表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

昔と現在

「早く、会社に行かないと…。」


そう言っている俺は、橘 翔。

25歳の社会人。


今日に限って、寝坊してしまった。

いつもは、早く起きているのに…。


そんな言い訳をしていても仕方ない。


急いで、会社へ向かった。

走っていると、どこからかピンク色の桜が落ちてきた。


「桜かぁ…。」


この季節になると、思い出す事がある。


忘れられないあの日。


小学生だった俺は、友達と遊んでいた。

場所は、桜ヶ丘。

桜がきれいに見える場所として有名だった。


あの日も、桜が舞っていた。

そんな桜を笑顔で見ていた女の子。


星村 夏音(かのん)。俺の大切な幼なじみでもあり、想い人。


偶然にも、現在は同じ会社に勤務している。

星村は、俺の事を覚えていないみたいだけど…。


俺は、あの後転校したからな。

学年も違ったし、覚えている訳がない。


だけど、もう一度最初から仲良くなれば良いと思うなんて思えたのは、最近だったりする。


昔の事を思い出していた俺に、声がかかった。


『橘さんっ!!早く行かないと、遅刻しますよっ!!』


いきなり、びっくりしたよ。

息をきらしながら、急いでこっちに向かってくる星村。


「おわっ、星村!?」


『早く行きましょう。何で桜なんて、のんびり見てるんですか…。』


「ああ、ごめん。」


俺は、謝って星村と会社へ向かう。

星村も、寝坊したのかな…なんて考えながら。


『橘さん…?今日、どうしたんですか?』


「あー、何でもない。」


何て答えていいか分からず、言葉を濁した。


『そうですか。着きましたよ。』


ギリギリ間に合ったらしい。

星村は、先にドアを開けて入っていった。


小さい頃は、守ってあげなくちゃダメな存在だった。

それが今は、立派な社会人。


人は、変わってしまうんだな。


そんな事を思いながら、星村の後ろ姿を見ていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ