第四話 放課後の作戦会議
順の提案はいたって単純だった。
『ぼくらの七日間戦争』の内容を丸々現実でやってみないか?
ただそれだけ。でも、たったそれだけが俺が入学してきてずっと探していた答えのような気がして心がすっきりした。
「てことで、計画でも立てるか。」
今は学校が終わって俺の家。さすがに給食時間中にはまずいだろう、ということになり順の部活が終わり次第俺の家に集合ということになった。
「さすがに、原作通りに夏休み始まってすぐは無理だろ。」
うん、クラスメイトを誘うにしても、7月中は現実的に無理がある。
というか、人が揃わない。みんな部活だ、なんだかんだと結局集まらないだろうし。
「となると、8月か。どうする?」
「8月って言っても、お前部活あるだろ?」
順はバスケ部だし、レギュラーだ。これからも続けていくんなら、練習は休まないべきだ。
ただでさえ、一年レギュラーで先輩によく思われていないんだ。これ以上よく思われないのは順が可哀想に思えてくる。
そう思って順の顔を見るとフフンとしたり顔をしていた。
「部活が一週間休みになる期間があるんだよ。」
え?ウチの学校で一番厳しいバスケ部が一週間も休み・・・。何かあったか?
・・・!
「お盆休みだ!」
そう答えるとピンポーンと言われる。
「お盆休みは他の部活も休み。ってことは、集まってくれる人の数が多くなる可能性がある。」
思わず順におぉ!と感嘆の声をあげる。これは部活やってる奴しかわかんないことだと思う。
お盆休みに部活が休みなんて俺にはわかんねぇもんなあ。
「ということで、8月13日から決行で人を集めてみるか。」
ということで、作戦は明日に持ち越しになった。まあ、人が集まるかどうかで出来るかどうか決まるんだが。
人数が集まらなかったら解放区はできないからな。