落ちこぼれたちの逆転談
この作品は最後まで読んでこそよさがわかる作品です。ぜひ、読み続けて下されば幸いです!
こんな世界いっそ投げ出したい。もっと、広く雄大な、努力により誰でも報われる世界なら良かったのに。
能力によって人間関係の優劣が決まるこの世界で、俺みたいな没能力しか持たない人間は圧倒的に差別される。その証拠に今日もAクラス、Bクラスの奴等は能力実戦授業だというのに俺達Cクラスは...
「こら!眠利!さっさと草むしりしろ!」
「へいへーい」
ったく、草むしりなんてやってられるかよ!ちなみに俺の能力は傷を少し治す程度の治癒能力だ。たくさんある能力の上に自分の傷しか治せない。没能力だ。
「虎ー?ちゃんとやってんのー?」
こいつの名前は泉二葉。こいつもまたCクラスに在籍する一人で、能力は...
「なぁ二葉。お前の能力なんだっけ?」
「はぁー?まったく、すぐ忘れちゃうんだから」
そういって二葉は二人に分身してみせた。
「私の能力は分身。まぁ二人までにしかなれないけど」
まぁそういうことでこのCクラスには、没能力も没能力、落ちこぼれの奴等が在籍してるというわけなのだ。
「ほんと、お前ら仲良しだよなー。よっ!お似合い夫婦!」
「仲良しじゃねぇ!」
「仲良しじゃないわ!」
二人そろって言ってしまい、顔が赤くなる。
「ほれみろ!息ぴったりだ!」
こいつは水上修。俺と二葉と昔からよく遊んでいた腐れ縁だ。
そしてCクラスに在籍してるわけで、こいつも水蒸気を少し発生させることができるだけという没能力だ。
「虎ー、二葉ー、そろそろ、一段落つけて、帰ろーぜー!」
「そうだな」
やっと終わったぜー、そう思いながら渡り廊下を歩いていると、前方から能力実戦授業を終えたAクラスの奴等が歩いてきた。
「なんか、この辺臭くね???」
「わかるー!あ!豚さんたちがいるからじゃない??」
あいつら...いつもこうやって俺らCクラスの事を家畜みたいな扱いをしやがる...
「今、なんつったよ!??」
「おい!!やめとけよ水上!」
「うるせぇ!こんなに言われてお前は悔しくないのかよ!虎!」
悔しいに決まってるじゃないか。でも俺達には力がないから黙るしかないんだよ...
「おいおい、やる気かよ?C組の分際で?言っとくけど、手加減とかできねーかんな?」
「やってやろーじゃんかよ!!」
「水上!!落ち着けよ!」
やばい、こいつらとまともに戦りあったら、ただじゃ済まないぞ。
「はいはーい!君たちー!おいたはいけないよー?、A組の子達もすぐに挑発しないこと!あなたたちも、すぐに挑発に乗っちゃダメでしょうがー!」
助かった、先生が来てくれてなかったらどうなっていたことか。この人は、俺達の担任の氷洞護先生だ。
「いや、しかし先生...」
「なんだい?眠利くん?」
「これは...やりすぎじゃないっすか????」
止めた先生の手のひらの先には、氷付けになった水上と、 A組の生徒がいた。
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