」
「おい!虎!何かやらかしたのかー?笑笑」
水上が茶化してくる。
「なんもしてねーよ!見に覚えがないっつの!」
ったくなんなんだ。つーか細胞活性ってなんなんだよ。意味わかんねー!
「先生、話ってなんですか?」
「少し時間を頂いてもよろしいでしょうか。眠利くん。」
いつも軽い態度の先生が妙に真面目な顔で言った。
「眠利くん。あなたの能力は治癒能力ではありません。細胞活性能力です。」
「細胞活性能力って一体なんなんですか?」
「細胞活性能力は非常に希少な能力です。そして、この能力は、鍛えれば鍛えるほど強くなることができます。眠利くん。あなた、強くなれますよ」
「でも、俺は少しの治癒くらいしかできません、そんな強くなるなんて、無理ですよ」
そうだ。細胞活性だかなんだか知らないが俺にはそもそも素質がないんだよ。今更強くなれるわけがない。
「私の知り合いに細胞活性能力を持つ人がいます。その人に鍛えて貰うといいでしょう。明日、午前10時に駅前のデュラハンという武器店に来てください。彼に伝えておきますので、では眠利くん、さようなら!」
「ちょ、ちょっと先生!」
くそ、一体どうなってるんだよ。デュラハン?仕方ない。明日そこへいってみよう。一体どうなってるんだよ。全く意味がわからない。
ガチャ。家へ着いた。しかし誰もいない。幼い頃に両親は死に、それから俺は祖母に育てられてきた。しかし去年祖母が死に、俺は一人ぼっちになった。
小さい頃はお母さんやお父さんがいないのがとても寂しくて、いつも泣いていた。そんなとき水上と二葉は俺の遊び相手になってくれたのだ。二人には返しきれないほどの恩がある。いつでもあいつらが俺を助けてくれた。
昔のことを思いだしながら、横になっていたらいつの間にか寝ていた。
翌日、俺は約束された時間に約束された店へいった。
「あのぉ、氷洞先生に言われて、この店に来たんですけど、師匠オーラ出てる人見かけませんでした?」
俺は店にいた、小さな老人に尋ねた。
「そうか、お前が氷洞がいっとった小僧か。まずは礼儀ってもんから教えてやらんといかんらしいな」
読んで頂きありがとうございました。次話もよろしくお願いいたします。




