涙の秘密
「これって……薬……?」
バレたバレたバレたバレたバレた。
また笑われるんだ、バカにされるんだ。
「白畑さん……………」
こいつもどうせ笑うんだ、どうせ……。
「風邪引いてたから辛そうだったのか!ごめんね、早く気付けなくて!」
「……………は?」
「でもさー、風邪にしては薬多くない?!そんなに重症なの?!保健室いく!?」
何……………コイツ。笑わないの?
「あなた……笑わないの?馬鹿にしないの?」
「なにが?」
あぁ、コイツいわゆる天然って奴だ。
「私、薬依存症なの。」
なんで、私はコイツにバラしたんだろう。
「薬……依存症……?」
ほら困ってる。コイツも結局は同じ。
「でもさこの薬、ちゃんとお医者さんから貰ったんでしょ?危ない薬じゃないんでしょ?」
「……え、あ、うん。」
「大麻とか、覚せい剤とかそう言う危ない薬じゃないならいいとおもうよ。」
「な、んで?」
こんな事言う人……この人が初めて。
「俺は姉貴が居たんだ。姉貴は覚せい剤とか使ってて2年前に死んだ。死んだ後部屋片付けてたら覚せい剤がゴロゴロ出てきて、さ。」
さっきまでのヘラヘラした感じが一気になくなった。
「だから俺さ、姉貴みたいな人を1人でも減らしたくて。姉貴1回俺に泣いて縋ったんだ。”本当はこんな薬もう飲みたくない。でも、飲まないと落ち着けなくてみんなを怪我させちゃう”……って。」
「……っ。」
「姉貴はその後も飲み続けた。だんだん量が足らなくて少しづつ多くしてた。そんなある日玄関で倒れてて病院に着いた時には、もう……。」
「あ……え……っと……。」
声が出なくなった。言い返せない。
「白畑さん。俺さ白畑さんの薬癖治したい。だめ?」
「……え。」
「姉貴みたいな人を増やしたくない。白畑さんは病院から貰った薬だけど、これ以上増やしたら姉貴みたいになる。だからさ」
こんな事言ってくれる人……初めて……。
私はその場に座り込んで泣き出した。
「白畑さん!?」
星宮くんは私を抱きしめた。