五月雨模様-Final-
ナリ「五月雨!久々の出番だぞ、早くしろよ。」
五月「え!?ちょっと待って!まだおしるこ食べてる…!」
ナリ「なんで2月におしるこ食ってんだよ!?アホか!!」
五月「ぁぁぁあと1分!!着替えるから!!」
ナリ「まさかのまだパジャマ!?」
五月「それじゃあ本編へGO!」
ナリ「おまっ、それは二人で言おうって約束したじゃねえか!!」
五月「あっ、ナリくん!もう尺がないみたいだよ?」
ナリ「は!?嘘だろ!?」
五月「それじゃあせーのっ」
「[五月雨模様-Final-]!!」
五月「ナリくんの無様な姿をとくとご覧あれ!!」
ナリ「!!!?」
3月某日、桜雨の降り注ぐなか、とある高等学校では、卒業式が行われていた。
「ナリぃぃ!!!!」
突如聞こえてきた声に気づき、オレ、ユキナリは振り向いた。
後ろからは、こちらへ走ってくる幼なじみのレイが見えた。
レイはそのままオレに飛びついた。
「うわぁぁぁナリぃぃ!!」
すがり付いて泣くレイの頭を軽く撫で、「あぁーはいはい…。」と呟きながら、引き剥がした。
「うぅ…。」
レイは目を両手でゴシゴシと擦った。
時は流れ、高校3年生になったオレは、今日この学校を卒業する。
「ナーリーくーんっっ!」
またも後ろから名前を呼ばれた。
だが、振り向かなくても誰かなんてわかっている。
オレはため息をつきながら振り向いた。
「五月雨…。」
そこにいたのは、もちろん五月雨だ。
「えへへーっ来ちゃったぁ。」
五月雨は軽く手を振って、照れたように小さく笑った。
それを見ていたレイは、オレの後ろから五月雨を覗きこんだ。
「えぇー?誰?」
「あぁーえとー、オレの友達…?」
オレは適当にごまかしてみた。案の定、レイは興味が無かったのか、「ふーん」と言って五月雨から目をそらした。
そんな五月雨はオレの言葉に「とも…だち…。」と涙目になっていたが、気にしないふりをした。
「あれれーナリにレイくんだぁー。」
「おっ、レイナリだ!」
またもどこからか声が聞こえた。
そこに、新たに現れたのは、同じく3年生|(にしては少しいや、かなり小柄)のイビトとイチヤだ。
そんなイビトは、オレの隣にいる五月雨をまじまじと見た。
「…ナリの彼女?」
「違う!!」
イビトは「怪しいなぁー」という目で、オレの顔を覗きこんだ。
そんななか五月雨は、やはり涙目で「もう彼女でいいよ…?」と呟いていた。
「ナリぃぃぃ!!成長したなぁぁ!!」
そんな五月雨に気づかなかったのか、無視したのか、イビトはオレの髪を両手でわしわしと撫でた。
「ナリぃぃぃぃっっ!!」
それに便乗して、イチヤもオレの髪を撫でた。
「うぉぉぉ!?やめろぉぉ!!」
オレは二人の手を振り払った。
そんなオレの隣で、五月雨がクスクスと笑っていた。
「いやー、楽しかったなぁー。」
歩道の真ん中で、五月雨はクルッと一回転して言った。
「ナリくん、友達いたんだねー!」
さらっと失礼すぎることまで言って。
夕暮れ道、五月雨は夕日に背を向けながら、オレの少し前を歩いていた。
そんな五月雨の背中が、夕焼けで真っ赤に染まっていた。
眩しくて、直視出来ないほどに。
「私さぁ、今、すっごく嬉しいんだぁ。」
五月雨は、振り替えることなく言う。
「昔みたいに、ナリくんと一緒にいられて、ホントに幸せだよ。」
いい終えると、振り替えって、ニコッと笑った。
その笑顔が、夕焼けよりも眩しくて、思わず目をそらした。
オレは無意識に、一人じゃなくてよかったと感じた。
高校の仲間と、五月雨と一緒にいられることが、何より幸せだった。
そんな夕暮れ道、誰にも届かないほどの声で呟いた。
「ありがとう。」
―おまけ舞台裏―
『出番のないユキア先輩』
キア「おいコラ、ナリ!なんでホントにオレの出番ないんだよ!!」
ナリ「いやいや、オレらの卒業式なんだから、ユキア先輩なんていても邪魔なだけですよ。」
キア「誰が邪魔だテメェ!?」
ナリ「作者いわく「ユキアとかめんどいし邪魔だからいらないよね!(ニッコリ」らしいです。」
キア「ぉぉおおお!!!?」
ナリ「だからユキア先輩はいらないんですよ。はやく帰ってください。」
キア「テメェ…こうなったら意地でも帰んねぇかんな!!」
ナリ「えっ…そんなにオレと一緒にいたいんですか…?」
キア「はぁぁぁ!?違うからな!!」
ナリ「いや、だから帰ってくださいって。」
SIYのみなさん
ユキナリは卒業します。
1年生組、なんかよくわからないけどごめんなさい。
(おまけ番外編はユキア本人の希望です。)
1年2か月、ありがとう!
残り1か月だけど、なんか…
がんばります!(?)
Thank you for
イオリ
イチヤ
イビト
ツグル
ヒエイ
ユーア
ユキア
ロミ
レイ
(50音順)
from ユキナリ
We are SIY