望琉の秘密②
「星宮くん……っ?!」
星宮くんの抱きしめる力……強い……けど、震えてる?
お姉さんのこと、思い出しちゃったのかな?
星宮くんは私を抱きしめたまま話し出した。
「姉貴さ、薬のせいで顔つきまで別人になっちゃってさ……見る度に辛かった。」
私はその話を聞いてて、何だか胸が苦しくなった。
星宮くんはまだ震えていたから、私も抱きしめた。
「白畑さん……ごめんね。」
「ううん……辛い話聞かせてくれて……ありがとう。」
星宮くんは少しずつ震えがおさまった。
「ありがと、白畑さん。もう大丈夫。」
「なら良かった……。」
「白畑さんはさ、何で薬飲んでるの?」
「小学校の時、クラスでいじめがあったの。私はその子を助けた。そしたら私がターゲットになっていじめられたの。それでお母さんに精神科連れていかれて、薬を渡された。」
「そう……だったんだ。」
「その時はリスカしてたからさ……。」
「そっか……。」
「今は傷何てないんだけどね。」
「白畑さん……。」
「星宮くん色々ありがとう。」
「小学校から中2の今も薬飲んでるの? 」
「……うん。」
「俺が頑張ってそのくせ治すから。」
「……ありがとう。」
星宮くん……いい人……。
「じゃ、教室戻るか。」
星宮くんが手を差し出す。私はそれを握って教室に戻った。